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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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人に挑む”RoboCup”_知の学究達=210=/秋山 &中島(01/mn)

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2050年までに、サッカー世界チャンピオンチームに勝てる人型ロボットチームを作ろう! 

小説『銀河のワールドカップ』のモチーフにもなったそのシミュレーションリーグ

1997年にスタートした「ロボカップ」大会、「チーム・ヘリオス」が完全優勝を果たした

ロボカップ サッカーシミュレーションリーグ 秋山英久・中島智晴

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂

(文・写真・動画=川端裕人 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 秋山英久&中島智晴(01) / 第1回 「サッカー日本代表」が世界大会で完全優勝!=1/2= ◆◇

 ロボカップという世界的な競技会は、なんとなく映画の「ロボコップ」のようにも聞こえるし、NHKが全国放送する高専生や大学生の「ロボコン」のイメージもあって、今の日本では正しく認知されていないかもしれない。

 実際「ロボカップ」の取材に行くと述べると、「ああロボコンね」と何人もの知人に言われた。

 なので、最初に確認すると、ロボカップは、以下のような目標を掲げ、毎年世界のどこかで行われるロボットと人工知能の国際競技会だ。

"By 2050, develop a team of fully autonomous humanoid robots that can win against the human world champion team in soccer."
 西暦2050年までに、人間のサッカー世界チャンピオンチームに勝てる、自律型の人型ロボットチームを作ろう!

 なんともまあ、大風呂敷と感じられるかもしれない。

 ロボコンに登場するロボットは何らかの形で人間が操作しているのに対して、こちらは「自律型」というのが最大の違いだ。自分で「考え」「行動する」タイプのロボットである。

 日本の研究者たちが提唱し、1997年に第1回大会が名古屋で開かれて以来、2012年のメキシコシティ大会にいたるまで実に16年間、1年も欠けることなく開催され続けている。たぶん、「サッカー」という世界的な人気スポーツを前面に出したコンセプトが当たったのだと思う。

 競技会という形で、各国の研究チームがしのぎをけずり、結果、人間に対抗できるサッカーロボットの実現へと近づいていく。これは本当にうまい仕掛けだ。人間と同じようにサッカーが出来るようなロボットは、人間の日常的な動作はほとんどこなせる。また、状況判断能力もきわめて高度だろう。目標の達成は、単に額面通り「サッカーで人間に勝つ」だけではなく、社会の中にロボットや高度な人工知能がごく普通に溶け込んだ未来をもたらすにちがいない。

もちろん実現のためのハードルは高い。 

 まず、サッカーのルールを理解して自らプレイを選択できる人工知能を仕上げなければならないし、同時にロボットの実機のメカの部分も洗練させなければならない。蹴る、ボールを追う、といった基本動作ですら、かなり複雑なものなのだ。だから、人工知能寄りの研究から、ロボットのメカニズムの制御工学的な研究まで様々な要素が混在する。

もちろん実現のためのハードルは高い。 

 必然的に、競技会のカテゴリーも多様だ。コンピュータ上に再現されたピッチで、人工知能の選手(エージェント)たちを戦わせる「シミュレーションリーグ」。円柱に似た形の小さいロボットで競う「小型ロボットリーグ」、人の形をしたロボットを使う「ヒューマノイドリーグ」等々。かつては、一世を風靡したペットロボットAIBOを使った4足歩行リーグというものもあった。

 さて今回ぼくが訪ねたのは、第16回目になるメキシコシティ大会。メキシコシティ市街地にあるワールドトレードセンターに、目標を共有する何百人もの研究者や学生が集結し、1週間にわたって競技やシンポジウムなどを繰り広げた。

 ぼくは、見た目として派手な実機が活躍する競技場ではなく、ややこじんまりして、なおかつ、薄暗い別の競技場に主に出入りしていた。そこで行われているのは「シミュレーションリーグ」。ロボカップの準備段階からすでにあった歴史の古い競技であり、2012年時点でサッカーらしいサッカーが一番実現できていることに魅力があった。部屋が薄暗いのは人工知能の選手たちがコンピュータの中で繰り広げる試合をスクリーンに写し出すためだ。

 ぼくの目当ては、優勝候補の一角である、福岡大学と大阪府立大学の合同チーム、チーム・ヘリオス。日本代表と呼んでよい強豪である。しかし、昨年、2011年のトルコ・イスタンブル大会では、決勝戦で中国に敗れた。今年は雪辱を期す機会だ。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: 国際ロボカップ大会 (1/6) □■

ロボカップ(ロボカップジュニア)(RoboCup)は、ロボットと人工知能の新しい標準問題として「2050年、人型ロボットでワールドカップ・チャンピオンに勝つ」ことを設定し、その研究過程で生まれる科学技術を世界に還元することを目標としている国際的ロボット競技大会である。

競技会場やメディアを通した一般への認知としては高度なロボットコンテストロボットコンテストに見えるが、その見かけのエンターテイメント性にも意味があり、50年に渡り数世代に及ぶ研究課題として次世代を担う子供達に科学技術の興奮と素晴らしさを伝えている。

ソニーCSL北野宏明大阪大学浅田稔電総研松原仁ら日本の研究者が提唱して1993年に提案され、1995年にスペシャルセッション、1996年にプレ大会、1997年より第1回として毎年開催されている。

積極的な国では春から初夏にオープン戦が開かれ、7月頃に世界大会が開かれる。日本では、5月のゴールデンウイーク中に”RoboCupジャパンオープン”が開かれる。

尚、ロボカップが提唱するロボットと人工知能の新しい標準問題として、以下の一節が良く使われる。 : By 2050, develop a team of fully autonomous humanoid robots that can win against the human world champion team in soccer./ 「西暦2050年までに、人間のサッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型の人型ロボットチームを作る」

競技とシンポジウムの意義

ロボット工学の研究においては、人工知能から機械まで必要とされる要素技術が多く、再現性の不確かなシステムに陥りやすい問題がある。理論と現実の関連性の確保が難しく、誤れば研究の信頼性の問題となる。ロボカップは、一般にはロボット競技が注目されているが、競技で実証した研究をシンポジウムで発表すること、実物を前に研究者が交流を持つことにこそ意義があり、競技とシンポジウムは不可分の関係にある。

競技種目 : ロボカップは大きく4つの分野に分けられ、さらに競技ごとに細かく分類される。

競技種目 : ロボカップサッカー /

ロボカップの中心となる競技で、人間と同じように自分で状況を判断し動く自律型ロボットを使用して競技が行われる。

競技種目 : シミュレーションリーグ /

シミュレーションリーグでは、コンピュータ画面上に11対11の人工知能の選手達が戦う。 外見上は、サッカーのコンピューターゲームに見えるが、中身は大きく異なる。一般的にコンピューターゲームとしてのサッカーは、1つのプログラムが全ての状況を知っているため、将棋と同様のゲームとなる。状況の情報を全て使用可能であるため、フォーメーションやチームワークを持たせることが容易である。

シミュレーションリーグでは、各選手が現実の体を持たないロボットとして動作する。それぞれの選手は独立したプログラムであり、各選手が利用可能な情報は限定されている。見えるのは首の向いた方向だけ、見えたボールや選手の位置も意図的に誤差を含めて、蹴ったボールも正確には飛ばない。声に相当する通信も少ない情報のみで届くことすら保障されていない。

不完全な情報、不完全な結果、予測できない仲間。これらの状況は人工知能の重大な問題を豊富に含んでおり、優秀な論文を最も多く生んでいる。1996年のロボカップ・プレ大会から始まる最も古いリーグ。サッカーとしても、ゲームの質が最も高い。 ・・・・・・明日に続く

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◆ ロボカップのご紹介(サッカー編)by Nexis-R ◆

動画のURL: https://youtu.be/FcPk5fmISes 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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