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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =162= /吉田憲司(03/mn) 

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仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 吉田憲司(03) / 割礼か、むち打ちか =1/3= ◆◇

 ザンビア東部に住むチェワの人々は、男たちの仮面結社による、葬送の儀礼(正確には、喪明けの儀礼)での舞踊で知られる(「グレワムクル」としてUNESCOの世界無形遺産にも登録されている)。

 農閑期にあたる乾季に、その年に亡くなった人たちの魂を送るための儀式が行われ、そこで男たちは、ニャウ、ニャウ・ヨレンバに扮して、死者の葬送の役割りを担う。

 大切な点は、この結社が、いわゆる秘密結社であって、入会の儀式を経た男性でないと詳細を知り得ないことだ。どのように「かぶり物」であるニャウ・ヨレンバを作るのか、そもそもニャウが本当は男性が扮したものであるとかといった事実は、村の中では隠匿されており、メンバーだけが共有する。

秘密結社。

 なんだか、この言葉には甘美にして、いかがわしい響きを感じる。

 ぼくがはじめて「秘密結社」に出会ったのは、またしても「仮面ライダー」だ。仮面ライダーの敵は、「悪の秘密結社ショッカー」なのである。

 秘密結社と仮面は、かくも相性がいいのか、と感じる(偶然かもしれないが)。

 さて、国立民族学博物館の吉田憲司教授は、1984年から86年にかけて、アフリカのザンビア東部のチェワの村に住み込み、仮面結社への入社を果たした。以後も、繰り返しこの村に通い、今現在も、「秘密結社」のメンバーである。

 となると、その「秘密」について、教えてもらいたくなるのだが、ちょっと遠回りして、吉田さんと仮面とのなれそめの話から伺っていこう。

 吉田さんと仮面との出会いは大学の学部生時代にさかのぼる。

「もともと人類学をやりたかったんですが、大学が京大でして、当時、人類学の教室がなかったんです。仏像とか美術とかが好きだったので、美術史の教室に所属しつつ、人類学の研究会に加わって学んでいました。そのうち、仏像や絵画などじっとしているものよりも、人間の身体と一体化して何かをつくり出すものに惹かれるようになり、1回生の冬ごろから長野県の伊那谷に入り、霜月神楽の調査を足かけ3年ぐらいやりました。その段階でもう仮面に関心が向いていたということになります。その一方で、探検部に所属していたので、とにかく遠いところ、異文化に自分を投げ込みたいという、そういう意識は最初から強くありました」

・・・・・・明日に続くに・・・

■□参考資料: みんぱく吉田館長インタビュー (3/5) □■

どれだけ大きな総合大学でも、例えば京大ならアフリカに強くても南米についての研究者はいないなど、得意不得意があります。先進国と言われる国で、首都に世界全体を見渡すことのできる博物館がないのは日本くらい。その理由はみんぱくが東京ではなく、大阪にあるからです。それだけユニークな組織なので、活用の仕方はたくさんあると思います。

開館30周年のタイミングでスタートした本館の全面改修が今年3月にようやく完了。ちょうど10年かけて、30年続いた常設の展示は生まれ変わったことになります。といっても、限られた展示空間で伝えることのできる情報は限られています。今後は来館者の関心に応じて情報を引き出し、提供できるようにするという、情報の高度化事業を進めていこうとしているところです。

具体的には、現在28台あるビデオテーク(映像システム)を全面的に取り替えます。そして、現在のPSPによる電子ガイドを、スマートフォンを利用した次世代のものに進化させます。展示資料の情報を提供するだけでなく、例えば来館者の興味に合わせて展示場における最適なコースを設定し誘導してくれるようなシステムを開発。

展示場で見たものや興味を持ったものの情報がスマホに記録され、ビデオテークのブースに行くと、関連映像や研究情報を見ることができるといった内容です。もちろん、家へ帰るとそれらの情報をPCで見ることができます。さらに、遠方の人がPCのモニター上で展示場を回ることができるヴァーチャルミュージアムの製作も進め、これはすでに公開を始めました。

同じ企画を美術館と博物館で開催。 / その違いを改めて考えてみるよい機会になりました。

私は美術史畑の出身で、その観点に立つと、この100年くらいの間、美術史と文化人類学、美術館と博物館は別のベクトルで発展してきたことが分かります。例えば、グラスやお茶碗は美術館と博物館のどちらに収蔵されてもおかしくない。でも、美術館では美術作品として制作者の名前や制作年代が記されますが、博物館の中でも特に民族学の博物館になると、制作者の名前も制作年代も提示されていないことが多いのです。美術館も博物館も英語では同じ“ミュージアム”ですが、日本人はわざわざ別の名称を付けたことで、その区別が強いものになってしまった。だから、それぞれの中にいるとき、私は世界の半分しか見えてないように感じています。・・・・・・明日に続く

◆ 国立民族学博物館 National Museum of Ethnology - Osaka, Japan ◆

動画のURL: https://youtu.be/2bAZVxkJ4kA 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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