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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =161= / 吉田憲司(02/mn)

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仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 吉田憲司(02) / ライダー、プリキュア、アフリカの仮面 =2/2= ◆◇

  日本には、一応のところ、仮面がある。お祭りでは仮面を使うところと使わないところがあるとはいえ、ニュースではそういったものも折々の話題として報じられるし、前述したような「仮面の物語」も豊富だ。だから、「アフリカの仮面」などをだーっと並べたものを見た経験があるだけで、ごく自然に世界中どこにいっても「仮面はある」と思ってしまっていた。しかし、そうではないらしいのだ。

 太平洋ではメラネシアのみ、というだけでなく、南北アメリカ大陸では、場所によって作られたり、作られなかったりで、どちらかというと、作らない文化の方が多いそうだ(たぶん前回の研究室訪問で話題にしたインカでも、仮面は使われなかったのではないか)。

 吉田さんはさらに話を進めた。ほかならぬ、「アフリカの仮面」について。

「アフリカですと、赤道を挟んで南北に広がっている熱帯雨林や、ウッドランド、サバンナの、特に農耕を主な生業にしている人たちの社会で、仮面が見られるんですが、じゃあその地域のすべての社会に仮面があるかというと、そういうわけでもないんです」

 牧畜、特に遊牧を生業にしている社会では、仮面は見られない、という不思議な法則もあるという。

 いったい何故なんだろう。

 仮面というと、ただそれだけで、郷愁やら畏怖やら、なにやらもぞもぞした感覚を抱くぼくは、こういったことを知った時、なにやら、自分が感じていたひっかかりが、更に強くなるのを自覚した。

 思っていたほど普遍的というわけでもなく、むしろ特殊かも知れないのに、どことなく普遍的な法則性を秘めているように思える不思議なさじ加減、というか。相変わらず言葉にしにくいままだが、非常に吸引力があるのは間違いない。

 では、ぼくなどより、はるかに深く仮面の世界に入り込んでいる吉田さんにとって、仮面の吸引力とはなんなのだろう、というのを聞きたくなる。

 実は、吉田さんは、アフリカのとある部族の「仮面結社」なるものに入会を許され、身をもって「生きている仮面」を体験してきた人物なのである。

 そこに至るまでの話を是非聞いてみたい。

※吉田憲司(よしだ けんじ)

1955年、京都府生まれ。文化人類学者、博物館人類学者。国立民族学博物館文化資源研究センター教授。1984年からザンビアで2年間チェワ社会における仮面結社と憑霊現象についてのフィールドワークを実施。『仮面の森―アフリカ・チェワ社会における仮面結社、憑霊、邪術』(講談社)、第22回サントリー学芸賞を受賞した『文化の「発見」―驚異の部屋からヴァーチャル・ミュージアムまで』(岩波書店)などの著書がある。

次回は“第2回 割礼か、むち打ちか”に続く・・・

■□参考資料: みんぱく吉田館長インタビュー (2/5) □■

みんぱくが保有している約34万5000点ものコレクションは、20世紀後半以降に築かれた民族誌資料のものとしては世界最大の規模を誇ります。研究者がフィールドワークを通じて持ち帰ったものや寄贈されたものが多いのですが、開館時に核となった古いコレクションがいくつかあります。

もうひとつは、大蔵大臣や日銀総裁を務めた渋沢敬三氏が、若い頃から自宅車庫の屋根裏に集めていたアティック・ミュージアムのコレクションです。もともと自然史系の収集から始まって、日本人の生活に関する資料や現在で言うところの民具を収集していました。このコレクションが、「将来、国立の民族学博物館ができたときには寄贈してほしい」との要望を添えて1962年に国に寄贈され、それがみんぱくができたときにみんぱくへ納められたわけです。

日本に民具という言葉が生まれたのは、渋沢氏のアティック・ミュージアムでの活動がもとになっています。興味深いのは、大正末期に柳宗悦らが民藝という言葉をつくったのとほぼ同時期だったこと。民具だけでなく民話や民謡と、“民”が付く言葉がこの頃に一斉に誕生しました。産業革命が進む中で、農村が疲弊してしまった。そこで農村を再生していく中で、郷土の文化をもう一度見直そうという運動が起こったのです。その時に農村部において「これは俺たちの唄だ、道具だ」と呼ぶ必要が出てきたのでしょう。私はこれを“民(たみ)の誕生”と呼んでいます。

本館の全面改修が10年かけてようやく完了。 / 30年続いた常設の展示が新しく生まれ変わりました。

みんぱくには収蔵品数をはじめ数多くの世界一がありますが、私にとってみんぱくの魅力とは研究者や職員が夢を実現できること。世界と繋がりたいという想いから研究をスタートさせ、海外でフィールドワークを実施するなど、私もやりたかったことはほぼすべて実現してきました。世界中の研究者と共同研究を行うこともできるし、シンポジウムを開催することもできる。研究を通じて得た成果を発信したい場合は、みんぱくで展示することもできますし、その内容を世界に向けて発信したいなら、国際巡回展示もできます。

建物の設計は黒川紀章氏です。当時、黒川氏は都市や建築において社会の変化や人口の成長に合わせて増殖する、“メタボリズム(変態)”を標榜。開館当時、みんぱくは4つだけのユニットでしたが、その後どんどん増殖を繰り返し、現在では地下1階、地上4階建ての10のユニットから構成されるようになっています。最上階の4階には研究室が“ロ”の字型に並んでいて、廊下を一周すると世界中の言語を誰かしらが話します。世界中の地域における最新のフィールドワーク情報を持っている組織は、日本ではここにしかありません。・・・・・・明日に続く

◆ 特別展「イメージの力 ―国立民族学博物館コレクションにさぐる」紹介 ◆

動画のURL: https://youtu.be/gEX6lyTcu7Y 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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