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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =121= / 堀信 行(09/mn) 

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『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か

それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう

そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に

“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 堀 信行(07) : 第三回 アフリカの熱帯雨林でも大発見 =3/3= ◆◇

 ここで話題にあがったサバンナについて、人が果たした役割の大きさも分かってきた。

「ケニアで見たサバンナは美しいんですね。草原に時々アカシアの木などがシュッシュッと立っている。ところが、カメルーンに行ったら、草も木もあるんですが、美しくないんですよ。これは何故なのかなと思って、雨量分布図と重ねてみると、熱帯雨林でもおかしくない雨量があるんですね。実は、人間が火を入れたりなんかして、熱帯雨林を人為的にサバンナのような景観にしてしまったんだということがだんだんとわかってきたんですね」

 堀さんは、カメルーンの牧畜民の草の食べさせ方を観察した。

「起伏に富んだ土地の尾根から食べさせ、だんだん谷底へ向かっていく。つまり、草がいつまでも残るのは谷底のほうなんですよ。乾季に近づくにしたがって、谷底へ近づいて、自分の飼ってる牛の数量と草の量があえば、それ以上彼らは要求しない。でも、足りないとなると、熱帯雨林のほうへ入っていって、道路沿いの草木にパッと火つけたり、自分の放牧地に火入れをし、その火が雨林の緑の木々を燃やすこともある。そうやってじわじわ、じわじわと、自分たちの牧畜に都合のいい空間を増やしていくんです。もっとも、こう言いますと牧畜民の負の部分だけになりますが、農耕民側も牧畜民側に無理難題をもちかけ牧畜民を悩ましていることがあります。詳しく述べる余裕がありませんが」

 地図帳などで出ているケッペンの気候区分では同じに扱われるが、人為的につくられていくサバンナっていうのが、実は相当あるらしいのだ。

「当初アフリカで調査するときには、周りの人に「アフリカの大自然を調べに行く」と言っていたんですね。アフリカこそ手つかずの自然の象徴だというつもりで。ところが、調べれば調べるほど、アフリカに手つかずの自然は本当にあるのかと思うようになりました。熱帯雨林の地下でも、人間の遺物が見つかる。サバンナでも、砂漠の近くに行っても、どんどん見つかる。ですから人間の影響のない地面はアフリカにないんじゃないかと言い切れるぐらいです」

 このあたりの「人」の介入のさじ加減は、ぼくも大いに納得させられる。ぼくの個人的な体験では、人類史の中で一番最後に発見された大きな陸地と言われるニュージーランドですら、固有の森はほとんど残っていないのを目の当たりにした。人との相互作用で、我々が「自然」と思うものは形作られているというのは大いに納得。

 ともあれ、サンゴ礁研究から、陸に上がった堀さんの研究は、かなり「人」の営みに近いところに到達した。

次回は“すべては地理学だった”に続く・・・・

■□ 参考資料: サバンナ気候 (2/2) □■

サバナ気候にあたる地域では夏は赤道低圧帯に入るため湿った空気が流れ込みやすく、対流性・地形性・低気圧性の雨(降雨)が多い雨季となる。しかし冬は一転して中緯度高圧帯に入るため、乾燥した空気が長く居座り雨がほとんど降らない換気が続く。一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれており、モンスーンの影響が非常に大きい地域である。

なお、ごく限られた地域では夏に高い山脈によって雲が遮られて雨陰となるなどして夏が乾季、冬が雨季となるが、夏が雨季となる地域に比べて年間降水量は少ない。

雨季の降水量が少なければ旱魃、多ければ洪水となるため、どちらにしても農作物や水をはじめとして生活全般に大きな影響が及ぶ。

植生は丈の高い草原の中に乾燥に強いバオバブなどの樹木がまばらに生える、サバナとよばれる熱帯草原が多く見られる。夏にはこれらの植物が生い茂っているが冬では樹木が落葉、草原は枯れ種や根に姿を変えるため赤茶けた大地となる。アフリカでは、この気候帯に多くの野生動物が生息している。

但し、ナイロビ国立公園の至近の街ナイロビは温帯夏雨気候に分類され、カラハリ砂漠のように乾燥帯の土地もあり(中央カラハリ動物保護区は世界第二位の広さの動物保護区)、野生動物はこの気候より低温や乾燥した気候でも多くみられる。降水量の比較的多い地域(インドシナ半島など)では乾季に落葉する広葉樹林雨緑林)も見られる。

土壌はラトソル(ラテライト)と赤黄色土が多く分布し、熱帯雨林ほどではないが痩せた土壌で農業にはあまり適さない。しかし、一部肥沃な土壌(ブラジル高原のテラローシャインドデカン高原レグール土)が分布する地域もある。

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◆ Africa tanzania ◆

・・・  https://youtu.be/dlWEUKc3Dx0  ・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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