太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか
私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか
国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む
太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 田村元秀 : 第二回 世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡 =1/2= ◆◇
「コロナグラフ」と「補償光学装置」によって、太陽系外惑星の直接観測が可能になると前回書いた。
この点において、日本のすばる望遠鏡は、世界最高の性能を誇っている。
では、「コロナグロフ」「補償光学装置」とはなにか。
まずは、コロナグラフ。もともとは、皆既日食の時にしか観測できない太陽のコロナ(太陽から噴き出す電子などが出す光)を望遠鏡で観測するために考えられた。太陽を皆既日食のように覆う円盤を望遠鏡に取り付けて強すぎる光を遮り、まわりのコロナが見えるようにするものだ。それと同じ原理で、遠い恒星の光を遮蔽して、近辺にあるかもしれない惑星候補をさがす。田村さんはこんなふうに表現した。
「明るい灯台があるとします。あえてその横にホタルを置きましょう。実はわたしたちは、そのホタルのほうに興味がある。灯台の光がこっちを向いてるときはどうしようもないので、灯台の光が横を向いて暗くなったときに観測すればいい。これは日食の時の観測と似ているわけです。実はすばる望遠鏡で普通の星を観測したら、非常に明るくなってしまって、この場合の灯台や太陽を見ているようなものなんですよ。だから、明るい恒星を隠してしまおうということなんです」
すばる望遠鏡のコロナグラフは、HiCIAO(ハイチャオ)という愛称で呼ばれている。前代のCIAO(チャオ)の後継機だ。つまり、系外惑星の直接観測も、すでに第二世代に入っているということでもある(本当に油断も隙もあったものではない)。
「透明な基盤の上に蒸着した金属の膜で遮蔽します。見た目はごく小さな黒い膜ですね。基盤の上の大きさでは10ミクロン精度が必要ですし、角度でいうと0.3秒角とか0.2秒角くらいなんです。日本の非常にいい条件のところで夜空を見たときに、星が多少瞬いて見える。あのサイズが1秒角。それよりも小さい部分だけを隠すことができるんです」
ここで、え? と思った読者は鋭敏だ。
星々の瞬き、つまり、大気の揺らぎの影響が1秒角分あるなら、0.3秒角や0.2秒角といった小さな所を隠しても、意味がないのではないか。星像がぶれた分、光が漏れてしまうのでは?
これをなんとかするのが、補償光学装置だ。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: 人類の宇宙観を劇的に変えた3人(1/2) □■
【ノーベル物理学賞】人類の宇宙観を劇的に変えた3人。宇宙誕生初期の解明と太陽系外の惑星の発見 ≪1/2≫
我々人類は、はるか昔から空を見上げ、この宇宙の姿や地球というかけがえのない存在について思いをはせてきた——。
10月8日、ノーベル財団は2019年度のノーベル物理学賞を、プリンストン大学教授のジェームズ・ピーブルス博士、いずれもジュネーブ大学教授のミカエル・マヨール博士とディディエ・ケロー博士の3人に授与すると発表した。
宇宙誕生初期を予測した宇宙理論の専門家
ジェームズ・ピーブルス博士は、宇宙の構造や歴史について理論的な研究を行い、現代宇宙論の基礎の構築に貢献したことが受賞理由だ。
約138億年前に宇宙が誕生した直後、宇宙は超高温・高密度の火の玉のような状態だったと考えられている。火の玉状態の宇宙は膨張しながら少しずつ冷えていき、原子が誕生し始めた。そして宇宙が誕生してから約40万年後、「宇宙マイクロ波背景放射」と呼ばれる特徴的な光が宇宙全体に広がった。この光は、現在でも宇宙の四方八方から地球へと降り注いでいる。
これがいわゆる「ビッグバン理論」で予想される、宇宙の歴史だ。
東京大学教授で天文学を専門とする田村元秀博士は「ピーブルス博士は、こういった宇宙誕生初期の様子を理論的に予測するうえで、多大な功績を残した方です。宇宙理論の専門家の中で目立った功績を挙げた方はたくさんいますが、総合的な功績の大きさが今回の受賞につながったのではないでしょうか」と話す。
◆ すばる望遠鏡誕生 ◆
・・・https://youtu.be/kRs8uYgrd4A・・・
50光年先の天体の動きを観測し、系外惑星を発見
一方、ミカエル・マヨール博士とディディエ・ケロー博士は、人類史上初めて「系外惑星」を発見したことで知られている。系外惑星とは、太陽系の“外側”に存在する恒星(みずから光り輝く星)の周囲にある惑星だ。
マヨール博士とケロー博士は1995年10月、フランスのプロバンス天文台で、地球から約50光年離れた場所にある「ペガスス座51番星」という太陽によく似た恒星を観測。恒星のわずかな動き捉える「ドップラー法」という手法を用いて、その周囲に系外惑星が存在することを確認した。
前出の田村博士はこう話す。
「例えば、ハンマー投げをしている人がいたとします。ハンマーをぐるぐる回しているとき、中心でハンマーを回している人は多少ふらつくはずです。実は、恒星の周囲に惑星があると、ハンマー投げをしている人と同じように恒星もわずかにふらつくのです。マヨール博士らは、約50光年離れた場所にある恒星が、秒速十数メートル程度で揺らいでいる様子を確認することで、その周囲に惑星が存在することを立証しました」
・・・・・・明日に続く
◆ 宇宙創生から現在まで ◆
・・・https://youtu.be/K4RwCObSllE・・・
・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/5cf2386f620d07793c979cfe1eea4b63
後節へ移行 : http://blog.goo.ne.jp/xxxx/106/xx
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;如水総覧】 :http://thubokou.wordpress.com
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【疑心暗鬼;如水創作】 :http://bogoda.jugem.jp/
下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行
================================================
・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
================================================