太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか
私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか
国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む
太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 田村元秀 : 第一回 系外惑星候補の撮影に成功! =1/2= ◆◇
これ(上図左図参照)は、2009年8月の観測データです。地球に似た星のまわりを近赤外線で撮影したもので、こことここ、2カ所に惑星候補があります」
国立天文台准教授で太陽系外惑星探査プロジェクト室長の田村元秀さんが、ぼくに示しているのは、こと座の方向50光年のところあるGJ758という星の周囲を撮影したという画像だ。指先にはたしかにはっきりと、粒だった小さな星、惑星らしきものが2つ写っていた。
ぼくはめまいを感じた。50光年という、わりと近い距離とはいえ、別の星の惑星が「見える」時代になったのだなあ、と。
この大宇宙のとある局所銀河群に、我々の銀河系があり、その一つの腕(オリオン腕)に我々の太陽系がある。太陽系の内側から3番目の惑星軌道を周回する「地球」は居住可能(ハビタブル)な条件を備えており、我ら人類をはじめ、おびただしい種類の生命を宿している。
では、太陽以外の恒星ではどうか。太陽系以外にも惑星があって(太陽系外惑星、あるいは、単に系外惑星ともいう)、そのうちのいくらかは、「居住可能」であり、生命を宿し、時には知的生命体すら生みだしているかもしれない。
と述べると、狭義の「科学」をはみ出して、SFの世界であると感じる人がいるかもしれないし、「科学者たちの真面目な異星人さがし」ともいわれるSETI(地球外知的生命体探査)を思い出す人もいるかもしれない。ぼく自身、SETIを扱った小説を2002年に書いており(出版は2003年)、その際には系外惑星探査についても調べ、魅了された。
その時の知識では、太陽系外の惑星を直接「見る」のは難しいので、まずは主星(恒星)をよく観察し、その前を惑星が通ったときにほんの少し暗くなるのを捉えたり(トランジット法)、大きな惑星の公転に主星が引きずられ振動するのをわずかな波長の変化として捉えたり(ドップラー法)、惑星が引き起こす間接的な現象を見つけるのが、普通だった。これらの方法は直接惑星を見ないので、「間接法」と呼ばれる。
それが今や、「間接」ではなく、文字通り「目に見える」直接的な方法で、系外惑星が探査されているというのである。本当にこの分野は日進月歩で、油断も隙も(?)あったものではない。
日本のすばる望遠鏡(口径8.2メートルの光学望遠鏡で、ハワイのマウナケア山に設置)は、この系外惑星の直接観測について、第一線の大きな成果を出し続けている。その中心人物が、国立天文台の太陽系外惑星探査プロジェクト室長、田村さんなのである。
国立天文台は東京都三鷹市にある。天文台というからには、どーんと大きな天体望遠鏡があって観測を行っていると想像されるかもしれない。実際に、太陽の表面の爆発現象(フレア)を観測する太陽フレア望遠鏡や、一般市民のための定例観望会に使われる口径50センチ望遠鏡などがあるし、歴史的に研究利用されてきた様々な観測機器も保存されている。
とはいえ、ぼくたちが、田村さんと会った「すばる棟」は、ごく普通の事務所が入る建物と変わらなかった。エントランスホールにすばる望遠鏡の模型が置かれていたり、廊下から見える小部屋では研究者や学生がデータを処理するためにパソコンの画面とにらめっこしていたりする程度。観測の現場はハワイ島なので、ここだけを見ると天文台とはかけ離れた印象だ。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: 参考資料: 大型光学赤外線望遠鏡 (1/2) □■
大型光学赤外線望遠鏡、愛称すばる望遠鏡( Subaru Telescope)は、アメリカ・ハワイ島のマウナ・ケア山山頂(標高4,205m)にある日本の国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡である。
1991年1月ファーストライト(試験観測開始)。建設総額は400億円。システム設計・建設のほとんどは三菱電機が請け負った。国立天文台が建設準備を進めていた当初のプロジェクト名は「日本国設大型望遠鏡」(Japan National Large Telescope, JNLT)だった。建設が始まった1991年に望遠鏡の愛称の公募が行われ「すばる」が選ばれた。
主鏡に直径8.2m、有効直径(実際に使われる部分の直径)8.2mという当時世界最大の一枚鏡をもつ反射望遠鏡であった。主鏡はアメリカのコーニングとコントラベスに於いて7年以上の歳月を費やして製造された。
◆ サイエンティスト・トーク「地球外生命を探して -太陽系の"三大名所"をめぐる科学の旅」 ◆
・・・https://youtu.be/LxqQjZEAqGg・・・
2015年4月時点で世界最大の一枚鏡望遠鏡は、アメリカアリゾナ州にある大双眼望遠鏡で、8.4m鏡2枚の合成直径は11.8m。また分割鏡では、スペイン領ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台にあるカナリア大望遠鏡(有効直径10.4m)である。
すばる望遠鏡には高度な技術が多数使われている。例えば、コンピューターで制御された261本のアクチュエータにより主鏡を裏面から支持することにより、望遠鏡を傾けた時に生じる主鏡の歪みを補正し、常に理想的な形に保たれている(能動光学)。また、天文台の建物そのものの形状を工夫することで空気の乱れを防ぎ星像の悪化を防いでいる。採用された円筒形のドーム形状は、特に内部からの放熱による乱流を防ぐ観点で、通常の半球形のドームより適しているとの理由によって採用された。
天体の観測は、観測装置のセットアップ以外は、山頂の望遠鏡からのデータを約30キロ離れた、ハワイ島最大の町ヒロにあるセンターで観測者が受ける形で行われる。
・・・・・・明日に続く
◆ 田村元秀 天文学専攻 教授 『第2の地球を求めて 太陽系外惑星探査』 ◆
・・・https://youtu.be/LoqWZ7eCwG8・・・
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