地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・渡辺佑基
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る”を基調に編纂】
(文/写真=渡辺佑基= & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ ニシオンデンザメと優しいイヌイット =2/3= ◆◇
今回の調査の目的は、ウィンザー大学(カナダ)のナイジェルたちと共同で、ニシオンデンザメの生態を調べることである。ニシオンデンザメは北極で見られる唯一のサメで、大きいものだと体長が6mにもなる巨大なサメだ。とはいえ、ホホジロザメに代表される獰猛なイメージとはずいぶん違っていて、背びれも尾びれもタラリとしていて、全く覇気が感じられない。そればかりか、釣り上げて手で触れても、何の反応も示さない。でもその割に目だけは怪しく緑色に光っているという薄気味悪いサメだ。
私は2009年にスバールバル諸島(ノルウェー)でニシオンデンザメのバイオロギング調査を行い、このサメが「世界一のろい魚」であることを発見した。ニシオンデンザメの平均遊泳スピードはわずか時速1キロしかなく、体の大きさの違いを考慮して比較すると、これまでに調べられたどんな魚よりも遅かった。
喰うために獲物を捕えねばならないサメとしては、これは致命的なハンディキャップのはずである。さらにおかしなことに、ほぼすべてのニシオンデンザメは、瞳からぶら下がる白い寄生虫によって、視力さえ奪われている。ところが不思議なことに、そんなハンディキャップをものともせず、ニシオンデンザメは北極の海で繁栄している。正確な個体数はわからないものの、調査をしている私の感覚でいえば、うようよといる。この奇妙なサメは、いったいどのようにしてエサを捕えているのだろう?
それを明らかにするために、今回、私は初めて光源付きの動物用ビデオカメラを用意してきた。今までに私は、ペンギンを始めとしていろいろな海洋動物にビデオカメラを取り付けてきたけれど、すべて自然光に頼った、光源なしのカメラであった。この新しいカメラを使えば、ニシオンデンザメが深海でエサを捕るシーンを、世界で初めて映像に収めることができるかもしれない。
私たちは港に停泊していた調査船「Nuliajuk」に乗りこんだ。船はその日のうちに出港し、10時間ほどかけて、今回の調査地であるスコット・インレットと呼ばれる入り江に到着した。鋭く切り立った岸壁が左右に遠くまで続いていて、川のようにも見えたが、水深は600~700mもあった。時々岸辺にはホッキョクグマがいるらしかった。
そしていよいよ、釣りの開始だ。ニシオンデンザメを捕獲するために、大きな釣針のひとつひとつにエサをつけ、幹縄につないで海に投入していく。延縄と呼ばれるシンプルな漁法である。ちなみにエサはセイウチの脂肪だった。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: “ホホジロザメ追跡”がネットで話題に □■
衛星発信機で行動をリアルタイムに追跡、ツイッターでレポート中
衛星発信機で行動を追跡中のホホジロザメ、「メアリー・リー」。このサメを追跡した状況がツイッターで発信され、インターネットで話題を呼んでいる。
体重約1500キロの頂点捕食者は、一夜のうちに米国東海岸のメリーランド州からニュージャージー州まで移動していた。米国メリーランド州とバージニア州は、メアリー・リーには見どころが足りなかったようだ。少なくとも、5月7日の朝はそうだったらしい。7日午前8時15分(現地時間)には、ニュージャージー州の南端にいることが確認された。
研究チームは2012年9月、マサチューセッツ州ケープコッド沖で、体長4.9メートルのメアリー・リーに衛星発信機(サテライトタグ)を取り付けた。捕食者の行動を追うために発信機を取り付けられたホホジロザメは彼女を含め5匹で、いずれも名前が付けられている。メアリー・リーは、研究チームの1人が自分の母親の名から命名した。
メアリー・リーと同じく発信機を付けられた「リディア」は2014年、大西洋を横断したことが観察された最初のホホジロザメとして歴史に名を刻んだ。マサチューセッツ州海洋漁業局の上級漁業研究員グレッグ・スコマル氏はこのとき、他のホホジロザメも大西洋を横断している可能性が高いとコメントした。人間が初めて横断を追跡できたのが、たまたまリディアだったのだ。
メアリー・リーも決して怠け者ではない。「リディアは北と東方向への移動という点でより広範囲な動きを見せていますが、メアリー・リーも地図上をくまなく動いています」とスコマル氏は話す。実際、2年半以上前に発信機を付けられてからのメアリー・リーの移動距離は合計3万1340キロに達している。
背びれに取りつけられた発信機は、約4~5年間作動する予定だ。発信機が海面上に出るたびに位置情報が人工衛星に送信される。研究チームは衛星からデータを受け取り、サメをリアルタイムで追跡できる。
5月7日、メアリー・リーはニュージャージー州ケープメイの真南で少なくとも5回浮上。5月3日から5日のルートはジグザグの連続で、バージニア州とメリーランド州の境目に当たる沖合をうろついていた。次にどこに顔を出すかは、誰にも分からない。
フロリダ自然史博物館のフロリダ・サメ研究プログラムを指揮するジョージ・バージェス氏によれば、ホホジロザメを海岸近くで見かけることはそう珍しくないという。むしろ、ホホジロザメは「沿岸で過ごす時間の方が長い。そこで餌の大半を取っているからです」
バージェス氏は「ホホジロザメの成魚が好んで捕食するアザラシやアシカといった哺乳類は、定期的に浜に上がって休み、体温を上げる必要があります。したがって、ホホジロサメも彼らを襲いに沿岸に来るのです」と話す。
さらに、米国東海岸ではホホジロザメの移動に明らかな季節性がみられるとバージェス氏は付け加えた。「彼らは冬になると南に移住する人々のようなもので、冬にフロリダ州の北東へと南下してきます。このタイミングはおそらく、セミクジラ属のクジラがフロリダ沖にやってくる時期と関連していると考えられます」。というのも、これらのクジラは冬、出産のためにフロリダ沖の海域に集まってくるからだ。
彼ら海洋哺乳類は、頂点捕食者であるホホジロザメへの警戒を強めた方がいいかもしれない。1990年代に始まった合衆国と各州の保護策のおかげで、ホホジロザメの個体数は米国の東西両岸で回復していることが近年の調査で判明している。
◆ 推定年齢512歳!最長老のサメ ◆
・・・https://youtu.be/EzmrSM6zu-s・・・
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