見た目はホントにそっくりな双子 一卵性双生児なわけだ
つまり遺伝子が100%同じなのだが、性格や気質も見た目ぐらい同じなの?
認知能力とパーソナリティの発達を調べる「双生児法」
遺伝と環境が人間に与える影響研究する / 心理学者・安藤寿康
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 安藤寿康・遺伝か環境か、それがモンダイだ =2/3= ◆◇
慶応大学三田キャンパス近くのマンションの一室にある、首都圏ふたごプロジェクトの研究室で、安藤教授のお話を伺うことになった。
研究室には、いくつものDVDプレイヤーとパソコンモニタなどがところ狭しと並べられ、天井を見上げると万国旗のように、研究にかかわっているかわいらしい幼い「双子ちゃん」たちの写真が並べられていた。パソコンモニタのいくつかは、「双子ちゃん」たちの家庭を訪問した時や、慶応大学の研究室で行動観察に参加してもらった時の映像が流されており、あるものはダビング中、あるものは、研究員による行動の分析中、なのだった。
最初に避けて通れないのは、なぜ、双子の研究で、「遺伝と環境は、人間にどう影響しているのか」を解明できるのか、理解することだ。
ここを押さえておかないと、「双生児法」の研究が意味するものがわからない。
安藤さんは、穏やかな語り口で説明してくれた。
「双子には、一卵性と二卵性がありますよね。一卵性双生児は遺伝子が100%同じですが、二卵性だと、これはふつうのきょうだいと同じで平均50%になります。ですから、両方のタイプの双子を集めてきて統計的な差を検討することで、パーソナリティをはじめ色々なことに遺伝や環境がどれだけ影響しているか調べることができるんです」
と説明をうけて、ぱっと理解できる人は、統計解析の経験がある人だと思う。なぜ、一卵性と二卵性の双生児を観察することでそこまで言えるのか、ぼくなりに整理すると、まず前提として──
一卵性双生児は遺伝子はまったく同じで、育った環境も同じ。二卵性双生児は遺伝子は半分だけ同じで、育った環境も同じ。
ということが大事。
遺伝か環境か、という問いを立てた時、一卵性と二卵性の双生児で違うのは、遺伝子の部分、だけなのだ。
ここでは遺伝と遺伝子を完全に同一視するみたいに響く書き方になってしまうけど、厳密さはちょっと脇に置くことにする。
その上で、環境というのはどういうものを指すかというと──、まず最初にあるのは胎内環境であり、次いで家庭環境だ。胎児の頃は環境といえば子宮内のことだろうし、乳児のあいだ、生活環境の多くが家庭環境といえるだろう。その後、年齢が上になると、生活空間が多様化し、同じ双子といえども、違った環境で違った経験をすることが増える。学校、職場、さらには個々人が築く家庭などなど。なお、なんらかの事情で、別の家庭で育てられる双子もいるであろうが、安藤さんの研究の対象にはなっていない。
・・・・・・明日に続く・・・・
◇ うちの子パパ似?ママ似?知ってびっくり遺伝子の話 ◇
・・・https://youtu.be/wYsxrwfWkF4・・・
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//////参考資料///////
■□ 参考資料: 残酷な「遺伝の真実」あなたの努力はなぜ報われないのか (1/4) □■
残酷な「遺伝の真実」あなたの努力はなぜ報われないのか / 知ると後悔するかもしれない…
= 安藤 寿康 : 慶應義塾大学教授 (行動遺伝学、教育心理学) =
知能と学業成績に関する残酷な事実
行動遺伝学の知見には、世の中のタブーにふれるものが少なくない。
その最たるものが知能と学業成績に関する残酷な事実だ。行動遺伝学が扱ってきた心理学的な特徴の中で、知能と学業成績は、最も遺伝の影響が大きい特徴のひとつである。
遺伝率(後述)は60〜70%ほど。身長や体重の遺伝率が90%くらいだから、そこまでは高くないものの、パーソナリティや喫煙や飲酒などが50%程度と比べると明らかに高い。
遺伝が60%なら環境も40%はあるのだから、そこに救いがあるだろうと思いたくなるだろう。
確かに環境の影響もほぼ遺伝の影響に拮抗する。ふつう双生児のデータを分析すると、あらかたの形質でこの環境の影響の由来は、一人ひとりがたまたま出くわす偶然の環境に帰することができる場合が多く、それは家族内で共有されない。
それどころか一卵性双生児のきょうだいですら、一人ひとりに異なる個性的な環境であることが大きいことが明らかにされている。しかしこの知能と学力に関しては、家庭環境によるきょうだいの類似性も大きく、その割合は20~30%程度になる。
これはたとえば遺伝的資質は同じでも、親が子どもに知的な刺激や勉強に集中できる環境を与えているかどうかで、大きく変わることを意味する。だから親にとってみれば、まだまだ子どもの知能や学力をなんとかする可能性の余地がある。
だがそれはあくまでも親しだいだ。
遺伝要因は子ども自身にはどうすることもできない。その上、親も家庭環境も子どもが自由に選ぶことはできない。子ども自身にどうしようもない要因で、学業成績の80~90%が説明されてしまうのである。
にもかかわらず、学校でも塾でも親からも「できないのはおまえのせいだ。努力不足だ、勉強の工夫が足りない、やる気がない。だから成績が伸びないのだ」と成績の出来不出来の責任を子ども本人に押しつけている。こんな不条理があるだろうか。
実のところ知能と学業成績に関するこの知見は、1963年にそのときすでに30以上あったさまざまなの知能の血縁相関に関する研究をまとめた先駆的論文(Erlenmeyer-Kimling & Jarvik, 1963)以来、行動遺伝学の歴史の中で常に明らかにされつづけている頑健な知見だ。私たちの行った双生児研究はじめ、日本の研究でも再現されている。
しかしこの知見が世の常識にはなっていない。むしろその正反対の知識観や学習観、つまり「学力は努力と環境しだいでどこまでも向上できる」という考え方のほうが一般的だろう。
・・・・・・明日に続く・・・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
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