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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =068=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』 

◇◆ =068= プレスリー・パラシュート・オーキッド ◆◇

   モンテベルデの森は、樹木の間を渦巻いて通り過ぎていく強風で、日本海の荒波のような音に包まれている。乾季に入ったとは言え、カリブ海側(東)からの貿易風が雲や雨をたくさん運んできて、晴れたり、曇ったり、雨が降ったりと、分刻み、秒刻みで天気が流れていく。モンテベルデ特有の気候だ。

  そんな気候にも支えられ、ここモンテベルデには多種多様なランが生息している。これまでにモンテベルデの地域で見つかっているのはコスタリカ全体の約40%に当たる600種以上と、中南米で一番多様な場所と言ってもいい。

ラン-8

  さて、前回紹介したのは極小から小さな花のランだったが、今回は少し大きめの花をご覧いただこう。ぼくが注目したのは、花のがくと花びら(花弁)の中心から飛び出した、コラム(ずい柱)とリップ(唇弁)と呼ばれる部分。独特な形をしているものがあって、興味深い。

 例えば、冒頭の写真のエピデンドルム・エクサスペラトゥム。白と紫のリップが、エルビス・プレスリーの衣装を思い出させる(笑)。

ラン-9

  がくと花びらも一緒に見ていると、パラシュートで降りてくる小人(こびと)の妖精のようにも感じられてくる(がくに虫がかじったような小さな穴がいくつか見られる)。

 下に面白いリップをもつランをいくつか紹介しよう。今回も全てラン科のセッコク亜科の種です。

 写真はランの花にやってきたシタバチというミツバチの仲間。「オーキッドビー」とも呼ばれ、ランの授粉役として知られている。これはオスで、背中につけているのはランの花粉の塊(黄色い筋のようなもの)。オスのシタバチは、ランの特殊な芳香成分を後ろ足の「袋」に貯めていき、香りでメスにアピールする。

 でも、ランの授粉役でここまで詳しくわかっているのは珍しい例。

ラン-10

 ほかにも前ページで紹介したエピデンドルムのある種が、スズメガなど蛾の仲間によって授粉されるとか、いくつか記録があるものの、多くの種については授粉役が定かでない。
ましてや前回紹介したような微小の花を咲かせるランの場合はなおさら。ランの授粉役は、謎だらけなのである。

 今回もランに詳しいコスタリカ大学生物学部のDr. Mario Blanco先生に種の同定をお願いしたところ、授粉役の調査をいっしょにしようではないか!と誘ってくれた。
コスタリカのランの調査、なかなか面白そうだ。

ラン-11

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 今週の西田賢治 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ピソ

 =参考資料・文献=

セッコク(2/2)

 シノブ玉やイワヒバの鉢植え、庭木につけるなどの形で栽培される。 また、野生で発見される葉変わり品などを選別・命名する形で江戸時代より古典園芸植物としても栽培された歴史があり、現在も栽培されている品種が多い。東洋ランとしての名称は、長生蘭(ちょうせいらん)である。主として葉変わり、姿や模様の変化を楽しむ、いわゆる柄物が主体であったが、昭和の終わりころより花変わりにも関心が集まるようになり、花物の品種も登録されている。同様に古典植物として栽培される着生ランのフウラン富貴蘭)と異なり、株分けや、古い茎を切り離してミズゴケの中で腋芽の発芽を促す「矢伏せ」により、株の増殖は容易である。

ラン-12

 ただし、このような栽培のための採集によって、野外の個体数は激減し、大株を見ることはほとんどなくなっている。昭和50年代までは神社の境内の木に大株が見られることもあったが、現在ではそのようなものはすべて取り尽くされた。幸いに、繁殖力の弱いものではないので、採集熱が冷めるにつれ、次第に回復の気配があるようである。

 同属の熱帯産の種には、洋ラン」のデンドロビウムとして栽培されるものが多く含まれ、セッコクもデンドロビウムの園芸品種のうち、矮性品種作出の交配親のひとつとなっている。

 沖縄には近似のオキナワセッコク(D. okinawense Hatusima et Ida) がある。樹上に着生し、茎は長く伸びてたれる。乱穫による減少が著しく、2002年に国内希少野生動植物種に指定され無許可での採集・販売などが禁止された。その後2008年(平成20年)8月15日からは特定国内希少野生動植物種に指定変更、現在は「都道府県知事等に届け出をおこない認可登録をうけた事業者が仲介し、なおかつ人工繁殖させた個体を取り扱う場合に限り」一般の栽培家を対象とした販売・引き取りなどが認められている。セッコクに比べると頑健さに欠け、耐寒性も劣る。大型で扱いづらくもあるため本州以北の一般家庭での栽培には不向きだが、適切な栽培施設が用意できれば栽培・増殖は困難ではない。

ラン-13

 ・・・・・つづく

_  セッコク  _

・・・・・・https://youtu.be/X955uQxXSu0 ・・・・・・


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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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