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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =128=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ ᴂ

◇◆ カリブ海からオラ、コモエスタス? (終節/3)  ◆◇

= 「しんかい6500」で、カリブ海にある“世界で最も深い”熱水噴出孔を調査 =

この「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継は、ニコニコ生放送さんの「太っ腹」ぶりのおかげで、その準備編・本番を含む全編がニコニコ生放送においていつでもどこでも誰とでも、インターネットに繋がっていれば視ることができるそうです。まだ視ていない人はぜひ要チェックや!

そしてやっぱり、そのノーカットリアル生中継を100倍楽しむには、有人潜水船による科学調査の真実を余すところなく書き綴った不朽の名作、ナショジオWeb連載「青春を深海にかけて」、そして「微生物ハンター、深海を行く」がオヌヌメですね(ニヤリ)。

バーター取引疑惑のあからさまな宣伝はこれぐらいにして、このコラムでは「有人潜水艇による科学調査のノーカットリアル生中継」におけるワタクシのココロのヒダヒダに少し触れたいと想います。

実はワタクシ、あの日の潜航中の最初から最後まで、ほとんど全く「ナマ中継」されているという感覚がありませんでした。

ワタクシにとって、あの潜航は東北地震後の日本海溝緊急調査以来、ほぼ2年ぶりの「しんかい6500」による潜航で、とても久しぶりの機会でした。

もちろん今回の潜航が、ワタクシが初めて潜る世界最深の、さらにもしかすると世界最高温度の超臨界熱水が噴き出しているかもしれない魅惑の深海熱水域、を対象にしていたこと、すなわちワタクシ自身が潜航をとても楽しみにしていたことが、「ナマ中継」を全く意識しなかった理由の一つだと思います。また、かなり久しぶりの潜航調査だったので、潜航自体に対してかなり緊張感があったことも大きいでしょう。

でも、「しんかい6500」の耐圧殻(コックピット)に潜り込んでしばらくして、上蓋(ハッチ)が閉められた瞬間、あの剥き出しの計器と鈍いチタン光沢に囲まれた閉鎖空間特有の空気感、張りつめた緊張と得も言われぬ落ち着きが混在する空気感、の中で研ぎ澄まされた集中力がワタクシを支配する「いつもの感覚」が生々しく蘇ってきたのです。

その瞬間はワタクシにとって、もう30回以上も潜航調査を経験しているにもかかわらず、とても大切で特別な時間(=「しんかい6500」による潜航調査)の始まりを意味するモノであり、ナマ中継があろうがなかろうが、そんな意識を遙かに凌駕する極限環境への探求の旅に対するココロ構えと覚悟ができた時だったのです。その「実戦モード」こそ、私自身が「リアルナマ中継」を全くリアルに感じていなかった大きな理由だと思います。

そしておそらく、ワタクシが感じるモノとはちょっと違うけれどもある意味似たような感覚を、同乗するパイロットのイイジマさんやコパイロットのイケダさんも感じていたのではないかと思うのです。彼らにとっても上蓋が閉められた耐圧殻は限られた人間だけが許される実戦の場であり、ワタクシと同じように、その瞬間から、深海有人潜水調査に携わる「プロフェッショナル」としての仕事を果たすことに集中していたように感じます。

というわけで、ワタクシを含めた耐圧殻内の3人にとってアノ日の潜航は、ナマ中継されていることは頭ではちゃんと理解していたことは間違いないのですが、実際には、陸上や船上からの問いかけがある時以外は、ほとんどそのことが頭の中から抜け落ちるほど普段通りのまさしくリアルな潜航だったのです。

それは「しんかい6500」の着水・揚収のために普段通りに働く船上の船員さん達にとっても全く同じだったのではないかと思います。そして、普段通りのまさしくリアルな「しんかい6500」による科学調査を届けるために、変なプレッシャーを与えることなく、船上でほぼ一人、当日の準備と進行をすべて取り仕切ったJAMSTECの吉澤理さん(Webナショジオにて「深海7000メートル! 東日本大震災の震源断層掘削をミタ!」を連載していたあの人です)も真のプロフェッショナルだったと断言できます。

その他にもとてもたくさんの関係者が、この「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継のために尽力してくれました。一人一人名前を挙げて感謝したいところですが、それはいつか「風雲疾風録:リアルナマ中継に賭けた男達の物語」(仮タイトル)の長期連載で明らかにすることにしましょう(嘘)。

そうなのです。「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継でワタクシ達が伝えたかったモノ・・・。

 もちろん、それは深海という、人間がまだほとんど知らない広大な世界が、我々の地球に広がっていることへの驚きと感動を頭で理解してもらうのではなく、現場と一緒に時を共有することで、カラダで、ココロで、五感で、感じてもらうことでした。

でも、もう一つありました。

それは人間の知的好奇心に突き動かされる有人潜水艇による深海への科学的探求という事象が、けっして科学者の想いや情熱、アイデア、努力や行為だけで成り立っているモノではなく、その一見何の役にも立たないような、ある意味フモーとも思えるような目的や目標であったとしても、請け負った役割と仕事に対し、一つのゴールに向かって誇りと責任を持って全うする数多くのプロフェッショナルに支えられている営みであると感じてもらうことでした。

それが伝わっていたとしたらすごくうれしいです。ワタクシ。

そして「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継を視た人達が、人間の知的好奇心に突き動かされる科学的探求の現場のリアルに対して、ドコカナニカ、少しでも心が揺り動かされるモノを感じて頂けたのならば、ぜひ次は、その現場に飛び込んでみてほしいと思います。

また、その現場とその営みが少しでも長く続けられるように、あるいはもっとたくさんの機会が生まれるように、ワタクシ達やそのプロフェッショナル達の背中を押してくれたら・・・、いいな!

北緯18度22分、西経81度48分、伝説のカリブ海上のジョニー・デップより(嘘)。                                                                                               ・・・・・・・終わり

                ・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : Hydrothermal vents in the deep sea  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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