〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠
ᴂ 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ ᴂ
◇◆ ボク好みのナイスガイを探して =1/3= ◆◇
2004年、JAMSTECの中に「地球生命の誕生を解き明かさん」と熱き想いをたぎらせた、小さなプロジェクトチームが生まれました。でも、まだ人が足りません。そんなころ、高井さんはあるシンポジウムに呼ばれます。そこで新たな出会いが・・・。
ボクらの新しい研究は、作戦会議に集まった5人を中心に、国内で海洋底研究を進める若い世代の研究者たちの協力者を得て始まった。そして、太古の深海熱水を再現する装置(岩石-海水高温高圧反応装置)の作成やその他諸々の研究の立ち上げを嬉々として進めていた。
もちろん解明すべき研究対象は巨大だったけど、ボクらのやるべき研究戦略は焦点が定まっていたので、たった5人では「到底無理っす」と言うわけではなかった。ただし、あくまでボクらは兼業で、この研究だけに100%集中できるわけではなかったので、実際はJAMSTECの中では見つからない強力な助っ人、特に太古代初期(40~30億年前)の地球環境や科学化石や原始地球環境における有機分子進化を研究している学際的な若手研究者、を強く欲していたのも事実だった。
そんなチャンスが訪れたのは2005年5月の事だった。
刺激的なシンポジウム
2004年の夏にボクを集中講義の講師に招いてくれた東北大学の掛川毅さんの誘いで、東京工業大学と東北大学が共同で開催する「初期地球の環境と生命の国際シンポジウム」に講演者として参加できることになった。
ボクらは中村謙太郎君を除いては、みんな初期地球環境に関しては素人(直接研究対象としていないと言う意味で)だったので、ボクとしては「プロとやらがどれほどのものか味わわせてもらおうか、士郎。くわっ!」、「いえいえ、全くもってお勉強させてもらいますよ」、「ワシらのアイデアがどう受け止められるか試し斬りよ、今宵のウルトラエッチは血を欲しておるわ!」、「飛びきりクールな若者がいたら、ゲッチューDAYO」という様々な想いを交錯させつつ、参加した会だった。
その国際シンポジウムは刺激的だった。それまで『Nature』とか『Science』のような論文誌でしか知らなかったような初期地球と生命の研究をリードする大物の研究者が、それはもうデカイ面で偉そうにしゃべっていた。最初ボクは心の中で「キャー! ○▲さまー♡」とかかなりミーハー気分だった。
しかし会議が進むにつれ、そういう大物たちが「メタン菌がメタンをつくっていたのらー」とか「一酸化炭素脱水素酵素複合体が鍵よ、そういうもんやろ!」とか言っているのを聞いて、「アレッ?」と思い始めた。「さてはこいつら、チョイとかじった生物系の新しい知識を披露して、ケムに巻こうとしてないか」という疑惑がフツフツを湧き始めた。
分野融合はお肌ピチピチ世代の特権よ
会議も終盤になると疑惑が確信に変わった。「こいつらこそ、初期地球と生命の研究における分野融合の必要性を切実に感じているんだ。だからこそ、かなり付け焼き刃的とはいえ、これまでにない新しい考え方とか解釈とかアプローチを導入しようとやっきになってやがる・・・」と。
ボクは完全に上から目線モードにスイッチした。「ふははは、愚か者どもよ! そんなメタボ体質になってから焦っても、既に手遅れよ! 分野融合と言うのはお肌ピチピチ世代の特権よ。オレ様が真の分野融合というモノを見せつけてくれるわ!」
これはあくまでボクの心の闇の部分を代弁しただけで(笑)、実際はすごく勉強になる会議だった。特に驚いたのが、日本の初期地球環境研究のレベルがすごく高いことだった。中でも、ボクが「!!」と思ったのが、当時東京工業大学のポスドクをしていた上野雄一郎さんの発表だった。
= しんかい6500パイロットチーム <ベテランが語るパイロットの醍醐味>4/6 =
研究者の期待に応えたい
小倉さんは現在、JAMSTECから、しんかい6500などの運航を委託されている日本海洋事業に、出向をしている格好だ。
潜るのは変だとまで言っていた人が、いられるうちは潜りたいと言うようになっている。
潜る喜びは、どこにあるんですか。
「毎回、違う世界があるからですよ。まるっきり同じ潜航はないんです。それに私は自分で自分を褒める人なんでね、うまくいくと『俺って天才』とか、必ず言っていますからね」
どんなときにですか。
「研究者の方に、あれを捕って欲しいと言われて、それが短時間でできたときですね」
たとえば、チムニー。海底の熱水噴出孔だ。そこから湧き出ている水を採取して欲しいというリクエストがある。ゆっくりと船体を近付ける。大きな船体のどこかが、チムニーに触れたらアウト。崩れてしまう可能性がある。マニピュレータについても同じことが言える。水を採るには近くまで手を伸ばした方がいいのだが、触れてしまうと、崩してしまいかねない。素手であっても難しい作業を、研究者からの「絶対確保して」というプレッシャーの中で、窓越しに、マニピュレータを使って行う。
それが、うまくいくと『俺って天才』となるのだ。
どうやったら上手くなれるんでしょうか。操縦にしろ、マニピュレータの操作にしろ、上達のコツは。
「これは、車の運転と同じで、教えたり教えられたりできるものじゃないんです。自分でやりながら身につけるしかない。よく私が若手に言うのは『操縦している奴は下手な奴だと思って見ていろ』ということです。そういう視点で、『自分だったらどうするか』を考えることが、上達につながると思っています」
・・・・・・・・つづく・・・・・・・
動画 :熱水海底下生命圏を調査!(前編)
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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