〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠
ᴂ 第6話 JAMSTECの拳―天帝編― ᴂ
◇◆ キャメロンの深海調査、ワタクシはこう見た =1/3= ◆◇
2回目の留学から帰国し、高井さんの研究はいよいよ海底下生命に突入です。が、その前に恒例のマクラ話。今年になって米、英、中国と新型の深海艇が相次ぎ登場しています。JAMSTEC「しんかい6500」あやうし? まずは高井さんがジェームズ・キャメロンのマリアナ海溝チャレンジにかみつきます。
前回、何の脈絡もなく、瞬間的なその場のノリ突っ込みで新章「JAMSTECの拳―天帝編―」が始まる、とか意味なしタイトルを付けてしまったのを今、思い出して激しく後悔することしきりのワタクシです。
とはいえこの章からは、ワタクシの研究の方向性が、それまでの個人的妄想プレーや情熱を中心とした四畳半的青春モノから、様々な背景や分野・考えを持ついろんな研究者達との関わり合いの中で、大きくふくらんだりへっこんだり、アイデアの突起が寄生獣のようにニョキニョキ出てきて他人やその想いを巻き込みながら進んでいく、というやや「ビバリーヒルズ高校白書」人間関係的青春モノへと変わる、そんな物語展開になるはずなのです。
そういう意味では、新しい登場人物の出現を予感させる「JAMSTECの拳―天帝編―」は瞬間的なその場の思い付きのわりには悪いタイトルでなかったと言えるかもしれません。
さて、今章のマクラでは、深海に青春を賭けると豪語する(らしい)ワタクシとすごーく関係の深い、みなさんも最近何かと耳にすることが多いかもしれないアノ話題、「有人潜水艇でGO!」を取り上げたいと思います。オチは書き進めながら考える予定です。自分でも、また瞬間的なその場のノリが炸裂して、後で後悔する事になりそうな予感がビンビンしていて恐ろしい限りです。
まず今年の3月26日のことでした。
映画「タイタニック」や「アバター」の監督で有名なジェームズ・キャメロンが、「ナショナル ジオグラフィック協会付きの探検家」という肩書きをひっさげて、ナショナル ジオグラフィック協会とロレックスの後援のもと、世界最深の海底であるマリアナ海溝チャレンジャー海淵への有人潜水に成功したと言うニュースが流れました。
有人潜水艇の名前はディープシー・チャレンジャー号。タツノオトシゴを模したと言われるなかなかポップなデザインが斬新な一人乗り有人潜水艇です。
余談になりますがワタクシ、このディープシー・チャレンジャー号のデザインを見る度に、なにか頭の中の記憶の引き出しの奥の奥の辺りがムズムズして、「どこかで見たナニカだ!」という強烈なデシャヴ感から逃れることができませんでした。
今回の原稿を書くにあたって、しかたなく覚悟を決めて数時間に及ぶ徹底的なグーグル秘匿捜査(=時間のムダ)を行った結果、そのデシャヴ感の20%を占めている有力容疑者を割り出すことはできました。
コナミのシューティングゲーム、グラディウスシリーズに出てくるボスキャラ=モアイ風のアレ、です。あのモワーンとした3次元的な動きに瞬殺されてイラッとした、そんな思い出が蘇る「いい歳した元ゲーマー」の方々も多いかもしれません。あのモアイ風のアレ、の動きが水中でのディープシー・チャレンジャー号の映像と重なって見えるのです。 「モアイそのものだろ!」もしくは「スコッティ・ピペンだろ!」と突っ込みたい気持ちはわかります。わかりますが、モアイ=ピペンそのものじゃ、ダメなんです。モアイ=ピペン風のナニカじゃないと、もう満足できないんです。
= 地球外生命は土星の月にきっといる。エンセラダスの海に 1/3 =
深海生物を研究する高井研は、いま宇宙を見ている。衛星エンセラダスに生命がいるのではないかと考えているからだ。その答えを出すために、いま探査機を送る計画を企てている。これは生命科学最大の難問に迫る挑戦となるが、決して夢物語ではない。わたしたちが生きているうちに結果を見ることができる、実現可能なプロジェクトなのだ。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、海洋生態系の調査から地球温暖化による気候変動シミュレーションまで、海洋に関する幅広い研究開発を行う世界有数の海洋研究機関だ。このJAMSTECでプログラムディレクターを務める地球生物学者の高井研は、これまで有人潜水艇「しんかい6500」を用いた深海探査などを通して、地球最古の生態系の生き残りである微生物生態系「ハイパースライム」の発見や、40億年前の海において生命の誕生につながったと考えられる熱水活動の仮説提唱と裏付けなど、深海生物や地球化学に関する数多くの研究を行ってきた。
122℃という現在知られているなかで最も高い生育温度記録をもつ微生物は、2008年に高井が発見したものだ。これらの研究を通して、高井は新たな科学の未来を拓く「チェンジメーカー」として評価され、今年CHANGEMAKERS OF THE YEAR 2012を受賞した。
「この地球上に生命が存在できない場所はほとんどない、という生命のたくましさを知れば、当然ほかの場所、つまり宇宙にもいるだろうと思うようになるんです」
高温、高圧など、過酷な状況で生育する極限環境微生物を研究してきた高井にとって、これまでの研究に裏付けられた直観と言えるだろう。高井はさらに続ける。
「確かに、誕生した生命が進化によってDNAやRNA、タンパク質を中心とした複雑なシステムをつくり上げ、40億年も続いているという点において、地球生命はとてもユニークで奇跡的です。しかし生命の本質は、どんな材料でできているかという部分ではなく、現象にあるはずです」
シンプルに言えば生命の本質とは、ある容れ物(細胞)の中で、物質からエネルギーを取り出し(代謝)、そのシステムを継承していく(遺伝)、という現象そのものにある。地球上でなくても、ある条件が揃えば、これらの性質を備えた生命は誕生するはずだ。こうした考えのもとで、生命の起源や生命現象について、生命科学のみならず、天文学や惑星科学、地球化学など、生命が誕生し持続するための環境や背景までをとらえて考える学問、それが「宇宙生物学」だ。その最大の目標は、まさに「宇宙で生命を見つけ出す」ことにある。宇宙生物学を机上の空論から実証科学のステージへと押し上げるからだ。そして何より、科学者として最高に面白い挑戦だ。
・・・・・・・・つづく・・・・・・・
動画 : 深海と大地が出会う場所!?「ちきゅうTV in 高知」(後編)
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