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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =078=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第5話  地球微生物学よこんにちは ᴂ

◇◆  海底下生命、そらウチでもやらなあかんやろ! =1/3=  ◆◇

ドイツに留学しよう。そこで一子相伝の研究手法を習得し、深海熱水研究に打ち込もうと、すっかりその気になっていた高井研さん。ところがそこに、巨大国際研究プロジェクトのうねりが押し寄せてきたのでした・・・。

ボクがJAMSTECに来て1年ちょっと経った1998年が終わろうとしていた頃、JAMSTECでは巨大な新しい奔流が沸き上がっていた。地球深部探査船「ちきゅう」の建造が決定し、国際深海掘削計画(ODP)に続く巨大国際研究プロジェクト「統合深海掘削計画(IODP)」を、日本が主導国として、そしてJAMSTECが中心研究機関として推進してゆくことになったのだ。

1985年から始まったODPでは、アメリカが中心となって、世界中の海洋底を掘削し、海洋底および地球環境史の科学的解明が進められてきた。例えば、恐竜絶滅の巨大隕石衝突原因説を裏付ける数々の証拠の発見などは、ODPの輝ける成果として喧伝されている。

一方ではODPの研究成果により、それまでは「生命なんて絶対いねえよ!」とタカをくくられていた深海底のさらに深く海底下の泥や岩石の中に「ゲェー、こんなに微生物がいたの?」と言うくらい微生物が存在していることも分かりつつあったのだ。

そんなわけで1999年には「陸域地下と海底下こそ、地球最大の生物圏なのだ」という論文が発表され、にわかに注目が集まりはじめていた。

そして新しい統合深海掘削計画(IODP)では、新機軸として「海底下生命の謎に挑むかんな」というテーマを掲げる事になった。その主導国日本の、さらに中心研究機関たるJAMSTECでは、「そら(ウチでも海底下生命の研究もやらな)あかんやろ。そういうもん(世界最強の海洋研究所として当たり前の話)やろ」と慌て出したのだ。

JAMSTEC上層部とJAMSTEC微生物グループ大ボスの掘越先生が赤坂の料亭で密談、あるいは水戸黄門の代官と越後屋のように「オヌシもワルよのぉー。ちょうど活きのエエの若い衆がおるわい、ケッケッケ」、と言ったかどうか全く定かではない。

が、すっかり「ドイツに行くぜ。深海熱水から始源的アーキアを分離するぜ」な気分になっていたボクに、「もう深海熱水は時代遅れよ。これからは地殻内微生物の時代よ。外国に武者修行に行ってもええけど、地殻内微生物研究をやっているところに限る。そして帰ってきたらJAMSTEC海底下微生物研究グループを立ち上げろ。異論は認めない」というギョーム命令が下ったのだ。

ボクはかなりカチンと来た。JAMSTECに雇われているならともかく、ボクはあくまで居候の身分だったはず。なのに、大好きな「深海熱水の微生物の研究」を打ち止めて、海のモノとも山のモノとも分からない「地殻内微生物の研究」をやれと?

人生初の有無を言わせないギョーム命令に反射的な反発を感じながらも、一方では「ほほう、オヤジにもようやくこのテンサイのスゴさが理解できたようだな。やはりこのテンサイがJAMSTECの新しい研究プロジェクトに必要だと」とスラムダンクの桜木花道のようなセリフをひとりごちてもいたんだ。

= 超深海をめざす「しんかい12000」 (8/8)=

超深海は謎だらけ - もっと深い場所があるかも!?

―耐圧殻の大きさは変わりませんか?

磯崎: だいたい同じです。期待しているのは中に載せるものをいかに減らせるか。たとえば酸素ボンベを外置きにしたり、コントロールボックスを電子パネルにして薄くすれば、中は相対的に広くなります。内径2mが1.9mになれば、強度(の設計)が楽になります。

―浮力材を積んで浮かせるという6Kのシステムの考え方は変わりませんか?

磯崎: 基本的に同じです。ただガラスは軽いので、浮力材が少なくてすみます。浮力材が少なくてすめば全体がコンパクトになりますね。

―地上との通信は変わりますか?

磯崎: 今は6Kから画像を10秒に一枚の割合で、音波を使って送っています。「しんかい12000」では1秒に1枚の画像送信を目指しています。音響通信の中の圧縮度を高める。光やレーザーは使えないし、音波のスピード自体はどうにもならないので詰め込むデータを多くする考え方です。

―本当に興味深いプロジェクトです。目標としてはいつごろの実現を目指していますか?

磯崎: もちろん国での議論を踏まえての話ですし、その上で予算が認められるということも必要になります。もし、「しんかい12000」を建造することになれば、10年規模のプロジェクトとなると考えています。5年ぐらいは技術開発、さらに製造して動かすのに5年くらいはかかるでしょう。

―早く建造が決まるといいですね

磯崎: もし建造するとなれば、早ければ早いほどいいですが、最初から300億円が必要ということではありません。最初に少しずつでもやれるところから技術開発を進めていって5年経って「これでいきます」と言えるようにしたい。まずは技術開発のために、ステップバイステップで始めさせてほしいとお願いしていきます。今も自分たちの予算で準備を少しずつ始めています。小さい窓を試作しようとか、どんなガラスがいいかとか。

―しんかい12000で見えてくる超深海の世界を見るのが今から楽しみです

磯崎: 地球は生き物だと思うのです。我々が知っている世界はほんの一部です。まだ知らないポイントが存在するかもしれない。マリアナ海溝よりさらに深い場所だってあるかもしれないし、これから出来る可能性だってあります。

―だから「しんかいは12000」と(マリアナ海溝の1万911mより)余裕を持たせているのですね。将来への贈り物だと

磯崎: そうです。深く潜ることも大事ですが、海底に長くいる「時間軸」の考え方も必要です。研究者は潮汐の変化に合わせた生物の営みを見るために海底に6時間いたいと言います。現在の3時間では中途半端なのです。12時間あれば、満潮や干潮の時間サイクルに応じた変化が見られます。

今は人間側の事情で潜航時間が決まっていますが、生物側の生活時間スケールに合わせて観察できることになります。私が子供の頃はSF「海底二万哩」のノーチラス号を「なんてすごい!」と憧れていましたが、今は現実が先を行っているのですよ。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 巨大地震発生メカニズムを調査!  

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