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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =076=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠  12p黄色

ᴂ 第5話  地球微生物学よこんにちは ᴂ

◇◆  一子相伝の秘奥義「バクテリア・アーキア一本釣り法」 =1/2=  ◆◇

JAMSTECの若き研究者、高井研さんは、尊敬する微生物学者の一人で「バカにバカ、くだらない研究にくだらない」と言ってしまう好戦的な性格のカール・シュテッターのもとへ留学することを計画。 まずはドイツの研究室に訪問することになりました。

フランスで催されたある国際学会の帰り道に、ボクはドイツのレーゲンスブルク大学のカール・シュテッターの研究室を訪ねることにした。

ボクがJAMSTECに来てからやった「深海熱水環境における始源的アーキアを含む微生物の驚くべき多様性」については既に、別の国際会議で発表しており、そのときにカール・シュテッターからは「やるじゃねえか、テメエ。ウチ来る?」というお褒めの言葉は頂戴していた。

ちょうどそのころ、カール・シュテッターの研究室では、「光ピンセット顕微鏡を用いたバクテリア・アーキア一本釣り法」という一子相伝の秘奥義が開発されていた。

この光ピンセット顕微鏡というのは非常に高度な物理現象なので説明するのは甚だ難しいのだが、顕微鏡の視野に絞りに絞ったレーザー光を当てるとその焦点のわずか下に吸引力が生まれ、極小の物体(DNAのような巨大な分子や微生物細胞)を捕獲できる、というものだ。

捕獲した1匹の微生物を、捕捉したまま移動させ、お好みの極小ガラスチップのような培養スペースに誘導し強制的に分離する、というのがカツオ一本釣りっぽいでしょ。

別の例えで言えば、グレイと呼ばれる宇宙人が、UFOに乗ったまま、牛を吸い上げたり、人間を吸い上げて、UFO内に誘拐し、アンナ事やコンナ事などしちゃうという「アブダクト」のように、顕微鏡の下で目的のバクテリア/アーキアを1匹だけつまんで誘拐するというやや矢追純一的SFチックな技でもある。

この新しい微生物1匹操作技術は「自然環境に生息する微生物の99.9%は所詮人間の手では分離できないのじゃ!」とロベルト・コッホ以来伝承されてきた微生物学の「暗黒の常識」を打ち破る可能性があった。

しかし残念なことに、いくらその技術開発論文を読んでみても、実は誰も詳しいところがよくわからないという謎に包まれたモノだったのだ。カール・シュテッターに聞いてみても、「アレは実際見なきゃワカランわ。それにワシは資格のあるヤツにしか教えんからの! にゃむ」と言われる始末。それがカール・シュテッター研究室にだけ伝わる一子相伝の奥義と呼ばれる所以だった。

ボクはエドワード・デロングが開発した分子生態学的方法によって、機能がよくわからない始源的なアーキア(古細菌)が深海熱水にウジャウジャいることを世界で初めて見つけていた。それでその研究成果を最初に発表した時、ボクが見つけた始源的なアーキア達をこの光ピンセット顕微鏡一本釣りで分離したいとカール・シュテッターに直訴してみたのだ。

全身をくまなくギロギロと吟味した挙げ句イロイロ高圧的な質問を矢継ぎ早に投げかけたカール・シュテッター直々の身体・頭脳検査の結果、どうやらボクは一応道場入門を許可されたようだった。

そして次はとうとう初デート♥での相性チェックに相成った、というのが今回の研究室訪問までの成り行き。しかし、なんせ相手は変人カール・シュテッター。二人きりで会うのはさすがにボクもドキドキしていた。 しかも本来なら学会で会ってそれなりに打ち解けた後で訪ねる予定だったのに、カール・シュテッターの突然の学会参加キャンセルにより、ボク等は直接レーゲンスブルクで落ち合う事になってしまったのだ。

= 超深海をめざす「しんかい12000」 (6/8)=

―それはよいですね。着水するまでの揺れも解消されそうです。ところでロボットアームは研究者が操作できるようにするのですか?

磯崎: それは遠からずできると思います。日本はロボットアームの技術が発達しています。現在ロボットアームはコパイロットが操作していますが、研究者が自分で操作できるようにしたい。研究者が船内からグローブを装着して動かすと、関節の動きが船外のアームに伝わって動かすことができる。さらに圧力センサーや温度センサーなどをつけることで、アームがふれた対象物の温度や触覚などを研究者が指先に感じられるようにする。そんなに難しくないと思っています。海底から噴き出す熱水は200度や300度もあって火傷してしまうので、それは防いであげないといけないですけどね(笑)。

―かなり最先端の技術ですね。今最先端の技術を盛り込もうとしているのですか?

磯崎: もし「しんかい12000」ができるとすれば10年ぐらい先です。そのとき世の中はもっと先を行っているでしょう。今は夢かもしれませんが、絶対に世の中の技術は追いついてくる。逆に今ある技術でやったら10年先にはもう古びてしまいます。

―さまざまな挑戦があり、開発段階自体もとても興味深いですね。磯崎さん自身の6K乗船経験が元になっているだけに、目指す船のカタチが明確ですね

磯崎: 深海に潜ったときの発光体が非常に印象深かったのです。深海に潜ったあとに水深500mぐらいまで戻ってくると発光生物が漂っています。上昇してくる6Kに発光生物が当たって光ります。上昇する6Kの中から見ると、相対的に海底に沈んでいくように見えます。まるで海の中に無数の星が降るような、光の世界に包まれるのです。

―きれいでしょうね……

磯崎: 微弱な光なので、人間の目でないと見られない。乗った人しか見られない世界があってもいいのかなと思います。

聞けば聞くほど魅力的な「しんかい12000」構想。次回は、実現に向けた現状と課題について伺う。

国のプロジェクトとして議論がスタート

―現在はどういう段階でしょうか?

磯崎: 我々JAMSTECだけでなく、国のプロジェクトとして扱ってほしいといろいろなところでお話ししてきました。「しんかい12000」という名前を広め、世論を喚起したかったのです。そのような活動の中で日本学術会議の速やかに実現するべき「重点大型研究計画」(2014年3月公表)に応募して、27件の中に選んでいただきました。

そしてこの7月に開催された文部科学省・海洋開発分科会で「次世代深海探査システム委員会」が設置されることになりました。

―それは素晴らしい! 会合はいつ開かれるのですか?

磯崎: 第一回が近いうちに開かれるようです。会議では無人探査も含めた深海探査システムとして何が必要か、ということを学識経験者も含めて議論されるようです。

―今までは議論の俎上にあがっていなかった「しんかい12000」について、国の問題としての議論がようやく始まるわけですね。大きなステップアップですね

磯崎: はい。有人無人も当然議論されると思いますが、次世代に何が必要かという議論が始まる第一歩だと思っています。

・・・・・・・・つづく・・・・・・

動画 : 巨大地震発生メカニズムを調査!  

https://youtu.be/NBMPYJQmlGk?list=PL97pirzgh57Ms7dQy4rBYdXdGFoAdqmXY

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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