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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知の世界へ 関野吉晴 =029=

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〇◎ 未知の世界へ飛び込んでいく関野吉晴 ◎〇

= ほぼ日刊イトイ新聞_2013-03-22-FRI “【グレートジャニー人類の旅】展開催時の対談”より転載・補講 =

☠ “人類の旅”に魅せられた関野の探求心はどこから来たのか  ☠

◇◆ 「やりたくて、できる最高のもの」をやろう 1/3 ◆◇

糸井重里; 学生時代に関野さんが出かけたアマゾンは、当時、なにかを知りたいと思っても何もわからなかった場所ですよね。

関野吉晴; そうですね。さらに、そのときは、向こうの町に行ってみても何もわからなくて、結局、現地を訪れるしかなかったんです。

糸井重里; 現地、つまりアマゾンの奥地に。

関野吉晴; そうなんです。

糸井重里; ‥‥あの、アマゾン川に足を入れると、ピラニアが襲いかかってきて骨になるまで肉を食われるというのは、嘘なんですよね?

関野吉晴; そうですね、キスはしてきますけど。 凶暴な種類もいるみたいだけど、少なくともぼく自身は、毎日、ピラニアのいる川で泳いでました。 普通の身体だと、心配ないみたいです。

怪我などで「血」が出ていると、魚たちにとって「食べ物だ」というサインになるみたいですけど、逆に「血」がなければ、「なにか変なものが入ってきたな」くらいの感じなんだと思いますね。

糸井重里; ピラニアのお話もそうですけれど、アマゾンのことって、当時もですが、おそらく今も日本のぼくら、思っている以上に、何も知らないですよね。

でも、若き日の関野さんは、そんな、ものすごく何もわからない場所に、飛び込んでいかれた。

関野吉晴; その、アマゾンの「日本とは、まったく異なる環境」がぼくには魅力的だったんです。

糸井重里; ‥‥と、いいますと?

関野吉晴; ぼくは自分を、生まれ育った場所とぜんぜん違う場所に放り込んだら、ちがう「自分」が見えるかもしれない、と思ったんですよ。 アマゾンは、もう、まったく知らない場所ですから。

たとえばアマゾンでは、知識があれば、飢えることはまずないんです。 本当に食べられるものが、たくさんあるんです。

糸井重里; あ、そうなんですか。

関野吉晴; ええ。そんなことも、行ってみてはじめて知りました。

=〝グレートジャニー“地球を歩いて気付いたこと / 講演会(2015-05-19-TUE)より=

日本に来た人々のルーツを辿ったら(3/4)

曇っていて星が見えない時は、風の方向をたよりに進むのですが、風もよく変わります。 最後のたよりは波の方向ですね。 あとは明け方まで「こっちかな」と想像で漕いで、「‥‥あれ、今、どこにいるんだろう?」ということもありました。 1年で終わる予定が、3年くらいかかりました。

日本人4人に、インドネシア人6人。 言葉も違う、年齢も違う、文化も宗教も違う10人が、
全部この舟の中で寝ました。 ずっと一緒で、喧嘩もたくさんしました。 食べ物も違って、いろいろ問題が置きました。 彼らがホームシックで逃亡しようとしたりとか、いろいろ事件はあったんですが、最終的には、無事に日本までたどりつきました。

インドネシア人は5人がマグロ漁師、1人が山のきこりです。 彼らはイスラム教でいろいろ制限があるので、食事はぜんぶ彼らにまかせました。 漁師がいるから、魚を獲るのもうまいんです。 ただ、カツオが取れても、刺身を食わせてくれない(笑)。 こんなに魚を生で食べるのは日本人だけです。 

とはいえ助かったのは、彼らが米が好きだったということでした。 もし彼らの主食が芋だったら、日本人クルーは、かなりつらかったと思います。
そして彼らはすごいんです。 海がどんなに荒れていようが、朝と夕方、ご飯だけはかならず炊きます。 (会場笑)

実はぼくは、この旅で食べるものは少なくとも工場で作るようなものは、やめようと思ってたんです。
けれども彼らに「航海に際して、なにか、 絶対これがなきゃいけないというものはある?」と聞いたら、「インスタントラーメンだけは どうしても持って行きたい」というので、そこは諦めました。(会場笑) 彼ら、ラーメンライスが大好きなんです。 あと漁師なのに、イワシの缶詰が大好き、とか。
果物は、マンゴーとかライチとかバナナが豊富にあったのでよく食べていました。

最初はメンバー6人探すのが大変だったんです。 一緒に旅に来てくれたインドネシアのマンダール人たちというのは大家族で住んでいて、ほとんどの人は両親に反対されたら終わりです。 若い働き手は非常に重要でもありますし。 あと最初のときには「日本に行くと売っぱらわれるぞ」という噂が広まって、大反対されました。 (会場笑)

 いや、正直なところ、彼らはすごい働き者ですけれども、売れるような人たちじゃないというか‥‥。 あの、売っぱらうわけが、ないんですけれど(笑)。

でも、実際に航海しはじめる段になると、みんな、日本に来るのをとても楽しみにしてくれました。
それから、この旅に参加することを誇りに思ってくれました。 ただ、手作りの船なので、なにしろ時間はかかったんですね。 時速10キロとか、歩いたほうがよっぽどましな速さで進んでましたから。 半分の行程だけで100日以上かかりました。

・・・・・つづく・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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