○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
探検家になるために必要な資質は、臆病者であることです =植村直己=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 自分が主役になるよりは常にメンバーを影でサポートするような立場でいたい ☠
◇◆ マッキンリーの氷雪に消えた _終章_ =4/5= ◇◆2月5日。9時30分に出発したが、風速25m~30m。気温マイナス28度。ウィンディー・コーナーをすすむ。3時、吹雪の中で雪洞を掘り、その50m手前においたザックを取りに戻る。風に吹き飛ばされそうになり、四つ這いになって歩く。暗いため、掘った雪洞が見あたらない。「俺はこれで死ぬかもしれない」という1行が日記にある。ようやく見つけた雪洞にとび込んで助かる。
2月6日。ウィンディー・コーナーからウェスト・バットレス下部へ。11時出発、14時到着。
《夏はここから2日で頂上へ行ける。冬ははて何日かかるか。食料はまだ6日分ある。カリブーの冷肉を今日もかじった。雪洞の中でも-21℃とあり、落ち着けない。シラフは凍ってバリバリ。明日は晴れてくれるか。このところ天候はずっと悪天候続き。そろそろ晴れてもよいのに。天候は私に非情なり。ガソリンコンロも炊きたいが、お茶を飲む以外のめず。温かいシラフで寝てみたい。
ローソクが残り5センチ弱になってしまって夜が長い。ローソク意外とつかうのである。 ヘッドランプはアタック用につかいたいから少し節約。 何が何でもマッキンレー、登るぞ。―――》
ウェスト・バットレス下部、4200m地点の雪洞で、この日は泊まる。ここに、余分の装備、また最後の日記を置き、おそらくは次の日、2月7日からウェスト・バットレスを登りはじめた。 マッキンリー山は、ウェスト・バットレスを登り切った4900m地点から稜線のコースになり、5200mあたりで少し平らな場所に出る。それからデナリ・パスを通過して稜線を歩き、サウス・ピーク(頂上)に立つというのがコースだ。
しかし2月7日以後は日記がない。推測をまじえて足跡を追うしかない。なお、ここからの行程追跡は、明治大学の第一次救援隊の橋本清隊長の手紙に拠るところが多い。 2月7日と8日は、行動不明。9日、ブッシュ・パイロットのダグ・ギーティングが植村の姿を確認した、といっている。10日、行動不明。
2月11日、テレビ朝日カメラマンと別のパイロット(トーマス)が5200m付近で植村を確認、交信。植村は「明日アタックする」といった。翌2月12日は植村の誕生日である。こういうげんを担ぐ余裕のようなものがここではあった。
2月12日。デナリ・パスを過ぎ、頂上までの中間の稜線上の植村を、前日の2人が機上で確認。「あと2時間ほどで登頂できる」と交信してきた。飛行機の2人はいったんBCに引き返し、16時に登頂確認のため飛ぶが、天候が雪に変わり、植村を発見できず。
2月13日。パイロットとテレビカメラマンが頂上付近に飛び、午前11時に植村と交信。頂上付近はガスで、植村の姿は確認できなかった。また交信の記録は残っているが、雑音が多く聞き取れない部分が多い。植村は「えー、きのう、7時10分前にサウス・ピークの頂上に立ちました」といっているのは聞きとれるが、現在位置不明。「2万、2万、2万フィート」という言葉を残して、聞きとれなくなった。
その後は、植村の遭難を懸念して、ブッシュ・パイロットたちがマッキンリーに飛んだ。
2月16日。ダグとトーマスが4900メートルの雪洞に植村がいるのを見た、といっているが、確実か、と問われて、100%確実ではない、と答えている。
20日、大谷映芳氏はチーフ・レンジャーのグリフィスとともに4200m地点に下り立ち、雪洞を発見。装備と日記があった。近くにテントを設営、天候が回復した25日、2人はウェスト・バットレスを登って、4900m地点の雪洞を発見、食べ残しの食糧、装備の一部を見つけた。
=補講・資料=
スピード登攀で知られ、14座のうちの半数をアルパインスタイルで登っている。特に、ジャン・トロワイエと共に、エベレスト北壁をアルパインスタイルで40時間で登頂したことが有名である。北壁の取り付きからジャパニーズ・クーロワール経由で登り、グリセードを使って5時間で下山した。他にもジャン・トロワイエ、ヴォイテク・クルティカと共に、チョ・オユーとシシャパンマをどちらも南西壁から1日で登頂している。
アンナプルナでは長大な東稜からの初登頂を果たし、北側への縦走に成功した。しかし、2011年4月28日、地元スイスのグリュンホルンで登山ガイド中に事故で死去した。52歳没。ヴォイテク・クルティカ、ジャン・トロワイエとのチームは「最強のトリオ」と呼ばれた。
動画資料: Gaston Rébuffat : Etoile et tempête =クリック➡ https://youtu.be/hBjbkCNbvJk=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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