○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
探検家になるために必要な資質は、臆病者であることです =植村直己=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 自分が主役になるよりは常にメンバーを影でサポートするような立場でいたい ☠
◇◆ 先住民に学ぶ =5/6= ◇◆
食べ物の摂取のつぎは、出すこと、つまり排泄のモンダイがある。
エスキモーの家、といっても植村が行った頃のシオラパルクでは、大方は部屋が一つしかない。そして、入口近くにバケツが1個置いてあり、それが大小便のための便器だった。男も女も、人目をはばからずそこで用を足す。植村は最初は生肉のせいで家に異臭がこもっていると思ったのだが、じつは糞尿の臭いだったわけだ。
この排泄習慣になれるのは、生肉食よりも時間がかかったようだ。しかし厳寒期に外で用を足すのは実際上きわめてつらいということもあって、いつのまにかなれていったようである。
シオラパルクから75キロ離れたカナックへ初めて犬橇旅行したのは、グリーンランドに住んで約2カ月後だった。初めて会った人びとの前で排便できず、植村は身もだえる。
それでも半月もすると、カナックの人たちの前でも堂々と大便ができるようになった。「カナックの娘たちも話しながら尻をまくり、小便をするようになって、私との間にはなんのこだわりもなくなっていた」と彼は書きつけている。そしてそのユーモラスともいえる光景を語ったあとで、彼は改めて、という感じで言葉を継ぐ。
《私はこれまで四十カ国ばかりの国々を歩きまわってきたが、これほど風俗習慣のちがいを身にしみて感じたことはなかった。「習慣に従う」ということばは、頭の中でこそ理解できても、いざ実行するとなるとなかなかむずかしい。私もはじめは彼等の排泄習慣になかなかなじめなかった。私は「エスキモーと生活をともにする」という以上、食生活を同じにするだけでなく、同じ排泄行為をとることができるという条件もつけ加えなければならないと思っている。》(『極北に駆ける』「私の犬橇訓練計画」)
いわれてみればその通り。みごとに徹底している。
その徹底ぶりをもう一つ挙げるとすれば、これは植村のほうから望んだことではないけれど、イヌートソアとナトック老夫婦の養子になった一件である。
イヌートソアは、シオラパルクの村長である。経験も多く、知見も広く、適役と思われる人物だ。
冬が近づき、浜辺が凍りついて日課でやっていたマラソンが危険になったとき、植村はマラソンのかわりに、イヌートソアの家まで浜辺に打ちあげられる氷を運ぶ作業をすることにした。氷塊は溶かして真水にする必需品だが、浜辺から遠いイヌートソアの家まで運ぶのは、老夫婦にとってはかなりの重労働である。植村は自分が代わってそれを実行した。
そんなこともあって、イヌートソアとはすっかり親しくなり、イヌートソアの昔話を聞くのが楽しくなっていた。また、日が経つにつれて甘える気持さえもつようになった。
そんなある日、イヌートソアが突然、「養子にならないか」ともちかけてきた。植村は何よりも驚く。日本で養子になるというのは大変なことだ。しかし、エスキモーの社会では養子になるのはわりと日常的なこと。私生児も当り前のようにたくさんいるし、誰が誰の子ということの意味がうすいのである。
=補講・資料=
イヌイット (Inuit) は、カナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族のエスキモー系諸民族の1つで、人種的には日本人と同じモンゴロイドである。エスキモー最大の民族である。
カナダとグリーンランドに住むエスキモー民族は「エスキモー」という呼び名を拒否しているため、公に「エスキモー」と呼ばれることはない。
一方、アラスカには「ユピック」と「イヌピアット」というエスキモーが先住していて、イヌピアットはイヌイット民族と同種族だがユピックはイヌイットではない。近年、「イヌイット」は「エスキモー」の別名として乱用されるが、それは正しくない。「イヌイット」はカナダのエスキモーのことで、アラスカでは「エスキモー」が使用されることがあるが公式な民族名はイヌピアットとユピックである。アラスカでは広義のイヌイットに含まれるイヌピアットを含め「イヌイット」と呼ばれることを拒否している。ユピックをイヌイットと呼ぶのは明確な誤りである。
民族名「イヌイット」はカナダ・エスキモーの自称である。イヌクティトゥット語で「人」を意味する Inuk の複数形、すなわち「人々」という意味である。
グリーンランドのイヌイットは、しばしばカラーリットと呼ばれる。このような事情のため、「イヌイット」はカナダに限定して使うこともある。ただし文化的には、カナダのイヌイットと他の地域のイヌイットとの間に大きな違いはない。
カナダではしばしば、アルゴンキン語族などのインディアン系諸民族と合わせてファーストネーションズ (First Nations) と呼ばれる。ちなみに「アルゴンキン語族」も「ファーストネーションズ」も民族名ではない。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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