○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
探検家になるために必要な資質は、臆病者であることです =植村直己=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 自分が主役になるよりは常にメンバーを影でサポートするような立場でいたい ☠
◇◆ 先住民に学ぶ =1/6= ◇◆
植村直己の冒険の方法の一つは、先住民に徹底的に学ぶということだった。とりわけ彼の輝かしい冒険記録となった極地での行動は、エスキモーに学ぶことから始まり、それによって身につけたサバイバル技術によって可能になったといってよい。
その結果、彼の冒険はきわだった表情をもつことになる。それは、自然を征服するのではなく、自然にしたがうこと、適応するということである。順化する、という言葉を使ってもよい。
科学技術に裏打ちされたさまざまな道具をフルに用いて、自然を征服するという方向は、19世紀に最盛期を迎えた西洋の探検や冒険で確立された。人間の力で、自然を屈服させる。そういう方向である。
もちろんヨーロッパやアメリカの人びとの冒険が100パーセントそうであった、というのではない。たとえばヨーロッパの人びとが熱中しはじめた登山などでは、征服欲を満足させるためには微妙な自然観察が必要であり、自然に対する謙虚な態度がそこからみちびきだされた。
そうではあるけれど、西洋の冒険が自然を征服するという表情を色濃くもっているのは事実である。それに対し、植村の冒険は自然への適応という表情が特徴的。植村は別に観念的に西洋の方法を批判したわけではなく、エスキモーなど先住民に学ぶという態度からごく自然にそうなっていったのである。
エスキモーは極北の地や海にいる動物や魚をとり、獲物のすべてを利用しながら寒冷地に生きのびてきた。自然のもたらすもののなかに、人間が生きのびる道があった。エスキモーたちはきわめて高度の適応能力をきびしい自然のなかで育てた。植村はそれを習って、適応能力を自分の身につけようとしたのである。征服とは反対側にある態度である。
理屈ばっていえば、植村直己の自然に対する対し方は、日本人的あるいは東洋人的であるとひとまずはいえるかもしれない。しかし、では自然に対する日本人的態度とは何かを考えていくと、かんたんな議論ではすまなくなる。そういう一般論にここでは足を踏みこまないことにする。
ただ植村らしい態度としてもう一つつけ加えておくとすれば、たしかに自然に適応する態度を彼はくずさなかったけれど、いっぽうでは自分の考えた行動についてはじつにしつこくやりとげようとし、かんたんにはあきらめなかった。諦観するという態度は、この冒険者にはみじんもなかった。
ここで、先住民という用語についておことわりしておきたい。
「現住民」といえば、「現在その土地に居住している人」という意味になる。いっぽう「原住民」と書くと、「もとからその土地に住んで(今に至っている)人」という意味になる。もう一つ「先住民」という言葉があって、これはほんらい「一定の民族、もしくは種族の土地占有以前に同一の土地に居住の痕跡をとどめた民族」(『精選版日本国語大辞典』小学館刊)という意味で使われていたようだ。しかし現在は「先住民」は「原住民」とほとんど同じ意味で用いられるようになっている。「原住民」の「原」に、原始的というひびきがこもるのをはばかってのことなのかもしれない。
=補講・資料=
エスキモー(Eskimo)は、北極圏のシベリア極東部・アラスカ・カナダ北部・グリーランドに至るまでのツンドラ地帯に住む先住民族グループである。 本来自分たちの力のみで自活して暮らしていたが、白人との接触により貨幣経済に巻き込まれ、また飲酒などの習慣により堕落した生活を余儀なくされた。 現在においては下記のアルコール類の購入や捕鯨などにみられるようにカナダ、米国政府により「保護するべき集団」と見なされ、パターナリスティックな扱いを受けている。
エスキモーとは単一の民族ではなく、大きくはアラスカ北部以東に住むイヌイット (Inuit) 系民族(東部集団)とアラスカ中部以西のユピク (Yupik) 系民族(西部集団)に分けられる。 なおグリーンランドに住むのは学術的にはイヌイットであるが、現地ではカラーリットと呼ばれている。
総人口約9万人のうちグリーンランド住民が最も多く、4万1000人。アラスカ3万2000人。カナダ1万2000人。シベリア1200人を数える。
雪や氷で造ったイグルー等に居住し、魚や海獣を捕って生計をたて、カヤックやイヌぞりによる移動生活を送る、というのが一般的なエスキモーの生活とされており、現在でも定住せずに移動生活をする者もいる。 イグルーは移動するときに使うもので、定住のための住居ではない。
しかし近年では、定住して都市部に住む者が増えてきており、エスキモーの移動生活は過去の物となりつつある。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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