○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
新たなピラミッド像を追って、エジプト考古学の魅惑の世界=河江肖剰=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 発掘調査と先端技術によって、古代のピラミットの実像に迫る ☠
◇◆ エマージング・エクスプロラーの受賞 = 3/3= ◇◆
ナショジオの「魔法」
今回改めて、これまで自分が関わってきたピラミッドの調査を振り返った。 確かに、「これからなにか生まれるかもしれない」という期待感はある。
私が最初に関わった3D計測調査は、米国古代エジプト調査協会のプロジェクトとして、先の亀井先生が隊長となって行った第4王朝末期のケントカウエス女王墓である。 その後、エジプト考古最高評議会(現考古省)の依頼を受け、修復の進むエジプト最古のピラミッドである第3王朝のサッカラの階段ピラミッドの3D調査にフィールド・ディレクターとして従事した。
次に、2013年と2015年には、TBS「世界ふしぎ発見!」と組んで、第4王朝のクフ王の大ピラミッドの組積造の3D化(ほんの一部ではあるが)を産学連携の学際プロジェクトとして行った。 そして近年では、チェコ隊と共に、第5王朝時代のネフェルイルカーラー王のピラミッドの3D調査を行っている。 つまり、期せずして、初期王朝から古王国時代の主なピラミッドの計測調査に関わってきたのだ。
これらの調査は、それぞれ異なる研究機関と組んで行ってきたため、データは個別にしか研究してはいない。 しかし将来的には、すべてのデータをまとめて公開しつつ、包括的かつ通史的にピラミッド建造について研究できれば、これまでにない、現場の情報に基づく仮説が立てられるかもしれない。
いま、エマージング・エクスプローラーとして、ワシントンのナショナル ジオグラフィック協会にいる。 年次シンポジウム「エクスプローラーズ・ウィーク」に参加するためだ。 これは1年に1度、ナショジオの関係者だけに開かれる特別なイベントで、世界各国からエクスプローラーたちが集まり、最新の活動を発表している。 関係者の多くは、この内輪のイベントの中で様々な交流が深まり、「魔法」が生まれると言っているが、確かに恐ろしく刺激的だ。
私もここで交流を深め、まだ誰も見たことがないピラミッドの実像を明らかにすべく、「魔法」を生み出していきたい(「エクスプローラーズ・ウィーク」については、次回、詳しく報告します)。
=資料・文献=
エジプト第4王朝・歴史(2/3)
スネフェルの跡を継いだクフ王は、父と同じ上エジプト第16県で生まれた。 クフ王は父が進めた行政組織の整備と外征を引き継いだと考えられる。 彼は父と同じくシナイ半島に出兵し、鉱山を「守護」したという。 クフ王の時代の特筆すべき事業はギーザ(ギザ)におけるピラミッド建設である。 彼の立てたギーザのピラミッドは高さ146メートル、一辺約230メートルという巨大建造物であり、建設には20000人から25000人の労働力が必要であったといわれている。 これはヘロドトスによる記録に比べ少ないが、当時のエジプトの推定人口の1%以上であり、クフ王時代の第4王朝の国力を示して余りある記念碑である。
クフ王の没後に王位をついだのはクフ王の息子ジェドエフラーであった。 ジェドエフラーの治世は8年と推定されているが記録が乏しい。 判明していることの中で重要なことはジェドエフラーが歴史上初めて自らを「太陽神ラーの子」としたことである。 この主張は後のエジプト王に受け継がれていくことになる。 ジェドエフラーの後、彼の異母兄弟にあたるカフラーが王位を継いだ。
カフラーもまた父と同じく巨大ピラミッドの建造によって名高い。 彼のピラミッドはアスワン産の赤色花崗岩がふんだんに使われており、ナイル川の上流域まで安定した支配が及んでいたことが伺える。 ヘロドトスはこのことに言及しカフラー(ケプノス)のピラミッドにはエチオピアの石が使われていると述べている。
カフラー王の次代の王は、恐らくはマネトの記録にある統治年数不明のビケリス王にあたる人物で、短い統治があったと推定される。 そのエジプトでの名前は、碑文からバカ (Ba-Ka) もしくはバウエフラー (Bau-ef-Rê) であると考えられるが、確定していない。 その後カフラー王と王妃カメレルネブティ1世の子メンカウラーが王位を継いだ。
メンカウラーもまたギーザの大ピラミッドの建設者であるが、彼の建造したピラミッドは先の2基に比べてかなり小ぶりになっている。 これを国力減退の証拠と見るかどうかは学者間で立場が必ずしも一定しないが、彼以後のピラミッドの規模が急激に縮小している点は重視される。 ヘロドトスはメンカウラー(ミュケリノス)が、かつてエジプトに君臨した王の中で最もエジプト人に賞賛されているとして、空想的な寓話をいくつも記録している。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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