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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“モグラ博士”哺乳類分類学 / 川田伸一郎(09/nx)_学究達=668

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=令和六年03月08日<ⰧⰊⰧ

☆ ソビエトロシアでは、二月があなたを革命する!(1917年)     ☆ 牟田口廉也の個人的なプライドのためにインパール作戦が開始(1944年)。お陰で2万人以上の兵士が生贄となり撤退時の悲惨さはぴー。     ☆ NYSE創立190年を前に、NYSE自身がNYSEに上場(2006年)・・・・・ややこしい。 & マレーシア共和国の飛行機が突如として行方不明になる(2014年)21世紀にもなって破片や遺体すら☆見つからないので異世界へ飛ばされた可能性大。

本日記載附録(ブログ)

車線上の無残な動物の轢死体_瞬時に目をそむけ、遭遇した不運を呪う

しかし、彼は「かわいそうに」を飛び越えて_噴き出す感情は「もったいない」

誰もが知り謎に満ちたモグラ_身近な存在である哺乳類を研究する「モグラ博士」

  自称「標本バカ」というほど標本にも魅せられた国立科学博物館動物研究部研究主幹

  「モグラ博士」として知られると同時に、「標本バカ」の哺乳類分類学者_川田伸一郎(09/mn)

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

 第3回 「昆虫少年」が「モグラ博士」になるまで =3/3= 

 じゃあ、染色体の研究と、遺伝子の研究は、この点において、どんな関係にあるのだろう。正直、「似た方面」の研究テーマだと思っていたので、少し頭が混乱した。

「遺伝子って系統関係は議論できますが、どれくらい違ったら別種にしていいかっていう判断はできないんですよ。遺伝子がほとんど一緒でも、染色体の形が違って、繁殖できなくて、別の種類になっちゃったっていうような種類もあります。モグラだと、エチゴモグラとサドモグラを別種にするのは、ぼくたちの染色体研究が鍵になりました。遺伝子を見ている分にはとても似ていたんですが。逆に、染色体の弱いところっていうのもあって、種が分岐してきた順番が分からないんです。どっちからどっちに変化したかっていうのを推定するのが非常に難しい。そういうところは遺伝子なんかのデータを使って確かめてもらって、最終的に全体の枝分かれの順番を見る。やっぱり形態を見て、染色体を見て、遺伝子で裏をとってみたいなことを全部やって、独立した種なのかどうか、と考えていくことになるんです」

 これは非常に興味深い。

 染色体を見る技術は、遺伝子の違いだけでは分からない「種」を見る技術。

モグラの分類を解明するためには、標本を作り、形態を見て、染色体を見る。川田さんの表現では、今や染色体は「形態より」というのはそういうことか。

 もう少し具体的に言うなら、染色体を種ごとによくよく見てみると、同じ遺伝子セットを持っていたとしても、「形」が違うことがある。例えば、「動原体」と呼ばれるくびれた部分があって、その位置が重要だ。動原体が端っこに位置していると、染色体の形は、逆V字型になる(単腕性)。染色体の一部が逆転して動原体の位置が真ん中に変化すると、X字型になる(両腕性)。細胞分裂で、細胞が2つに分かれる時、この動原体の部分に紡錘糸と呼ばれる糸がくっついて引っ張られるようにして、染色体も2つに割れる重要な部位だ。当然、生殖にも関係してくる。

 日本のモグラの染色体の数は18対で、つまり36本。これは共通だ。そんな中で、エチゴモグラとサドモグラは、形態も遺伝子も非常に似ており、同種かせいぜい亜種レベルとされることが多かった。しかし、川田さんが、染色体を調べると、「単腕性」と「両腕性」の染色体の組の数が違い、エチゴモグラとサドモグラが交配困難で別種という見解を支持するものとなった。

 これは単なる一例。一事が万事で、とにかくモグラのことはよく分かっていない。行動的なことはもちろん、分類についても謎が多く残っている。モグラにはまった川田さんは、日本のみならず、海外のモグラの探索にも出かけるようになる。

次回は“ 第4回 夢は世界のモグラをコンプリート! ”に続く・・・・・

【参考資料】 : 川田伸一郎と世界のモグラたち(2/5)

Ω 国立科学博物館動物研究部/2014年度大会公開シンポジウム記録 Ω

モグラ分類学の現在 1,染色体調査

筆者の哺乳類学は染色体の数や形といった特徴,すなわち核型を分析することから始まった.モグラとの出会いは大学院修士課程で,ヒメヒミズ Dymecodon pilirostris とヒミズ Urotrichus talpoides の核型比較を行うことが研究テーマになってからである.

アルコール漬けの小さな組織サンプルからでも分析が可能な分子情報と異なり,染色体研究は細胞分裂という生命現象の一コマを観察するため,生きた細胞が必要である.そのため研究者自身が個体を捕獲するというところから研究が始まる.この「捕まえる」という必然性が筆者をして海外にまでモグラを求めての旅へといざなうこととなる.

大学院博士課程ではより分類群を広げ,広くモグラ科の比較核型分析を開始した.まずは身近な日本産のモグラ全種を調べるために,国内各地で捕獲を行った.残念ながらいまだ尖閣諸島への上陸は果たしておらず,そこに分布する 1 種だけは未分析であるが,そのほかのミズラモグラEuroscaptor mizura,サドモグラ Mogera tokudae,アズマモグラ M. imaizumii,コウベモグラ M. wogura について 1 年半程度で核型分析を終えて,論文として発表することができた.

重要なトピックとしては,逆位と呼ばれる染色体変化が種ごとに段階的に起こっているという点である.またサドモグラの越後平野孤立集団が,佐渡島集団とは複雑な構造変化を伴う独特の核型を有するという違いから,独立種エチゴモグラ M. etigo とする意見を支持するデータを得ることもできた.比較的早期に一つの目的を達成した筆者は,北米や東南

アジアに核型が未整理な種が多数分布することに注目し,海外のモグラを求めて旅を繰り返すことになった.

アメリカでは西海岸に生息するセイブモグラ属 Scapanus の一種ヒメセイブモグラ S. orarius,大陸東部のトウブモグラScalopus aquaticus,ホシバナモグラ Condylura cristata といった種を調査し,またヒミズ類を研究していた修士課程時代にいつか調べたいと思っていたアメリカヒミズ Neurotrichusgibbsii もリストに加えることができた.

アメリカヒミズは日本のヒミズ類の染色体数 34 とは異なる 38 であることが古くから報告されており,一方で他の北米産モグラ類は 34であること,そして日本産ヒミズ類に類似した核型であることを確認した.

染色体的には北米産の「モグラ」と呼ばれるグループは日本やアジアなどに分布する「モグラ」とは異なっており,日本の「ヒミズ」に類縁がある,あるいは単に祖先的核型を維持したものなのだろうか?その後筆者は中国雲南省の高地で第四のヒミズであるシナヒミズScaptonyx fusicaudus を捕獲し,核型分析を行ったところ,核型は日本のヒミズに近いものであった.

シナヒミズは英語では long-tailed mole と呼ばれ,多くの研究者はヒミズよりも地下性に適応した別グループと位置付けているが,ヒミズの仲間に違いないと筆者は考えている.なお,雲南省ではこの山域でしか見ることができないミミヒミズ亜科の一種ホソミミヒミズ Nasilus gracilis も捕獲したが,本種の核型は他のモグラ科からは一線を画した特徴を有し,独立の亜科として位置付けることを支持している.

続く・・・・・

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森のなかえ

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