☆ 3・5の語呂合わせで巫女の日。 &so、ミスコンの日。これも語呂合わせと思いきや、本当に日本初のミスコンテストが開かれた日だったりする(1908年)。 ☆ 日本初のスッチー採用試験結果が発表された(1931年)ことから、スチュワーデスの日でもある。フェミニストから苦情が出そうな一日。 ☆ 横田空域関係なく飛べる戦勝国特権で富士山を低空から見物しようとしたBOAC機が空中分解して、乗員乗客全員が犠牲となる(1966年=英国海外航空機空中分解事故)。
本日記載附録(ブログ)
車線上の無残な動物の轢死体_瞬時に目をそむけ、遭遇した不運を呪う
しかし、彼は「かわいそうに」を飛び越えて_噴き出す感情は「もったいない」
誰もが知り謎に満ちたモグラ_身近な存在である哺乳類を研究する「モグラ博士」
自称「標本バカ」というほど標本にも魅せられた国立科学博物館動物研究部研究主幹
「モグラ博士」として知られると同時に、「標本バカ」の哺乳類分類学者_川田伸一郎(07/mn)
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第3回 「昆虫少年」が「モグラ博士」になるまで =1/3=
国立科学博物館の川田さんの研究者としての出発点は、染色体の研究だ。
染色体とは、細胞の核の中にある糸状のもので、遺伝子がそこにのっかっている。人間だと両親に由来するものが23本ずつ、計46本ある。この数は生き物によっていろいろだ。
瀬戸内の岡山県に生まれ、幼い頃、いわゆる「昆虫少年」だった川田さんは、青森県にある弘前大学理学部生物学科に入学して、哺乳類の染色体研究に出会った。学部学生の頃は、ヒメヤチネズミというネズミの染色体を研究したそうだが、大学院の修士課程で「モグラ」に転身する。
「日本にいるモグラ科の生き物で、ヒミズ亜科というのがあって、ヒミズとヒメヒミズの2種がいます。これらの染色体がこれまであまり研究されていなかったということで、大学の先生から、研究してはどうかと言われました。実は学部学生時代に、フィールドでヒミズを捕まえたことがあって、ネズミに似ているのに、もっと機敏だし、面白い生き物だと思っていました。それで、その研究をしてみようと思ったんです」
ヒミズは、モグラの仲間とはいっても、地下にトンネルは作らない。森に住み、林床に溝のようなものを作って移動する、ちょっと変わった「モグラ」だ。日本には前述の2種類いる。それらの染色体を見るためには、まず川田さんはフィールドに出なければならなかった。
「染色体を見るには、できるだけ新鮮な細胞を培養しなければならないんです。でも、モグラ科の生き物って、お腹が空くとすぐに死んでしまうので、罠をしかけたら、朝・夕・深夜と3回、見に行く必要がありました。朝6時には当時住んでいた寮を出て、自転車1時間かけてフィールドまで行って、捕まえたヒミズを大学の研究室まで運び、もう死んでしまっている場合はそのまますぐに組織培養までやってしまいます。それから寮にもどってやっと朝食。そのあと、夕方と深夜にもまた……」
相当ハードな生活だったようだ。そのかいあって、ヒミズとヒメヒミズの染色体を得て、修士の研究をまとめることができた。ヒミズ科2種の間の染色体でどのような構造変化があるのか、はじめて具体的に明らかにしたのが成果だ。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : “モグラ博士”が教えてくれる「美しさを保つ剥製の秘密」(4/4)
Ω 【国立科学博物館の舞台裏】/ 「博物館における標本の意義」 Ω
研究者の多忙な日常
研究者は研究だけやっていればいいわけではない。特別展や企画展の立案、準備のほかに講演など、普及に関する業務も多いのだ。
「特別展は3年前から準備が始まります。いまは、日常業務の合間を縫って来年3月に開催する『大哺乳類展3』の図録の原稿執筆にとりかかっています。
一方の企画展は、研究者がやりたいことをやりたいようにできるので、楽しいんです。忙しくても展示を作ったり、解説を書いたりするのがわりと好きなので、全然苦ではありません。業務が重なるとどうしても自分の研究を犠牲にしがちですが、だからこそ年に一本は論文を書くことを自分に課しています」
科博の中で、お気に入りの展示物はと聞くと……。
「貝ですね。小学6年生の次男と南房総に貝拾いに行ったとき、1時間で50種以上の貝が拾えたことに感動して以来、貝が気になっているんです。
ぼくの研究対象の哺乳類だったら、近くの山で捕れるのはモグラとネズミのせいぜい3、4種類ですから、多様性のレベルが違う!『なんでおれは哺乳類の研究を選んだんだ!』と、一瞬後悔したくらい(笑い)。
『イモガイ』の展示(地球館1階)の前に立つたびに『まだまだ勉強しなきゃ』と思いますね。死ぬまでに知り尽くせるとは思いませんが、できるだけ未知のことを知りたい。“知らないことを知る喜び”を求めて、人は博物館に行くんじゃないでしょうか」
研究者でさえ新たな発見があるという科博の奥深さ。そして、アツい舞台裏……。知れば知るほど、展示物の見え方が変わるようだ。
【国立科学博物館】
1877(明治10)年に創立された自然史・科学技術史に関する総合科学博物館。約500万点の標本・資料を有し、「調査研究」「標本・資料の収集・保管・活用」「展示・学習支援」という3つの活動を軸に事業を行う。上野公園内にある上野本館をはじめ、茨城県つくば市の筑波研究施設(展示なし)と筑波実験植物園、東京・白金台の「附属自然教育園」の3地区で構成される。
上野本館は日本館・地球館の2棟に分かれ、展示総数は約2万5000点。常設展や企画展に加え、年数回特別展が行われる。
【地球館】
「地球生命史と人類」をテーマに、生命が誕生と絶滅を繰り返しながら進化してきた道のりや、世界中に分布する多様な生物たち、科学技術の道程などを紹介する。展示室は地下3階~地上3階まであり、どこからでも自由に回れるようになっているが、どこから見てよいのかわからないという人は、ホームページ内の「おすすめコース」を参照のこと。
【日本館】
テーマは「日本列島の自然と私たち」。日本列島の生い立ちや日本における人類史などを、標本や人型模型を使って辿る。1931(昭和6)年に完成したネオルネサンス調の建物(国指定重要文化財)も見応えがある。忠犬ハチ公や南極観測隊に同行したジロの剥製も展示されている。展示室は地下1階~地上3階。
【住所】上野本館 東京都台東区上野公園7-20
取材・文/佐藤有栄 撮影/竹崎恵子
おわり
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