☆ マルクスとエンゲルスの煽動によって共産主義という名の妖怪が目を覚ます(1848年=『共産党宣言』が出版される)。 ☆ さすれば、ロンドンで精神がやや軟弱に陥って帰国した夏目漱石が文学博士号授与を辞退(1911年)。 ☆ 『四畳半襖の下張』を雑誌に掲載したとして野坂昭如らが起訴される(1973年)。 &so 花柳幻舟が家元制度粉砕闘争の一環として、自分のところの家元を襲撃する(1980年)。
本日記載附録(ブログ)
イルカと話しがしたい――高校生の時に映画「イルカの日」を見てそう思った
研究者を志し、20年以上イルカと話す研究を一歩一歩進めてきた
海洋レジャー施設「鴨川シーワールド」のシロイルカ、ナックと1989年に出会う
1996年からナックに言葉を教える研究を続けてきた
会話は実現するのだろうか? 東海大学教授・村山司・(13/mn)
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第5回 イルカが話す最初の言葉は? =1/3=
東海大学海洋学部教授の村山司さんと、ぼくは、1990年代に何度か会っている。
当時、イルカブームというものがあって、雑誌やテレビでイルカが出ない日がないと言われるほど(ちょっと大げさかも)、世の中にイルカ情報があふれていた。海でイルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムなど、今では目新しくなくなったアクティビティも、日本では90年代に始まった。
そんな中で、イルカの研究も今よりは熱気があったように思われる。イルカの研究を志す若手はいくらでもいて、ぼくはその中の1人として村山さんを知っていた。ぼく自身も、はじめての本『クジラを捕って、考えた』(1995年)から『イルカとぼくらの微妙な関係』(1997年。文庫化にあたり『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』と改題)に至るまで、海のほ乳類の取材をよくしており、ざっくりイルカ関連コミュニティの一員だった。
今から思えば、わけが分からない熱気に満ちていた。はちゃめちゃで、混沌としていた。そのコミュニティの推進力となった人たちの中には、「精神世界」の探究に関心を持つ人も多かった。イルカと精神世界がどうつながるのかと不思議に思う人も多いだろうが、「イルカとテレパシーで会話した」などという人が平気でいた。冗談だと思うかもしれないが、本当だ。もっといえば、村山さんの研究者としての先達であるジョン・C・リリー博士は、イルカと神秘主義的な精神世界探究を結びつけた人物でもある。
そんな浮ついた雰囲気の中で、村山さんは「イルカと話をしたい」と心に秘めていた。
ブームが去って、人々は去った。ぼくも海のほ乳類について書くことが少なくなり(ペンギンを経て上陸を果たした、と自称している)、イルカとテレパシーで話したりする人などは神秘主義の向こう側に行ってしまった。そんな中も後も、村山さんは1人「イルカと話をしたい」という願いを実現するべく奮闘していた。そして、20年以上かけて、ここまでたどり着いた。
当時を知るからこそ、それが非常に価値のあることだと強く思う。誇らしくも思う。
あらためて、まとめる。
村山さんの「イルカと話す」研究は、1989年(平成元年)に始めたイルカの視覚についての研究から始まり、90年代なかばから後半にかけて「イルカの三段論法」に代表されるように、モノと記号との関係を順を追って理解させる認知科学的な研究にまずは到達した。この時点で、「イルカの賢さを示す研究」というふうに、世間では受け取られていたふしがある。また、村山さんは、この頃の研究で、現在の研究の相棒である、シロイルカのナックに出会っている。
そして、21世紀になって、4種類のモノ(フィン、マスク、バケツ、長靴)を、村山さんが「ナック語」と呼ぶ鳴音と、アルファベットの記号を対応させる人工言語にまで到達した。わずか4つの語彙だが、ナックは声でモノを指すことができ、モノを見るとその名を呼ぶことができる。また、対応させたアルファベットとの関係も理解している。今後、村山さんは、名詞に留まらず、動詞を教えようとしている。
これは、「イルカと話す」というテーマについて、現在のところの最高到達点だ。これまでは、研究者の「思い込み」だったり、一方通行的にイルカに指示を伝える研究しかなかったところに、客観性を備えた、双方向的なコミュニケーションを実現したのだから。
そこに、ナックが人の言葉を真似できるという事実が加わる。考え合わせると、ナックがいつか人間の言葉で、それも日本語をある程度理解して、話し始める日が来るのではないかとつい先走ってしまう。
しかし、これについて村山さんも、荒唐無稽な話ではないと思っているようだ。石橋を叩いて渡る研究方針からして今すぐというわけにはいかないだろうが。
「ナックが、将来、人間に話しかけてくるとしたら、最初の言葉はなんだと思いますか」
そのように問うてみた。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : イルカはしゃべるし、モノマネもする!(4/4)
Ω・Ω 言葉を覚えたシロイルカの「超」能力/ 村山 司 東海大学教授 Ω・Ω
すなわち、図の白矢印は訓練して理解させたところですが、その関係を訓練しただけで、なんの訓練もしていない赤矢印の関係までも理解できたのです。これを「刺激等価性」といいますが、一部の関係だけ習得させると、それを応用して、教えてもいない他の関係も自発的に理解できたことを意味しています。
このことは、言語を覚える重要な要素で、私たちが言葉を身につけるときにもはたらいています。
他に言葉の研究をしているチンパンジーやボノボなどの霊長類では、主に物を図形文字という視覚刺激で理解させ、オウムは物と聴覚の関係で言語訓練をしています。これに対して、ナックは視覚で理解したことを聴覚で表出する(またはその逆の関係)ことができ、異なる感覚系(cross-modal)を介して、単語の理解をしたことになります。
これは他の動物では例のない成果で、イルカが、ヒトと同じような言葉の覚え方ができることが示されました。
こうしてナックは、4つの物について名詞を理解できました。
人の声をモノマネするナック
2014年、「イルカがしゃべった」という話題が、毎日新聞の1面に載り、話題になりました。
ヒトが発した言葉を摸倣してナックが出す音が、まるでヒトの言葉をしゃべっているように聞こえるのです。イルカはもともと模倣が得意なうえ、前述のようにシロイルカという種類はさまざまな鳴音を発するので、ヒトの言葉もマネできたというわけです。
実際に、ナックの模倣した音について、周波数や持続時間などを解析した結果、ナックの音のパターンがヒトのそれとよく似ていて、ナックがヒトの言葉をマネしようとしていたことが科学的に証明されました。
ちなみに、アメリカ海軍でもかつて、シロイルカがヒトの言葉をマネしたという報告がありますが、ナックと違って単語レベルではありません。また、シャチでもヒトの言葉を摸倣した例があります。
これからの「ナック」——動詞を教えたい!
さて、こうして名詞を覚えたナックですが、それだけではまだ、私たちヒトと話すことはできません。次は動詞です。もし動詞が習得できれば、名詞と動詞を組み合わせて文を作ることができます。
筆者は現在、どの動詞をどのように教えるかを模索した実験をしています。
その要点は、「動作が記号で表出される」ということを理解させることにあります。一つの動作が特定の記号で表されることがわかれば、ナックは他の動詞も同様に理解していくことができると考えられ、ナックの「語彙」がどんどん増えていくことにつながるからです。
また、記号の意味を理解すれば、自分で記号を選ぶことによって、先のハーマンの研究では実現できなかった、イルカが自発的に文を作るという可能性も考えられます。
模倣については、現時点では単にヒトの言葉をマネしているだけで、その意味を理解しているわけではありません。そこで今、その意味を理解させるための研究を行っています。
ナックがもし、模倣している言葉の意味を理解できれば、将来的にはヒトの言葉でナックの言語理解を検証できるかもしれません。その成果を、前述の記号を用いた言葉の研究と融合すれば、さらに言語研究は進むことになります。
終わり
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https://youtu.be/p9ZMBEZjrto== 「ナックの声が聞きたくて」のナック登場!!! ==
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