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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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海を通じて世界を見渡視座/小野林太郎(07/nx)_学究達=641

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=令和六年01月27日<ⰧⰊⰧ

☆ 我がまま言ったオペラ歌手のために、帝国ホテルのグリルのシェフがタマネギでカサ増しした軟らかいステーキを出す(1936年)。 ☆ 名古屋城のてっぺんまで登って金のシャチホコからウロコをちょろまかしてきた不届き者が御用に(1937年)。 ☆ アポロ1号が打上げもしないうちから火だるまに、搭乗していた3人の宇宙飛行士はロケットに飛ばされることなくお星様となった(1967年)。 “火だるま”といわば、ロッキード事件丸紅ルート初公判で田中角栄が出廷(1977年)火だるまに。

本日記載附録(ブログ)

アフリカ大陸で誕生した私たち現生人類は、約5万年前頃までにはアジアやオセアニアの島嶼域への移住を開始した。

もともと陸の生き物である人類はどのように海洋世界に適応し拡散したのか――。

海を通じて世界を見渡し、人類の島嶼適応や移住といったテーマを軸とする

 人類史的な視座、巨視的な研究者/小野林太郎(07) 

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

 第5回  “楽園の人類学”の扉はどのように開かれたのか  =1/1= 

 実は、ぼくはほんの一時、ニュージーランドに住んでいたこともあって、人類拡散の歴史の終着点である「リモートオセアニア」の人類学・考古学に興味がある。その方面に明るい知人に聞いたところ、日本には専門家が少ない分野だが、ひょっとするとこの人ならよく知っているかもしれない、と名前を伺っていたのが小野林太郎さんだった。

 主なフィールドはインドネシア東側海域の島々や東ティモールだから、むしろ「ニアオセアニア」が中心。しかし、ミクロネシアやポリネシアでのフィールド研究もあるし、「リモートオセアニア」の研究動向にも詳しいに違いない、と。

 しかし、実際にお話を伺うと、小野さんのフィールドの多彩さ多様さに目を奪われた。なにしろ、時代にして4万2000年前の遺跡から、数百年前の遺跡までカバーし、地理的にもインドネシア・東ティモールを起点としながらも太平洋各地に飛んでいる。

 小野さんは、どうして、このような幅広い分野に足を踏み入れることになったのか。そのストーリーから垣間見る日本の考古学・人類学の特徴というのもあって、ぜひ紹介したい。

「私は、北海道の出身で、父親が地理、それも氷河とか山の研究者だったんです。小さい頃から、フィールドワークみたいな形で父親に連れていかれたりしていたんですけど、ほとんど北国の山で、だからもう私の中で「山」と「寒い」っていうのは1つのイメージになってしまいました。あれはもうごめんだと思って、対極のことがやりたいと(笑)。そうすると、やっぱり山の反対としては、海。それも何かハワイみたいな暖かい楽園みたいなところで研究できたらめちゃめちゃ面白いじゃないかというノリで、人類学に興味を持ったんです」

 親が研究者で、自分も研究の道に進んだという人はわりといる。その際に、同じ分野というのもあるだろうが、どちらかというと別のジャンルをという人の方が多いような印象を持っている。あくまで印象論だが。小野さんの場合、それが「対極」になるように作用したようだ。

 では、「楽園の人類学」の扉はどのように開かれたのか。ミクロネシアのファイス島の遺跡研究で共同研究者にもなっている印東道子教授(国立民族学博物館)が、ここで登場する。

「印東先生が北海道東海大学にいらして、私、高3のときに学ラン着て、会いに行ったんです。オセアニアのことをやってる先生が近くにいらっしゃるってことで。山の中に大学がありまして、バスですごい揺られるんですよ。私、なぜかラムネを先生の部屋に持っていったんです。飲んで良いですかと聞いて、開けた瞬間に全部噴水みたいに飛び散っちゃった思い出があるんですけど、それが最初の出会いでした」

 なにかよく分からないが、いまだに語られる強烈な出会いであったことは間違いないようだ(笑)。

「──実は、その時、文化人類学をやりたいと考えていました。現在の島の人たちの生活だったりとか、とにかくそういう人たちと仲良くなって、いろんなことを知れたら面白いなと。でも、印東先生に、今オセアニアをやりたいんだったら、一番面白いのは考古学だと言われて。実は、知識なしにお話を聞くのもよくないと思って、行きのバスでオセアニア通史みたいな本を読んでいたんです。最初から読むものですから、まず先史時代じゃないですか。で、ちょうど読んでいたとこだったんで、『それはラピタの話ですか』と知ったかぶりをしたら、えらい感動されて『高校生のくせにラピタを知ってるのか』と」

 そうやって、その気になって興味を持ったのが、今の小野さんのスタート点だった。とはいえ、まっすぐにオセアニア、というわけにはいかなかった。

「大学では、まず学部生の時にフィリピンの調査に参加させてもらいました。あと、やはり、考古学をやるなら、せっかく日本人なんだし、日本の発掘技術とかやり方は学んでおく必要があると指導されて、夏休みとか長期休暇には日本の現場にも入っていましたね。半分バイトでやるんですけど。特に大学院のときとか」

 ここで重要なポイントがひとつ。

 小野さんの研究は、時期にして数万年前から数百年前の遺跡を扱っている。この時期は、日本の学問の伝統では、人類学と考古学が扱う両方の年代にまたがるものだ。そのあたりの事情は国立科学博物館の海部陽介さんにお話を伺った時にも触れた。でも、大切なことなので、ここでも小野さんの観点から語ってもらおう。 =小生のBlog : https://thubokou.wordpress.com/2020/05/29/ にて海部陽介さんの冒険譜記載=

「日本では考古学って、歴史学の1分野になっているんですけど、世界的にはむしろ人類学の中の位置づけで、基本的には1つの分野なんです。そんな中で、日本の考古学の方法を学ぶのは意義がありました。日本で掘ってみると、面で掘っていくことがいかに大事かっていうことをたたき込まれます。面と面の違い、層と層の違いがいかに大きな違いかっていう。それをやっぱり実感できるんですよ。でも、私がオーストラリアでポスドク研究をしていた時に感じたのは、彼らの発掘は点で掘るんです。出てきたものの絶対年代は測定できるからそれでいいだろうって。でも、それでは、年代は見れても、いろいろな情報が失われる。例えば、広い範囲にまたがる住居址なんかがあった場合、点で掘っているとわかんないですね」

 小野さんは、オセアニアのフィールドを目指すことで、日本の「考古学」よりも広い「人類史」を扱う学問に進んだわけだが、日本で受けた教育は発掘の手法などをとっても、有利に働いたフシがある。オセアニア考古学・人類学で、見逃されてきた魚の椎骨を使った同定で、新たな視野を開いたのも日本仕込みの繊細さ丁寧さを想起させる。

 なお、オセアニア考古学は、かつて、アメリカ、ハワイのビショップ博物館が大いに研究をしていたけれど、今ではオーストラリアからの研究者が多いそうだ。距離的に近い点もあるだろうし、また、オーストラリアという国が、今、自らのアイデンティティを求めて「オーストラリア人のルーツ」のようなものを探しているから、というふうにぼくは感じている。

 では、日本で数少ないオセアニア考古学の専門家である小野さんが語る、この研究の魅力とは?

「航海術にしても、海の適応にしても、いかにいろんな新たな局面に我々、ホモ・サピエンスが対応してきたかというのを、最も如実にあらわしているのがこの辺の海だと思います。海って、人間からすれば一番過酷な環境でもあるんです。もともと海洋生物じゃないですから。そういう人類が、海に一番近いところ、その極限でどんなふうに生きてきたのか、その生き様みたいなものを、過去も含めてアクセスできる、アプローチできる。それがこの地域の海洋考古学の面白いところだって思っています」

明日“第6回 海底に沈む遺跡を究める「水中考古学」に刮目せよ!”に続く・・・・・

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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