☆ 天声人語の第1回が大阪の朝日新聞で掲載され(1904年)、試験のネタ作りに悩まされていた先生などから好評を得ることに。 ☆ ドイツ・ミュンヘンでオカルティストたちが団体を作るが(1919年)、15年くらい経ってドイツを支配する独裁政党と化した。 ☆ 韓国で34年ぶりに夜遊びが公認され、家庭を守る主婦に午前様を待つ負担が増える(1982年)。
本日記載附録(ブログ)
宿主を操り、自らに都合のよい行動を取らせる寄生虫がいる
聞いただけで気持ち悪いが、そんな寄生虫であるハリガネムシ
宿主カマキリから遺伝子を受けることで、宿主操作を成し遂げている
ハリガネムシと宿主の異常行動を、森と川の生態系の中に位置づけて研究
専門分野は生態学、宿主操作のメカニズム研究者・佐藤拓哉(01/mn)
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第1 カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る =1/3=
寄生虫による宿主の操作は、20世紀後半から大いに研究が進み、今や事例の枚挙にいとまがないほどだ。どうやら我々の住むこの世界では、普遍的な現象らしい。聞いただけで気持ち悪いが、受け入れざるをえない。
日本にいて、直接目に見える形で、身近にそれを実感することができるのは、おそらくハリガネムシではないかと思う。
例えば、本来、水辺に近づく必要がないはずのカマキリが、お腹をパンパンに膨らませて、川や池に近づいている時。そのまま観察していれば、カマキリは水に飛び込むだろう。ほどなく腹からは何10センチもあるハリガネのように細長い生き物がクネクネと身をよじらせながら出てくる。
ぼくもずいぶん前に、白昼、偶然にその瞬間を見てしまったことがある。同じ星の上の出来事とは思えないような、ぞわっとする体験だった。
そんな寄生虫のハリガネムシと、寄生された宿主、特にバッタの仲間であるカマドウマの飛び込み行動を、森と川の生態系の中に位置づけて研究する新進の生態学者がいる。神戸大学の佐藤拓哉准教授(理学研究科生物専攻)だ。
連絡を取ったところ、「僕の研究室はフィールドです。この季節(10月)なら、フルコースをお見せできると思いますので是非」とのこと。この場合、フルコースとは……
前菜・カマドウマ、主菜・ハリガネムシ、デザート・渓流魚。といったところ。
奇妙な取り合わせだが、森と川をつなぐ研究なのだから、こういうのもアリだ。ぼく自身、心躍るものがあり、佐藤さんが最寄りのフィールドとして通っている京都大学の研究林を訪ねることになった。
夜10時過ぎにJR京都駅外の駐車場で待ち合わせ。
出迎えてくれた佐藤さんのジムニーを追いかけて、レンタカーでひたすら北上する。鞍馬天狗や牛若丸で有名な鞍馬山の裾野を越えてさらに行くと、街灯もほとんどない峠道をひたすら走ることになる。地図上ではもうすぐ若狭湾ではというところまで来て、目的地である京都大学の「芦生研究林」の看板が見えた。時刻は午前零時。京都駅を出てから2時間が過ぎていた。
宿泊棟に入ってまずは一安心、と思ったところ、佐藤さんは学生さんたちと一緒に「カマドウマのトラップを仕掛けに出かけます」という。これはついていくしかない。
敷地にトロッコの軌道があり、軌道が通る橋をわたったすぐ先の川縁がトラップのポイントだ。仕掛けは、2リットルペットボトルの容器を途中で切断し、注ぎ口を反転させたもの。中にはカルピス原液とビールを混ぜた濃厚な液体を微量入れておく。佐藤さん秘伝のカマドウマを誘引する魔法のレシピだ。
「多い時には、2日放置すると20匹くらい入りますかね。ペットボトルの口が滑りやすいせいか、ほかのものが入らないのでいいんです」
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : ハリガネムシ
ハリガネムシ(針金虫)とは、類線形動物門ハリガネムシ綱(線形虫綱)ハリガネムシ目に属する生物の総称。 ミミズなどとは異なり体に伸縮性がなく、のたうち回るような特徴的な動き方をする。体は左右対称で、種類によっては体長数 cmから1 mに達し、直径は1 - 3 mmと細長い。内部には袋状の体腔がある。表面はクチクラで覆われていて体節はない。また、クチクラで覆われているため乾燥すると針金のように硬くなることからこの名がついた。
昆虫類の寄生虫として知られている。地方によっては「ゼンマイ」とも呼ばれる。アメリカでは馬の毛が水に落ちてハリガネムシになる、という俗信からhorsehair wormという俗称がある。
なお、茶色で体節の目立つ、ジャガイモや大根などの害虫として知られている「ハリガネムシ」は、コメツキムシの仲間の幼虫である。
生活史
水生生物であるが、生活史の一部を昆虫類に寄生して過ごす。 オスとメスが水の中でどのように相手を捜し当てるかは不明だが、雄雌が出会うと巻き付き合い、オスは二叉になった先端の内側にある孔から精泡(精子の詰まった嚢)を出し、メスも先端を開いて精泡を吸い込み受精させる。メスは糸くずのような卵塊(受精卵の塊)を大量に生む。
1、2か月かけて卵から孵化した幼生は川底でうごめき、濾過摂食者の水生昆虫が取り込む。幼生は身体の先端に付いたノコギリで腸管の中を進み、腹の中で「シスト」の状態になる。「シスト」は自分で殻を作って休眠した状態であり、-30℃の冷凍下でも死なない。
水生昆虫(カゲロウ・ユスリカなど)が羽化して陸に飛び、カマキリ・カマドウマなどの陸上生物に捕食されると寄生し、2 - 3か月の間に腹の中で成長する。また、寄生された昆虫は生殖機能を失う。成虫になったハリガネムシは宿主の脳にある種のタンパク質を注入し、宿主を操作して水に飛び込ませる。宿主が魚やカエルなどの捕食者に食べられた場合は共に死んでしまうが、その前に宿主の尻から脱出すると、池や沼、流れの緩やかな川などの水中で自由生活し、交尾・産卵を行う。
カワゲラをはじめとする水生昆虫類から幼生および成体が見つかることがある。また、昆虫ではなくイワナなどの魚の内臓に寄生する場合もある。 ヒトへの寄生例が数十例あるようだが、いずれも偶発的事象と見られている。ハリガネムシを手に乗せると、爪の間から体内に潜り込むと言われることがあるが、全くの俗説で、成虫があらためて寄生生活にはいることはない。
生態系にて果たす役割
寄生虫であるハリガネムシが河川に飛び込ませた宿主であるカマドウマやキリギリス類は、イワナやヤマメ、アマゴなど、渓流に住む河川性サケ科魚類の貴重なエネルギー源となっている。神戸大学大学院理学研究科准教授の佐藤拓哉らによる調査結果では、渓流のサケ科の魚が年間に得る総エネルギー量の約6割を、秋の3か月程度に川に飛び込む寄生されたカマドウマで占めている。カマドウマなど陸の虫が川の中に入ってくることで、川の水生昆虫はあまり食べられなくなり、水生昆虫類の餌である藻の現存量が減り、落ち葉の分解速度が促進される。カマドウマを飛び込ませないようにすると魚は水生昆虫を食べるようになり、その結果藻が増え、落ち葉の分解が遅れ、生態系が変わってしまった。佐藤らは、ハリガネムシのような寄生虫が森林と河川の生態系に影響をおよぼしていることを、世界で初めて実証した。
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https://youtu.be/DJiXN90862M== ハリガネムシは寄生したカマキリを操作 ==
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