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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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余生を過すチンパンジーと共同生活/平田 聡(01/nx)_学究達=584

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年11月06日<ⰧⰊⰧ

☆ GHQ、三井、三菱、住友、安田の四大財閥解体を指令(1945年)。その後既に77年が経過しているが、何故か解体作業は遅々として進まぬばかりか図体がますますデカくなっているみたい。 ☆ 北陸トンネルが長大なロースターと化す。火種は食堂車(1972年=北陸トンネル火災事故)。 ☆ 松田優作が「なんじゃこりゃ~~~!」と言った後死去(1989年)。

本日記載附録(ブログ)

人間って何だろう?そして、「人間って何だろう」と思う心って何だろう?

そんな疑問に端を発して、ヒト(人)以外の霊長類を比較認知科学的視点から研究

ヒトに最も近縁なチンパンジーを主な研究の対象に選ぶ

 「熊本サンクチュアリ」に行って59にん(人)のチンパンジーと暮らす 

  = 未踏の領野に挑む、知の開拓者・平田聡(01/mn) = 

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

第1回 59にんのチンパンジーが余生を送る場所=1/2= 

 熊本空港でレンタカーを借りて南西に走り、熊本市をかすめるように国道57号線、いわゆる天草街道へ入る。島原湾の向こう側に雲仙普賢岳をのぞむ風光明媚な道をひたすら進むと、急なカーブの後に「京都大学野生動物研究センター・熊本サンクチュアリ」の看板があった。その唐突さは、熊本に京都大学! というのと同じくらい、「サンクチュアリ」という言葉の一見、意味不明な部分にも関係がありそうだ。

 看板から先、急斜面の山道に入る。バンカンなどの柑橘類の果樹園や山林の間から、時々「サンクチュアリ」の建物群が見える。建物の間にタワーがあるのも確認した。そこに黒っぽい生き物がいないかと、目を凝らす。

 黒っぽい生き物というのは、チンパンジーのことだ。

 チンパンジーというと動物園にいるもの。日本ではそう思われがちだ。でも、ここは動物園ではなく、一般公開もされていない。サンクチュアリというのは「保護施設」という意味合いだ。

 本当に急な坂を登り切ったところに事務棟があった。建物から、平田聡・京都大学野生動物研究センター教授が、作業着姿で出てきて、迎えてくれた。サンクチュアリを拠点に研究活動をしている一線の研究者だ。「チンパンジーの社会的知性」が専門分野だと聞いている。

 しかし、ぼくは、まず素朴な質問をした。

この「サンクチュアリ」って、要するになんなのですか、と。

 本当にいきなり、山の中にポンとあって、地元の人ですら、あれは何だろうとよく分からないのではないか。それが第一印象だったのである。

 平田さんは、柔らかな物腰で答えてくださった。

「それって歴史的なところから言わないと理解していただけないので……まず、民間の医学関連企業で、1978年にチンパンジーを飼育し始めたのがきっかけです。詳しいことは今となっては誰もわからないのですが、たまたまこの山に土地を持っていたようです。特定動物(動物愛護管理法上で指定される危険な動物)ですし、都会の喧騒の中で飼育できる動物でもないので、ちょっと辺鄙なところの方がよかったのでしょう」

医学関連企業とチンパンジー。

 意外な取り合わせに「なぜ?」と思う人もいるだろう。

「医学実験のチンパンジーだったんです。当時、日本の各地で、ウイルスに感染させる実験なんかにチンパンジーが使われていたんです。そうした実験で”使い終わった”チンパンジーを引き取って繁殖させるというのが当初の目的だったそうです。その後、この場所でも、ウイルス感染実験がおこなわれました。その頃の飼育設備の名残が今でもありますが、ちょっともの悲しいですよ。1個体ごとに分けた小さな檻があって、感染実験の都合だけを考えて作っているような部分もあります。でも、その後、その会社が2006年に医学感染実験を廃絶すると方針転換して、できるだけいい環境で余生を送ってもらうための施設ということで『チンパンジー・サンクチュアリ・宇土』になりました。2011年には京都大学に完全に移管されて、今は、京都大学野生動物研究センターの付属施設です。今いるのはチンパンジーが59人とボノボが6人。ボノボはアメリカの動物園から来たんですが、チンパンジーは基本的に日本の医学実験に使われていたものです」

明日に続く・・・・・

【参考資料】 : 熊本サンクチュアリにようこそ (1/2)

Ω・ 京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ 所長(当時) 友永雅己 ・Ω 

熊本の宇土半島の突端近く,有明の穏やかな海に面したところに日本のチンパンジーの15%が暮らす場所がある。1978年にできた 三和化学研究所の 熊本霊長類パークが,「チンパンジー・サンクチュアリ・宇土」として新たなスタートを切ったのが,2007年の4月。それからもう4年半がたった。そして今年(2011年)の8月1日に,この地は,京都大学野生動物研究センターの附属施設「熊本サンクチュアリ(KS)」としてさらに新しい一歩を踏み出すことになった。その歴史や経緯はすでに「ちびっこチンパンジー」などで幾度となく言及されている。そこで,この機会に少し違った視点でこの4年半を振り返ってみたい。

片道5時間の旅 

私自身は,サンクチュアリに4年前に併設された寄附講座「福祉長寿研究部門」の併任教員として,本格的にこの地のチンパンジーたちと関わることになった。2007年8月のことだ。そのころから月1回を目標にして,愛知県の犬山市と熊本県の三角町(今は宇城市)の間を40回弱も往復した。朝の8時過ぎに自宅を出てサンクチユアリに着くのは1時前。約5時間,900kmを超える旅をこんなにも繰り返したのか。優に地球1周を超える距離である。我ながら飽きずにつづけられたものだと思う。その理由は,熊本という土地の魅力とサンクチュアリに暮らすチンパンジーたちの魅力に尽きる。宇土の町の定宿や飲み屋のおかみさんはいつも笑顔で私を迎えてくれるし,犬山に暮らす14人のチンパンジーとはまた異なる表情を見せるサンクチュアリのチンパンジーたちも,彼らの経験してきた過酷な歴史とは裏腹にいつも満面の笑顔(と大量の口に含んだ水)で私を迎えてくれる。

物覚えの悪い准教授  

チンパンジー研究者とはいえ,わずか月に1回1泊2日数時間の滞在では50人を超えるチンパンジーの顔をすべて覚えるのは不可能だ(もしかしたら他の方には簡単なことなのかもしれないが)。この4年間,居室越しの対面場面を利用して細々と実験を続けてきたのだが,飼育員の森さんにお願いして各部屋にいるチンパンジーの名札を張っておいてもらわないと全く個体識別ができなかった。したり顔で「ゴロウ!」などと呼んでいると,飼育員の野上さんに「先生,その子はシロウ!」などと叱られる始末だ。先日など,あるチンパンジーにひととおりあいさつやらグルーミングやらをしてもらった後で,「みょうにこの子は愛想がよくなったなあ」などと飼育員の方を振り返ってつぶやくと,「先生,そいつはベル!」と周りにいた全員に突っ込まれてしまった。ベルというのは私が共同研究をさせていただいている高知県立のいち動物公園から戻ってきた男のチンパンジーなのだが,その時まで本当にこいつがベルだとは気づかなかったのだ。研究者失格なのかもしれない。

・・・・・・・つづく

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森のなかえ

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