ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年07月26日<ⰧⰊⰧ ◆ 米国で奴隷にされていた人々が、晴れて自由の身になって帰郷してリベリアが独立(1847年)。その後の植民地化の嵐、内戦を経ても独立している。 ◆ キューバでカストロがパブロ活動を開始(1953年=キューバ革命の端緒)。 ◆ イラクで自衛隊がいるところが非戦闘地域となる(2003年)。
本日記載附録(ブログ)
ハワイ島のマウナ・ケア山山頂(4,205m)のすばる望遠鏡と並ぶ「ダブル・エース」として
チリのアタカマ砂漠の海抜五千に設置されているアルマ望遠鏡
未知の宇宙空間に穿つ電子観測視点、アルマ電波望遠鏡
このアルマ計画の最初期からかかわり、壮大無限な宇宙空間に対峙する
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
東京大学大学院天文学教育研究センター 銀河天文学 河野孝太郎
=宇宙におけるさまざまな天体の形成や進化、特に、活動的な銀河の形成と進化の過程を解明することに興味を持っています=
河野孝太郎(02/mn)
◇◆第1回 アルマ望遠鏡でブラックホールの謎に挑む/河野孝太郎 =2/2= ◆◇
日常的に接しているもので何か例えるものがないかと考えたのだが、テレビの地上波デジタル放送は数百メガヘルツ、携帯電話が800メガヘルツからせいぜい数ギガヘルツだ。ミリ波・サブミリ波は数10ギガヘルツからテラヘルツの領域なので、地上波デジタル放送や携帯電話の電波に比べても、かなり短い波長(高い周波数)だということになる。
下位の図をみるとさらにイメージしやすいだろうか。
電波の中でも波長の短め(周波数が高め)の部分と、光の中でもわりと波長が長めな赤外線のちょうど間のあたりに波長1センチと10のマイナス2乗センチ(0.01センチ=0.1ミリ)の領域があり、このあたりがミリ波やサブミリ波だ。ちょうど電波と光の境界にある波長ともいえそうだ。
では、このミリ波・サブミリ波での観測にはどういうメリットがあるのだろうか。
「特徴を一口で言うと、天体の元になる材料が見える波長だということなんですね。主に水素分子の冷たいガスや、シリケイト(ケイ酸塩)やグラファイト(黒炭)の塵などでできている『星間物質』と呼ばれるものを観測できるんです」
天体の元になる星間物質を観測できる、というのは、星や銀河のように明るいものではなく、それらの天体のまわりや、それどころか周囲に何もないと思われていたようなところに「何か」を見いだすことができる、ということだ。なぜ、そんなことが可能なのだろうか。
「そういう物質の温度って、絶対温度でせいぜい数ケルビンから数10ケルビンなんです。それくらいのエネルギーのものは、可視光では暗くても、ちょうどミリ波・サブミリ波のあたりで光っています。太陽のように6000ケルビンあると放射のピークが目で見える可視光になるわけですが、数ケルビン、数10ケルビンはもっと波長が長い領域にピークが来るわけです」
高校で物理や地学を学んだ人は、黒体放射(黒体輻射)を覚えているだろうか。温度というのはエネルギーのひとつのあらわれであり、その温度に応じて放射される光(電磁波)の波長は決まっている。そして、天体を作る材料になる物質が宇宙を漂っている数ケルビンから数10ケルビンの状態を見るには、ちょうどミリ波・サブミリ波が適しているということなのである。
「宇宙空間には、さまざまな物質が存在していて、さきほど言った星間物質の基本的なもののほかにも、非常に多様な原子・分子が、ミリ波・サブミリ波帯で観測できます。たとえば、水(H2O)や一酸化炭素(CO)、シアン化水素(HCN)、硫化炭素(CS)などは、我々がよく知っているものですね。ほかにも、ホルミルイオン(HCO+)ですとか、COが乖離して中性の炭素原子(C)として存在する領域もあり、そこから出てくる放射もあります([CI]輝線)。こうした様々な分子を『目印』として、可視光や赤外線ではみえない、濃いガスやダストの中の生まれたばかりの星を探したり、その進化段階を探ったり、というような研究が、今とても注目されているんです。可視光などはダストがあると遮られるんですが、ミリ波・サブミリ波は吸収されずに、ダストの奥まで見渡せるというメリットもあります」
シアン化水素(HCN)などは宇宙生物学でも有機物の起源のひとつとして注目されるので、その方面で知っている人もいるかもしれない。さらには、エチルアルコール(エタノール)のような大型の有機分子も、続々と検出されており、生命の材料につながるアミノ酸を、星間空間に探すという観測研究も今後、行われていくだろうという。
天文学と物理学は常に相補う関係にあるが、そこに化学、生物学などが観測レベルで絡んでくるのがミリ波・サブミリ波で宇宙を見ることの醍醐味のひとつなのかもしれない。
そして、世界最高の観測施設であるアルマは、すでに科学観測を開始し、画期的な成果を挙げ始めている。
最近の大きな成果として河野さんが紹介してくださったのは、星間物質にかかわるものでありつつも、なんと、4500万年光年離れた銀河の中心にある超巨大ブラックホールにまつわる研究だった。
次回は“第2回 大学院生が超巨大ブラックホールで新発見!”に続く・・・・・
【参考資料】 : アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(2/2)
沿革
1980年代に日本天文学会の天体電波研究委員会とアメリカ天文学会の天体電波研究連合が相互別々に精度の高い天体電波研究に関する次世代計画のコンセプトを作り上げた。
アメリカ国立電波天文台では、口径10mアンテナ50台のミリ波干渉計による観測計画と設置場所としてチリのアタカマ高原を提案。アメリカ国立電波天文台では、ヨーロッパ(ヨーロッパ南天天文台:ESO)のチームとカナダの研究者も参加。日本の国立天文台では、口径8mのアンテナ40台のサブミリ波干渉計による観測計画を提案した。
北米、ヨーロッパ、日本の学術機関に所属する技術者及び研究者が国際学会での議論やプロポーザルを実施。1990年代後半には、技術仕様を初めとして設置場所を含めて計画としてまとまった。
装置開発においても、観測機器開発においても、運営計画においても各国が不平等にならないようにするためにALMA合同オフィスをチリに設置。そこに各国の技術者及び研究者が常勤もしくは非常勤で参加し、現在も準備を進めている。
2011年9月にアンテナ16台での初期科学運用が始まった。2013年3月、66基のアンテナのうち59基が可動を始め、開所式が催された。2014年6月16日、アルマ望遠鏡最後のアンテナが山頂施設に到着。この最後のアンテナは、欧州によって開発された直径12mアンテナで、すでに山頂施設に運ばれている欧州製の24台の12mアンテナ、北米製の25台の12mアンテナ、そして日本が開発した16台のアンテナに合流した。
性能
口径12mのアンテナ50台と、日本製のアンテナ16台(口径7m×12台、口径12m×4台、愛称「いざよい(十六夜)」)からなる望遠鏡システム「アタカマコンパクトアレイ(ACA、別名「モリタアレイ」)[5]」の合計66台からなる。ミリ波・サブミリ波領域では世界最大の基線長を誇り、分解能・感度ともに世界一となる。
アメリカ国立電波天文台のVLAや国立天文台野辺山宇宙電波観測所のミリ波干渉計のような移動型の電波干渉計である。VLAや野辺山ミリ波干渉計がレールを敷設しその上を移動する台車でアンテナを運搬するのに対し、ALMAの場合は道路の上をゴムタイヤを履いた台車が移動することでアンテナを運搬する。
ALMA望遠鏡は、16.5kmの範囲に66台のアンテナを配置する。ACAは16台のアンテナをコンパクトに配置し、分解能は低いものの広がった天体構造を高い感度で観測する。一方で50台のアンテナで構成される干渉計は広がった天体構造に対する感度はないが、細かい構造を高分解能で観測する。両者のデータをフーリエ空間上で画像合成することにより、高い感度・高い分解能の双方を備えた信頼性の高い観測結果を得ることができる。
各アンテナには、10の観測周波数帯に対応した10個の受信機が搭載される予定である。このうち国立天文台が3つ、カナダ・米国・オランダ・フランスがひとつずつを担当している。本観測プロジェクトで用いられる開口合成観測時に基準となる観測時刻を刻む原子時計はルビジウム型となった。
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https://youtu.be/9runj5LKYzU?list=RDTn8Udphi6JA ==アルマ望遠鏡 ~宇宙への究極の挑戦~==
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