ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年07月17日<ⰧⰊⰧ ◆ カリフォルニア州に『三っ木さんの国』がオープンする(1955年)。今日では、17番とのだき合わせで日本人が・・・・・ ◆ テレビに来たぞ、我らのウルトラマン(1966年)。 ◆ 3人組のアイドルユニット・キャンディーズが突然、普通の女の子に戻ってしまう(1977年)。- - そげんこっどうでもよか!!? 石原裕次郎が忌日(1987年)でありまする。
本日記載附録(ブログ)
人の耳には聞えていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音
“ハイパーソニック”と言われ、その積極的効果を利用した医療技術の確立に奮闘・傾注
うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学 !!
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 部長 本田学
本田 学(11/mn)
◇◆ 第5回 常識破りの研究が受け入れられるステップについて =2/2= ◆◇
つまり、「正統な実験」では、時間が短すぎて、ハイパーソニック・エフェクトを検出するようにはできていなかったことになる。一方、本田さんらの研究は200秒もの音楽をまるごと一曲提供し、充分なインターバルをとって実験を行ったので、快不快といった報酬系・情動系にかかわる効果を検出できたということだ。
この実に「とんがった」成果について、各界の反応を聞いて回るわけにもいかないのだが、2000年の発表以来、おもしろい反応が現在に至るまで続いている。
「この論文自体、10数年前のものなのに、ずっと読まれて続けているんです。この論文を掲載した脳・神経科学論文誌は、すべての掲載論文をダウンロードできるんですが、ほぼずっとベスト10に入り続けていますし、この前の11月にもまたトップになったという話です。注目されているのはまちがいないと思います」
次々と新しい号が出る論文誌で、特に注目を集める論文でもダウンロードが集中するのはせいぜい数カ月だという。10年以上、ほぼトップ10を守り続けるというのは異例中の異例だそうだ。
では、論文の被引用数はどうか、と気になる。一般に、エポックメイキングな論文は多く引用されるし、引用された回数は研究の質の指標とも考えられているからだ。
「実は、ダウンロードされているわりには、引用数はそれほど多くないんですよ」と本田さん。
「論文が引用されるためには、その限定した領域で関心を持った研究者がほかに出て研究しないといけないわけです。つまり同じ分野の研究をやる研究人口がまだそれほどではない。しかし、この研究に触発されて、音響機器の開発に携わる人たちはもちろん、たとえば住環境やオフィス空間の快適性に関心をもつ人たち、あるいは教育、医療福祉に関わる人たちがいろいろやってるというのはあると思います。実際、そうした方々から頻繁に問い合わせをいただきます」
2000年の論文以来、追試は各所でされてきた。大橋博士や本田さんが直接関係するグループ以外でも再現されているから、結論は補強されつつあると言ってよい。その一方で、従来の短時間の呈示による実験方法で「ハイパーソニック・サウンド」検証をする研究者もいて、それは当然のごとく否定的な結果になった。本田さんの観点からは、これもまた当然のことだ。がっぷり四つに組むような反論というわけではない。
関心はもたれているが、研究人口、研究分野が育つには至っていない状況というのは、二重にも「常識を覆す」内容の研究を、ほかの研究者が咀嚼するのに時間が掛かっているということかもしれない。この状況は、サイエンスのある新興分野が発展していくにあたって、非常に興味深い段階のように思う。
“第6回 なぜ人は「神経神話」を信じてしまうのか”に続く・・・・・
【参考資料】 : 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)「情報医療」の開発(1/4)
◇ 疾病研究第七部の目指すもの ◇
現代社会が直面する大きな問題のひとつに、精神と行動の異常の急増があります。その原因を遺伝的要因だけに求めることは困難であり、脳を取り巻く情報環境の異常が、脳における健全な情報処理を妨げ、さまざまな病理を生み出している可能性を否定することはできません。私たち疾病研究第七部では、脳の情報処理の側面から精神・神経疾患の病態解明と治療法開発を目指す新しい健康・医療戦略〈情報医学・情報医療〉を提唱し、その体系化にむけた基礎研究と臨床研究に取り組んでいます。
◇〈情報医学・情報医療〉とは? ◇
〈情報医学〉という聞き慣れない言葉から、何をイメージするでしょうか。例えばバーチャル・リアリティ技術を用いた遠隔診断や、人工知能による創薬シミュレーションなど、高度情報科学技術を駆使した医学・医療をイメージする人が多いかもしれません。しかし、現在私たちが提唱する〈情報医学〉というフレームワークの中では、生命活動にとっての情報が持つ意味に着目しています。〈生命あるもの〉と単なる物質の寄せ集めとを区別する最大の特徴の一つが、自分と同じコピーをつくるための設計図となる遺伝情報を持っていることです。すなわち、情報とは物質から生命を創り出す上で決定的な要素と言えます。
こうした生命活動と情報とが高度に一体化しているのが脳です。脳は複雑な情報処理によって心を生み出しますが、それを支えているのは神経細胞のつなぎ目(シナプスなど)で行われる化学反応です。私たちの脳では、物質と情報が〈等価性〉を持っていると言えます。「脳における物質と情報の等価性」を踏まえて現代医学における精神・神経疾患へのさまざまなアプローチを眺めてみると、大きく2つのグループに整理することができます。一つは、「脳は化学反応によって働く臓器である」という切り口からアプローチする手法です。これを仮に〈物質医学〉と呼ぶとすると、現代医学の多くは物質医学に属します。もう一つは、「脳は心を生み出す情報処理装置である」という切り口からアプローチする手法です。これを〈情報医学〉と呼び、特に治療法開発に関連した部分を〈情報医療〉と呼ぶことにします。
情報医学・情報医療においては、その母体となった〈情報環境学〉の枠組みに従い、何らかの生体内化学反応に対応づける可能性をもったパターンを〈情報〉と定義することにします。ここで言う生体内化学反応とは、①遺伝子制御を含む代謝調節系の活動、②化学的メッセンジャー系(分子通信系)の活動、③シナプス伝達系の活動、のいずれか、またはそれら2つ以上のあらゆる組合せです。
そして、情報処理によって得られる効果が、これらの生体内化学反応と対応づけて理解し検証することができるものだけを情報医学・情報医療の対象とすることにします。このように情報現象を物質現象に翻訳可能(トランスレータブル)にすることにより、現代医学が物質次元において確立してきた堅牢な客観性や再現性を、情報次元にも導入することが可能になると考えています。
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