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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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=今日の足跡が記録帖 &幕間の狂言_◎ 06月26日(月曜日)=

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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★

◆ 平清盛の気まぐれでエキゾチックな神戸に首都を移す(1180年)が、源頼朝が伊豆半島で暴れ始めたんで数ヶ月で京都に戻る破目に。

◆ ハーメルンで、130人の子供が知らないおじさんについて行っていなくなる(1284年)。

◆ 京都の西陣が応仁の乱以来ずっと軍事基地となっていると思って、米軍が空襲(1945年)。

 ᙡᙢᙡ 幕間の迷言・狂言・毒舌 =  改ざんされたむかしばなし その1/2  = ᙡᙢᙡ

浦島太郎 : 一般に知られるあらすじでは、亀を助けた報恩として浦島太郎が海中に連れて行かれ、龍宮(竜宮)で乙姫らの饗応を受ける。帰郷しようとした浦島太郎は、「開けてはならない」と念を押されつつ玉手箱を渡される。帰り着いた故郷では、龍宮で過ごしたと感じたより遥かに長い年月が経っており、失意の余り玉手箱を開けてしまった浦島太郎は、年老いた鶴、または人間の年寄りに化するというものである。

原作の浦島太郎では、子供からいじめられている亀を浦島太郎が助ける描写などない。原作には浦島太郎が釣りをしていたところ亀を釣り上げ、「お前は長生きする生き物だから、ここで殺すのはもったいない。助けてやろう。この恩を一生忘れるなよ!」と言って亀を解放する、というシーンしかない。

これは現代で言えば「転がってきたベビーカーを止めて赤ん坊を助けた後、『お前はこの先の人生が長いから、助けてやった。この恩を一生忘れるなよ!』と叫ぶ」ことと同義である。もしこのストーリーがそのまま絵本で公開されれば、その影響を受けて育った人々が、「この恩を一生忘れるなよ!」と恒常的に避ける世界が訪れるだろう。控えめに言って地獄である。よって改変は妥当と言えるだろう。

一寸法師 : 子供のない老夫婦が子供を恵んでくださるよう住吉の神に祈ると、老婆に子供ができた。しかし、産まれた子供は身長が一寸(現代のメートル法で3cm)しかなく、何年たっても大きくなることはなかった。子供は一寸法師と名づけられた。ある日、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言い、お椀を船に、箸を櫂(かい)にし、針を刀の代わりに、麦藁を鞘(さや)の代わりに持って旅に出た。

一寸法師は武士になるために自分から京都に赴いたというのが現在広まっている一寸法師だか、原作版では一寸法師を育てた老夫婦は一寸法師のことを化け物だと思っており、そのことを聞いてしまった一寸法師が家を出た、というのがストーリーである。これは背が低いピグミー族や小人症等の人々へのれっきとした差別であり、現代の多様性社会に反しているといえるだろう。そもそも、昔はこの物語のせいで身長が低い人のことを「一寸法師」と称しており(江戸川乱歩の小説などにみられる)、差別用語と化していた歴史がある。

また一寸法師は一目惚れした相手と結婚するためにまずその娘に食料泥棒の濡れ衣を着せ、「俺の食べ物をこいつが盗みやがった」と噓をついた。それを聞いた娘の親がその娘を殺そうとすると、今度は自分がその騒動を収め、二人して家を出ていき結婚した卑怯な策士であり、道徳上問題がある。よって改変は妥当と言えるだろう。

カチカチ山 : 元の話は狸が婆さんをぶち殺して皮をはいで成り済まし、肉を切り刻んで狸汁と偽って爺さんに食わせるというスプラッタすぎる物語であった。老人虐待どころの騒ぎではない! もちろん兎による報復はその婆さんの仇という点では同情すべきであるが、それにしたって背中に放火し、傷口に唐辛子味噌を塗り込んで甚振り、更に泥船に載せて沖で溺れさせたうえ、絶対に浮き上がってこないよう上から櫂で殴って溺殺するというあまりに過剰なものである。

そもそも放火と溺死は全く関係が無い(by柳田理科雄)し、放火で仕留め損ねたから溺殺でトドメ、というのなら唐辛子味噌ではなくトリカブトでも塗り込めばすぐに片付いた話である。ことここに至れば復讐に名を借りた私怨による暴力、虐めの助長にほかならず、いかな害獣とはいえ動物虐待であろう。ロブスターを殺さずに煮ることが違法になるような時代に、このような動物虐待表現はいかがなものであろうか。

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