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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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研究は戦争を止められない!!/廣瀬陽子(10/nx) _学究達=474

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年06月08日<ⰧⰊⰧ ◆ 福島競馬場で出走した全ての馬に大珍事 (1929年)。史上唯一の全頭落馬による不成立レースが発生。◆ 彼方此方で炎上しまくりの日本が、本土決戦に備えて草木や石までも根こそぎ動員を決定(1945年= 御前会議で本土決戦を決定=)。◆ 史上初、ミサイルで郵便物を届ける暴挙快挙をアメリカが実行(1959年)。&so、他国には知られては拙い内輪話を遣り取りするため、米ソ首脳の間に直通の電話線が出来る(1967年)。

本日記載附録(ブログ)

ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作

日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ

=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=

研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

廣瀬陽子(10/nx)

◇◆ 第4回 米ロ双方が支援する未承認国家「ナゴルノ・カラバフ」の理由 =1/2= ◆◇

 未承認国家に着目して、2022年時点のロシアによるウクライナ侵攻まで見通すための起点として、まず廣瀬さんが拠点にしたアゼルバイジャン共和国が抱える未承認国家「ナゴルノ・カラバフ共和国」がとのように成立したか見た。今回は、引き続いてその経緯を確認した上で、さらに先に進む。

 かつて、日本に入ってくるナゴルノ・カラバフ紛争にまつわる情報は、ほとんど欧米経由で、その場合、ほぼアルメニア側の主張が採用されていたと前回書いた。

 その理由はというと、アルメニア側が、アゼルバイジャン側に対して、はるかに情報発信に長けていたからだという。その鍵となっているのが「アルメニア人ディアスポラ」だ。

「ディアスポラというのは、世界中に離散したユダヤ人のことをもともと指しますが、ユダヤ人以外でも、自国の外で暮らす人たちをそう呼ぶことがあります。アルメニア人ディアスポラもそうで、本国にいるアルメニア人が300万人ほどなのに対して、その倍以上が世界各国に散っているんです。彼らは多言語で発信するのに長けています。英語やフランス語でばんばん発信します。今は、英語が堪能なアゼルバイジャン人も増え、またSNSなどで情報発信も容易になりましたから、アゼルバイジャンからの情報も増えていますが、かつて、日本で見られたナゴルノ・カラバフ関連の情報は大体英語の翻訳だったんですよ。だから、アルメニア人がかわいそうで、アゼルバイジャン人はひどいという内容になっていきます。一方、当時のアゼルバイジャン人は、アゼルバイジャン語と、せいぜいロシア語でしか発信できなかったのですよね。わたしがアゼルバイジャンに留学したのも、現地の言葉を学んで、直接、生の情報に触れたいと思ったこともあるんです」

 そのような強力なディアスポラの存在は、ガス田や油田のような天然資源のないアルメニアにとって、大きな力となっている。アルメニアもナゴルノ・カラバフも、国外にいる同胞からの直接間接の支援にかなり助けられてきた。それは金銭的なことに留まらず、アルメニア人ディアスポラが、それぞれの居住国の政府に対して行うロビー活動を通じて得る利得も含まれている。

「アルメニア人ディアスポラは世界中にいて、商才に長けていて、大金持ちも多く、特にアメリカだとかなりの票田を持っているわけです。そこで、アメリカの政治家はとても気を遣っていて、その力の大きさといったら、アルメニア・ロビーに対抗する形でイスラエル・ロビーとオイル・ロビーが組んでかかっても勝てないほどと言われています。  ひとつ具体的に言いますと、アメリカ議会は、アルメニア・ロビーの圧力で、『アゼルバイジャンに対して人道支援以外の経済支援を一切行わない』という制裁法(自由支援法 S.907)を1992年に通しました。その後、その時々の大統領がこの法律を撤廃しようとしたんですが、アルメニア・ロビーの抵抗で果たせませんでした。2001年の同時多発テロ以降は、対テロ戦のためにイランと国境を接したアゼルバイジャンの協力が不可欠なため、この法律を、1年間の『時限的無効』を毎年延長することで事実上無効化し、同時にアルメニアの顔を立てるという方法に落ち着きました」

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

【参考資料】 : 座談会:ウクライナ侵攻後 世界はどう変わるのか(3/4)

Ω・Ω・Ω 大串 敦/ 細谷 雄一/ 森 聡/ 神保 謙/ 加茂 具樹 Ω・Ω・Ω

19世紀的な国際秩序観との対決

加茂 ロシア側からの侵攻目的の説明がありましたが、ヨーロッパの視点から、細谷さんいかがでしょうか。

細谷 私はちょうど先週ポーランドに行き、ポーランドの国際政治学者およびロシア専門家の方々と意見交換をし、貴重な意見を伺うことができました。また、8年前に開設されたワルシャワ蜂起博物館にも行き、その壮絶な歴史を学んできました。

ワルシャワ蜂起前のワルシャワの人口は130万人だったのですが、蜂起後の人口は9000人に減っています。つまり129万人が亡くなるか、避難している。誰によって殺戮されたかといえば、ロシア軍とドイツ軍です。最初に独ソ不可侵条約によって東側からソ連が攻め込みポーランド東部は侵攻され、その後、独ソ戦が始まってナチスドイツが支配したわけです。

今回のロシアによるキーウの包囲と攻撃で、最初に多くのポーランドの人が思い出したのはこの第二次大戦下のワルシャワでの経験のようです。つまりいずれキーウも、ワルシャワのように徹底的に破壊されるだろうと、多くの人たちが想定していた。しかし、そうならなかったことにポーランドの人が驚いている。つまり思った以上にウクライナが抵抗し、そして思った以上にロシアの作戦が上手くいっていない。

しかし、ポーランドの研究者の意見が一致したのが、「ロシアは容赦がない」という点です。つまり、これで簡単にプーチンが軍事作戦をやめるとは思えない。おそらく再びキーウを攻撃して破壊するだろうと。

伝統的にロシアはポーランドやウクライナに傀儡政権をつくり、そこを自らの勢力圏にする。さらにはそれに抵抗する勢力は容赦なくつぶす。この背後には、ロシアの中でウクライナやポーランドを「国家」と見ていないということがあると思います。

プーチン大統領ははっきりと「ウクライナはそもそも国家ではない」と言ったわけですが、私はこれは19世紀的な国際秩序観だと考えます。つまり、大国支配により国際秩序をつくり、小国はあくまでも大国の意向によって生存が決まっていく。大国が「生存してもいい」と言えば生存できるし、そうでなければ、軍事力によって支配し、自らに従順な傀儡政権をつくる。

この19世紀的な、大国主義的なパワー・ポリティクスの秩序観が一方においてある。そして、一方でわれわれは20世紀において、小国であっても主権国家として生存する権利があるという規範を守ってきた。これが国際連盟の連盟規約であり、また国連憲章の基本的な原理です。自決権さらには主権国家、主権平等の原理によって主権国家が生存する権利を得て、それに対して侵略した国に対しては、集団安全保障によって制裁を加えるというのが、基本的に20世紀の国際秩序の根幹だったと思うのです。

それゆえ、今回の戦争を「ロシアとウクライナの戦争」として見てはいけないのではないか、というのが私の考えです。つまり19世紀的な、大国主導によるパワー・ポリティクスの国際秩序観と、20世紀に発展したリベラルな国際秩序を擁護する立場との対立であると見るべきではないか。したがってウクライナはアメリカの傀儡で、この戦争はアメリカとロシアの対立なのだという見立ては、典型的な19世紀的な世界観の陥穽なのです。

それはロシアから見える国際秩序観で、つまり、その秩序観をわれわれは容認すべきでない。そうではなくて、ウクライナには自決権があり、自らの意志でロシアに抵抗して戦って、主権国家として生存する権利を求めているということです。なので、アメリカの傀儡国家だと言った瞬間にプーチン的な、19世紀的な国際秩序観を擁護することになってしまうと思います。

ですから、岸田総理が侵攻の翌日に、すぐに「国際秩序の根幹を揺るがす行為である」と述べたのは正しい発言だと思います。つまりこれはロシアとウクライナの二国間の戦争ではない。国際秩序の原理をめぐる対立なのです。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

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https://youtu.be/ED76ZrCWCqo  == ウクライナ侵攻1年 アメリカが描く戦争終結のシナリオ ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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