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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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研究は戦争を止められない!!/廣瀬陽子(09/nx) _学究達=473

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年06月07日<ⰧⰊⰧ ◆ 誕生花は薔薇。花言葉は「燃えるような愛」でも「甘いひと時」でもなく「嫉妬」「薄れ行く愛」だったりする。更には、“むち打ち治療の日”……交通事故は後を絶たない。  ◆ カトリック諸国の商船を襲っては暴利を貪っていた海賊の本拠地に天罰が下る(1692年=ジャマイカのポート・ロイヤルで大地震=)。  ◆ 多摩川の河川敷を使って日本初の珍走チャンピョンシップが開かれ、ホンダのオヤジやNISSAN財閥のオーナーもエントリーするが散々な結果に終わる(1937年)。

本日記載附録(ブログ)

ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作

日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ

=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=

研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

廣瀬陽子(09/nx)

◇◆ 第3回 ナゴルノ・カラバフ紛争と「旧ソ連の戦争の中身」 =4/4= ◆◇

 今回、2022年のロシアのウクライナ侵攻では、2つの親ロシア派の未承認国家「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」において、ウクライナの「ネオナチ」が両「人民共和国」の住民を虐殺しているという、「ロシアにとっての事実」が、侵攻の理由の一つとされたことを思い出そう。しかし、侵攻を受けたウクライナ側としては、それらは事実無根で、いわれなき侵略戦争を仕掛けられた、ということになる。「それぞれの真実」が、積み重なり続けており、その行き着く先は今も見えない。

 一方、20世紀末のナゴルノ・カラバフ紛争においては、ロシアの支援を得たアルメニアが、アゼルバイジャンを圧倒することとなった。1994年、ロシアの仲介でまとまった停戦の時点で、アゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフ地域だけでなくその周囲の緩衝地帯も含めて、国土の20%を実効支配されることになった。廣瀬さんがアゼルバイジャンに滞在した2000年は、時々、小競り合いがありながらも、停戦が続いていた時期だ。

「聞き取りをしていて、あまりに互いに違うことを言うものだから、こちらは『精神分裂』しちゃうんじゃないかということもありました。あと、戦争の話をアゼルバイジャン側で聞き取ると、必ずみんな、いかに自分たちがひどい目に遭ったか滔々と語りながら、写真を見せてくれるんです。それが、ひどいものばっかりなんですよね。アルメニア人が遺体を愚弄するということで、死んでいるのに切り刻んだり、目をくり抜いたり、舌を抜いたりとか。あと、金歯を全部抜いて、お金に変えたりということもあったようです。そういうむごたらしい状況を記録していて、アルメニアを許せないと。日本でもどんどん伝えてくれと言われるわけですが、それでも研究者は中立でなければ、という信念を貫く必要がありました」

 このようなエピソードも、やはり、今、話を聴いている2022年の時点では、ロシアとウクライナがそれぞれに語る「物語」に寄せて理解せざるをえない。陥落したウクライナの都市で起きたことをウクライナ側が語ることと、ロシア側で語られることは、おそらくまったく別のストーリーだ。

 ちなみに、近年はアゼルバイジャン人にも英語に堪能な人が増え、またソーシャルメディアなどで積極的に情報発信をするようになっているが、かつて、日本に入ってくるナゴルノ・カラバフ紛争にまつわる情報は、ほとんど欧米経由だった。そして、その場合、ほぼアルメニア側の主張が採用された。アルメニアは、欧米諸国に多くの移民を送り出しており(アルメニア人ディアスポラ)、英語やフランス語での情報発信や、各国でのロビー活動に長けているからだという。

 だから、廣瀬さんがアゼルバイジャンで聞き取った別の立場からの主張は、ともすれは「アゼルバイジャン寄りの主張」と受け取られがちだった。にもかかわらず、中立である研究者の立場から、必ずしもアゼルバイジャンに都合がよいことばかりを語るわけでもないので、「なぜ自分たちの味方をしてくれないのか」というような反応をされることもあるという。

 いや、それ以前に、アゼルバイジャンにおいても、当然ながら、すべての意見が一致しているわけではないのである。

「当時、わたしのテーマとしては、停戦をいかに本当の終戦に導けるのか、和平案みたいなものを重点的に考えていたんですけど、結局いいものが自分で出せたわけではありませんでした。聞けば聞くほどいろんな方がいろんなことをおっしゃって、考えれば考えるほど混乱させられました。今度のウクライナ戦争の解決策にもつながってくると思いますが、例えばアゼルバイジャンは領土をあきらめるべきだという人も、アゼルバイジャンにいるんですね。あきらめて、一刻も早く健全な地域の経済活動を取り戻したほうが国益にかなうと。他方で、『どれだけ同胞の血が流れたんだ。1ミリたりともアルメニアに渡してはいけない』という人もいるわけです」

 こういった状況は、決着がつかないまま停戦する「凍結された紛争」の形で引き延ばされて、21世紀になっても続いていく。

次回は“第4回 米ロ双方が支援する未承認国家「ナゴルノ・カラバフ」の理由”に続く・・・・・

【参考資料】 : 座談会:ウクライナ侵攻後 世界はどう変わるのか(2/4)

Ω・Ω・Ω 大串 敦/ 細谷 雄一/ 森 聡/ 神保 謙/ 加茂 具樹 Ω・Ω・Ω

大串 ロシアがなぜこのような侵攻をしたのか。ご案内の通り、ロシアが公式の戦争目的として掲げたのが、ウクライナをNATOに入れさせないということ、ウクライナを非軍事化する、ウクライナを非ナチ化する。それからいわゆるドネツク、ルガンスクの人民共和国の保護、そしてウクライナ国内にいるロシア人の保護あたりが公式の戦争の目的と言えると思います。

ロシアはウクライナに対する執着が非常に強かったというのは、プーチン自身の頭の中でロシア人とウクライナ人というのは、もともと文化的にも近しく、一体なものだという考え方に基づいています。それゆえにNATOという、プーチンから見たら反ロシアに類する軍事同盟に入るのはけしからんと思ったのだと思います。

さらにウクライナを非軍事化し、ロシアに歯向かわないようにするということはさしあたり理解はできる。しかし、よく何を言っているのかわからないと言われるのが「非ナチ化」です。

2014年のマイダン[キーウの独立広場]での政変以降、ネオナチと言うかどうかは別にして、ウクライナ国内で民族主義的な傾向が強まったのは事実なんですね。特にヤヌコヴィチ政権を倒す時にかなり急進的な民族主義者が活動して暴力行為が行われました。

私は2014年の3月にキーウとドネツク州に入っていますが、その時に右派セクターといわれている急進民族主義的な若者の集団がロシアではすごく報道されていました。「こいつらはネオナチだ」と言われていたわけですが、相当程度彼らが活動した。ただロシアの報道には誇張があったと思います。

私はその時、ウクライナの有識者に、「右派セクターってそもそも何者?」と聞いたら、その人はマイダン派の学者だったので、「あれはロシアのプロパガンダだ、信用するな。フットボールのサポーター連中だ」みたいなことを言うわけです。

その時、私はフットボールのサポーター連中という言葉の文脈がよくわからなかったのですが、世界各国の強烈なフットボールサポーター集団というのは、フットボールの遠征に付いていって、現地のサポーターの連中と武装闘争を繰り広げる、ある種のギャング集団みたいな感じなんですね。彼らが実際、マイダンの政変が暴力化していく過程で活動したのは事実です。

さらにその後のドンバスの戦争で、彼らがロシアに対してかなり戦果を挙げた。ウクライナの一般市民からは、暴力的だったので当初評判がよくなかったのですが、対ロシア戦争で活躍したので、ある種のヒーローに祭り上げられ、彼らの暴力行使を許してしまう風潮となったのも事実と思います。

その中にはバンデラ主義者と言われている人たちもいます。バンデラというのは、第二次大戦の最中にウクライナ独立運動を指導したウクライナナショナリストで、非常に反ユダヤ的な傾向と反ポーランド的な傾向が強かった。この人たちはナチスが入ってきた時にユダヤ人虐殺にも協力していますし、ポーランド人も虐殺している。その後は、ソ連軍に対しても戦闘している。そして、今のウクライナの民族主義的な人たちの中にはバンデラ主義者がある程度潜んでいるのは確かです。

さらに、マリウポリで最後まで戦ったアゾフ大隊。2014年にウクライナ側がマリウポリを奪還する時に中心となったのが、この民族主義的な人たちだったわけですね。だから、今回ロシアがマリウポリで殲滅作戦的なことをやった理由の1つは、おそらくそれがあると思います。

ウクライナ側は、アゾフ大隊を国軍化する際には思想調査をやって、過激なネオナチと言われる連中は全部排除したと言っています。しかし、戦争前、ウクライナ国内でそうした過激な民族主義的傾向が強まっていたのは確かです。もちろん、だから戦争をやっていいわけではなく、それを理由に戦争をするというのはおかしいのですが、ロシア側としてはそれを戦争の理由にしてしまったということですね。

ロシアが「非ナチ化」と言っているのは、そうしたいわゆる民族主義的な人たちを排除するという意味です。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

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https://youtu.be/gSMIdrNlX0g  ==係争地ナゴルノカラバフで新たな緊張(2022年8月)==

 

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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