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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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研究は戦争を止められない!!/廣瀬陽子(08/nx) _学究達=472

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年06月05日<ⰧⰊⰧ ◆ 6月に結婚を挙げる花嫁は幸せになるそうだが、6月5日は婿の日にしてろうごの日。話は別だが元帥追憶の日=1934年-東郷平八郎、1943年-山本五十六=である。◆ イギリスの陸軍大臣が、敵による美人局に遭ったばかりに政治家生命を終了させられることに(1963年=プロヒューモ事件=)。◆ イスラエルがエジプトに不意打ちを食らわし、僅か6日間で植民地を戦争前の4倍にまで増やす(1967年=第三次中東戦争=)。

本日記載附録(ブログ)

ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作

日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ

=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=

研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

廣瀬陽子(08/nx)

◇◆ 第3回 ナゴルノ・カラバフ紛争と「旧ソ連の戦争の中身」 =3/4= ◆◇

 例えば、廣瀬さんが仲良くしていた友人のアゼルバイジャン人がスムガイト出身で、その人物の証言によると「虐殺」が起きる数日前、いったん引っ越していなくなっていたアルメニア人がどんどん戻ってきて、「近いうちに大きな事があるから」というふうに言ったり、アルメニア人たちが不自然に銀行からお金を大量に下ろすなど、「怪しい」ことが起きていたという。

「事件の直前に近くの収監施設からたくさんの囚人が釈放されていたとも言われているんですね。そして、実際の事件は、アルメニア人の若い男性がアルメニア人の若い女性をレイプして大騒ぎになったところから始まって、いつの間にかアルメニア人とアゼルバイジャン人の喧嘩になってしまったというんです。亡くなった26人も全員がアルメニア人というわけではなく、アゼルバイジャン人も6人含まれていて、殺した側には数日前に戻ってきたアルメニア人や、釈放された囚人がかなり入っていたと。でも、結局、全部アゼルバイジャン人がやったことになったために、こちらに悪のレッテルが張り付いて、不幸の連鎖が始まったと言うんです。これは滞在中何度も別の人たちから同じことを聞かされました」

 一方、アルメニアを訪ねて聞き取り調査をすると、今度は正反対の物語を聞かされることになる。

「アルメニアの人たちは、わたしたちは何にもしてないと言うわけです。ただし、アゼルバイジャンで聞くような、なぜそうなったかという詳細はありません。そして、我々はいつもテュルクにやられる、というんです。テュルクというのは、トルコ系の人たちのことをテュルクっていうんですけど、要するにアルメニア人から見ると、アゼルバイジャン人もトルコ人も同じなんです。で、いつもテュルクにやられてきたって……」

 ちなみに、アルメニアがトルコに痛い目にあってきたというのは歴史的な「事実」で、19世紀末から20世紀初頭に、オスマン・トルコ帝国が「アルメニア人大虐殺」と呼ばれる非常に残虐な行為を行ったことが知られている。アルメニアは、この件について、トルコに謝罪を求め続けているが、トルコは組織的な関与を認めていない。いずれにせよ、アゼルバイジャン人は、その時の「テュルク」とは別なはずなのだが、アルメニアの人たちは同一視して、「またやられた」というふうに捉えるのだという。

 これらはどこかで聞いたことがあるような話ではないだろうか。近隣に住む2つの民族があって、同じ事件について、違う解釈がなされて、それぞれにとっての「正しいこと」になるという事例だ。そして、このはじまりのスムガイト事件の後、様々な「事件」が積み重なり、紛争史はもう、概略を述べるだけでも一冊の本では足りないくらいの経緯を経てしまった。その中で多くの血が流れ、その都度、相互に違う物語から語られてきた。

「どれだけ本当なのかわかりませんし、どちらが正しいことを言っているのかもわかりません。深刻なのは、多分、それがもはや事実であろうが、事実でなかろうが関係ないんですよね。人々がそう思ってしまっているから、現実としてあったことになっているわけです。陰謀説が出て、それを結構な人が信じているというだけで、もう、それは事実以上の意味を持ってしまいます。

    仮に、それが事実として生じていなかったとしても、関係する誰かにとって『真実』であれば、陰謀説的なことでもなかったことにはできず、交渉を行うにしても、陰謀的なことがあったことが前提となってしまいます。そこには、多くの誤解もあることと思います。しかし、そもそも互いに陰謀論や誤解を認めたら交渉が成立するわけもないんです。ナゴルノ・カラバフにおけるアルメニア人の行動は、『アルメニア人大虐殺』の復讐だとの見方もあるくらい、憎悪は負の連鎖を経て大きくなっていきました。そして、こういう現象は、多分、多かれ少なかれ、全ての旧ソ連の戦争で見られるのだと思います」

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

【参考資料】 : 座談会:ウクライナ侵攻後 世界はどう変わるのか(1/4)

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大串 敦(おおぐし あつし)/ 慶應義塾大学法学部教授 ;  1996年獨協大学法学部卒業。2005年グラスゴー大学大学院政治学専攻修了(PhD in Politics)。13年慶應義塾大学法学部准教授。20年より現職。専門はロシアを中心とした旧ソ連諸国の政治。

細谷 雄一(ほそや ゆういち)/ 慶應義塾大学法学部教授 ;  塾員(1997法修、2000法博)。1994年立教大学法学部卒業。96年バーミンガム大学大学院国際学研究科修士課程修了。博士(法学)。慶應義塾大学法学部助教授を経て11年より現職。専門は外交史、国際政治学。

森 聡(もり さとる)/ 慶應義塾大学法学部教授 ;  1997年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。外務省勤務を経て2007年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。法政大学法学部教授を経て22年より現職。専門はアメリカの外交・安全保障、現代国際政治。

神保 謙(じんぼ けん)/ 慶應義塾大学総合政策学部教授 ;  塾員(1996総、2004政・メ博)。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学総合政策学部専任講師、准教授を経て2018年より現職。専門は国際安全保障論、アジア太平洋の安全保障。

加茂 具樹(司会)(かも ともき)/ 慶應義塾大学総合政策学部長、同教授  ;  塾員(1995総、2001政・メ博)。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学法学部准教授、同総合政策学部准教授等を経て、2015年同教授。21年同学部長。専門は現代中国政治。

 Ω・Ω・Ω

ロシアの「侵攻」の目的

加茂 この特集座談会は、当初、私たちの同僚の中山俊宏先生が司会となって進めることが予定されていました。しかし、大変残念なことに中山先生が5月1日に急逝されました。あらためて、中山先生に哀悼の意を表したいと思います。

さて、2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まってから3カ月がたちました。今日は、あらためてその侵攻が国際秩序に与えた意味を考え、国際秩序のゆくえを展望したいと思います。

まずは、侵攻から3カ月たった現状をどう見るのかというところから議論していきたいと思います。なぜこのような事態に至ったのか、この侵攻が起きないようにするためにどうすべきだったのかが、これからを考える上で重要な論点なのかなと思います。ロシアがご専門の大串さんいかがでしょうか。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

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https://youtu.be/5EcQdP88qJc ==ナゴルノカラバフを巡る争いの歴史を解説==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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