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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(21/nx)_学究達=455

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月14日<ⰧⰊⰧ

◆ 碁石の日。だがサブカル大辞典のウィキペディア5月14日には、フィクションでの出来事には詳しくても碁石の日については触れられていない。碁石が砂浜一面に敷き詰められている海岸を擁する岩手県大船渡市がこの日の存在を知らしめようと躍起なのに。 ◆ 4歳のガキがフランスの国王に。分別が解る年頃になるまでローマ教皇から派遣されたお守り役が実務を担うことに (1610年) 。 ◆ パレスチナに居座っていたユダヤ人が勝手に国を創ったので、周りのアラブ諸国がタコ殴りするものの逆に返り討ちの目に遭うばかりか土地を余計に奪われる破目に (1948年=イスラエルが建国を宣言) 。

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

番外編“サハラ砂漠の華麗なムシたち”

前野ウルド浩太郎(21) ◇◆ 番外編 ;サハラ砂漠の華麗なムシたち ヒヨケムシ編 ◆◇

 本編では紹介できなかった、サバクトビバッタ以外のムシたちとの出会いを。ついに最終回!

ヒヨケムシ

 最後に紹介するのは、インパクトとしてサバクトビバッタに匹敵する強烈なやつだ。

 ヒヨケムシ、と単に字面だけではひ弱なイメージを抱く。しかし、どう猛な肉食で、異形の生物。

 英語ではキャメルスパイダー。湾岸戦争の時に、砂漠でこいつと出会った米兵が「うぎゃー、きっしょくわりいぃぃ!」と叫んだという逸話(本当かしらないが)からも分かる通り、その姿形は、どうも地球生物の範疇をどこかではみ出している。

 昆虫ではない。スパイダーといっても、蜘蛛でもない。別の何者かだ。おまけに頭から尻の先まで優に5センチはあり、脚も長いから非常に大きい。体の質感は、カマドウマ的か。

 いったいどんな生き物なんですか、前野さん。

「夜に活発的に動いて、日中はほとんど見かけることはない、まさにその『日』を避けて出てくる虫っていうところから、ヒヨケムシと呼んでいると思います。で、肉食。バッタなんかもよく食べてますけども、その時の動きがキモイ! 顎が2列あるんスけど、それが交互にこう動いて、地球のムシの顎の動きじゃないッス」

それこそ、腐海に住む生き物のようなのだとか。残念ながら、ぼくは捕食シーンには出会うことはなかったのでその異様さは分からない。もっとも、頭頂部についている目が、よくよく見ると左右別方向をむいていて、それぞれGoogleカメラみたいな雰囲気でもあり、なにげにハイテクな雰囲気を感じてしまっていた。腐海の生物とはまた違う方向性ではあるが、異色なのである。

それに加えて、ぼくがなにか変な模様と質感だなあと思って撮っておいた接写写真が後で、大きな物議を醸すことになる。

 腹部の写真を拡大すると……これなに? というものがはっきりと映し出されていた。

「これは謎すぎますね」と前野さん。「こんなにパンパンになってるのは見たことないし、このボツボツしたのは、卵みたいに見えるし、いったいなんなんッスか!」

 たしかに、そのヒヨケムシの腹部はパンパンで、変な模様に見えたのは、小さな卵がぎっしりつまっているかのような構造が透けて見えていのだ。キモい! しかし、興味深い!

 ネットで調べると「ヒヨケムシは体内である程度子どもを大きくする」みたいな記述があるが、本当かどうか確証はない。前野さんもヒヨケムシの専門家ではないので、この腹のブツブツが本当になになのかははっきりとは分からない。しかし、あまりに目をキラキラ輝かせ「すげー」を連発するものだから、聞いてみた。

「ヒヨケムシを研究対象にするのは、将来的にはありえないんですか」と。

「超やりたいッスね」前野さんは即答した。「砂漠の昆虫学はものすごく面白くて、みんなそれぞれ、過酷な環境を生きのびるための工夫をいっぱいしてるので、どれをやっても面白いと思います。正直、サバクトビバッタの研究をしていて一番困るのは他の虫からの誘惑ッス」

 今後、もしも、前野さんがサハラ砂漠で、ファーブル先生よろしくあらゆるムシに研究の対象を広げたら……想像すると楽しい。今にもまして、「すげー、すげー」が砂漠に響き渡ることになるだろう。そして、今そこで、これを読んで「すげー」を共有しくれているあなた。特に若い人。こんな魅惑的、蠱惑的なムシたちを、前野さんに全部、やられちゃっていいの? と煽ってみたくもなるのだった。

・・・終わり

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

奪われた成果―バッタ博士を襲う黒い影 / 2_「砂漠からの使者」が教えてくれたこと

ハ郎はエサをおねだりしに自分にすり寄ってくるのですが、悲しいかな、そのハリが邪魔をして抱きしめてあげることができません。代わりにサンダルで軽くタッチすると喜びます。きっとハ郎は誰からも抱きしめてもらえずに寂しい人生を歩んできたので、こんなにも誰かにスキンシップしてもらえるのは初めてで刺激的なのでしょう。「なぁ、ハ郎。オレも一人なんだ」。寂しいもの同士、すっかり仲良くなりました。

ゴミダマの観察を通して、自然界というところは、実験室では想定できないことがたくさん起きていることを改めて思い知らされました。

今回の出来事を研究所のババ所長に報告したところ、所長からクイズを出されました。

ババ所長「問題です。電線に小鳥が5羽止まっています。お前の銃には弾が3発。さぁ、何匹仕留められますか?」

前野「3羽ッスよね?」

ババ所長「ノン! 正解は1羽。他の鳥は1発目の銃声を聞いたら逃げるだろ。いいか、コータロー。これが自然だ。自然は単なる数学じゃ説明できないのだよ。ガッハッハ」

前野「あぁぁ、所長ぉぉ」

以前の自分も含め、大勢の若い研究者たちはパソコンの前で、オフィスの中で研究しています。自然を理解せずに生物学を勉強することがどれだけ多くの危険に満ちているのか、気をつけなければならないと強く思いました。ハ郎は私に自然の大切さを教えに来てくれた砂漠からの使者だったのです。

そして、私は夜中に2時間おきに起きる、ハ郎をサンダルで愛撫する、といった地味な困難を乗り越え、ゴミダマが夜行性であることを実証するデータの収集に成功し、夜にゴミダマを数えなければ殺虫剤による環境汚染の程度を評価できないことを明らかにしたのです。

“相棒は「音速の貴公子」 / 1_研究所ナンバーワンの腕前”に続く

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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