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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(12/nx)_学究達=446

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月02日<ⰧⰊⰧ ◆ 電波三法が公布され、電波どもが大量に生まれるきっかけに(1950年)。  ◆ 老人性猜疑心が日常化、病的な言動が激しくなった毛老人が百花斉放百家争鳴を提唱(1956年)。後日 賛同した面々が失脚・追放・・・・  ◆ 近鉄バファローズに愛想尽かしをしてアメリカに逃げ出したドクターK、大リーグへ再就職(1995年)。喝采をあびる。 本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う

前野ウルド浩太郎(12) ◇◆ 第4回 バッタ博士、モーリタニアへ旅立つ =3/3= ◆◇

 論文のタイトルは「サバクトビバッタ群生相幼虫の、植物のサイズに依存的な逃避行動」といったもので、昆虫の行動学の専門誌に発表された。

 最初の調査旅行で、いきなり論文を2報! なんと欲張りで、また、充実したフィールドワークであることか! 別に「論文のための論文」ではなく、現場で感じた疑問を、そのまま検証すべき仮説として組み直し、仮説が正しいか正しくないか確かめる方法を考えて実践する。まさに、原初的なフィールドワークの仕事なのだ。

 ふと不思議に思ったのは、前野さんが、それ以前には、アカデミックな意味でのフィールドでの訓練をそれほど受けていないことだ。それなのに、ごく自然に、フィールドワークをして、きちんと論文に出来てしまうあたり、どうなのだろうか。直接、質問してみた。

「ぶっつけ本番がサハラ砂漠ですから、自分でも、最初びびっていたんですけども、やっぱり現地でバッタを見ると、すごいいろんな疑問がどんどんわいてくるんです。疑問にこたえるために、どんな実験をして、どんなデータをとればいいかという、お決まりパターンみたいなのがあります。いわゆる研究のお約束事みたいなものですね。自分はまだまだ未熟ですけども、優秀な先生たちに教えてもらったおかげでなんとかなっているんだと思います。特に砂漠に来ると、ネットもつながらないし、文献とか何もないので自分で全部その場でやらなければなりません」

 実験室だと、厳密に条件を整えた、「きれいな」実験ができる。その場で思いついたらすぐ行わねばならない昆虫のフィールドワークとは一線を画すると思いきや、実は「研究のお約束ごと」というのはかなり普遍的でもある。何かを確かめたいなら、その現象を見るのと同時に対照となるものを見なければ比較しようがないとか、はっきりした結論を言うためには最低限どれくらいのサンプルサイズが必要とか、そのようなことは、考えてみれば共通なのである。

「今まで、生き物のフィールドワーカーの人たちの本なんかを読んで、すごい大変なんだなと思ってたんですけども、実際に自分がフィールドワークをして分かったのは、フィールドワーク最高! 自分、実験室も好きですけど、フィールドワークもすごく楽しいじゃないかって(笑)。過酷っていうのは、体力的なこととか、悲惨な生活とか、あるのかもしれないですけども、研究者として力試しができるし、やりたいことに100パーセント没頭できるフィールドワークは、最高の贅沢だと思いました」

 このように順風満帆なフィールドライフを開始したと思いきや、いきなり、大きな壁が立ちはだかった。

 前野さんが砂漠でバッタを見ることができたのは、最初の2カ月だけで、その後、モーリタニアは建国(1961年)以来という大干ばつになり、砂漠からバッタが姿を消してしまった。「300キロ離れたところで、5メートル歩くと3匹バッタがいたぞっていう情報を入手して行ったら、5キロ歩いて1匹いたくらいでした」というほど、バッタが消えてしまったのである。研究者としては大変つらいことになってしまった。

 結局、2011年5月に行ったフィールド調査以来、次に前野さんが大量の調査対象と出会うのは、2012年の秋を待たねばならなかった。ぼくは2012年の早い時期に、前野さんに連絡し、機会があればぜひ訪問させていただきたい旨、伝えてやりとりをしていたのだが、「今年はバッタが出そうにありません」と力ないメールが届きその年は断念した。

次回は“第5回 バッタとバッタ博士といたサハラ砂漠の「幸せ」な時間について”に続く・・・・・

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

“史上最大の現場”=3= / 希望という名の雨が降る 2/2

この作戦は、巨大な敵に挑むときに効果的であることは実証済みだ。湘北高校が高校バスケット界の王者・山王工業(秋田代表)に挑む際、最初に大技を炸裂させて、「おやちょっと違う。あれ、違うぞ」と思わせ、番狂わせを狙った安西先生の奇襲作戦という例がある。

チャンスはアフリカ到着3日後に訪れた。5日間の野外調査で論文2報、すなわち生態に関する新発見を2つ成し遂げることができた。ババ所長が職員たちに「コータローは普通の博士が1年かけてやることをたった数日で成し遂げたサバクトビバッタのスペシャリストだ」と説明してくれたおかげで、みんなが期待してくれるようになった。

私が野外調査にこだわるのは、白熱できるだけではなく、バッタの大発生を阻止する重要な新発見ができる可能性が高いからだ。私にとってサバクトビバッタの新発見をすることは、好きな子のファーストキスを奪うのと同じくらい希少価値がある。誰よりも先に奪いたい略奪感と、誰かに奪われたらどうしようという不安感に襲われる。動機はどうであれ、新発見はバッタ問題の解決に繋がっていくはずだ。

世界中のサバクトビバッタを独り占めしたい。彼らを自由自在に操りたい。他の人たちに殺されてほしくない。根強い独占願望がある。これ以上隠し続けるのはツライから白状すると、私はたぶんバッタのことが問答無用で好きなんだと思う。ヒトとしてたまに自分でも心配になるけど、世の中の役に立ちそうな予感がするからこの想いは大切に育んでいこうと思う。

さあ、みなさまどうだったでしょうか。研究者が心血注いでつくりあげる文字と図がおりなす論文の裏にはドラマがあります。今回の連載ではアフリカで繰り広げられるバッタと無収入者のドラマを紹介してきました。学会関係者からは「そんな暇あったら研究したら?」と冷ややかな目で見られることもありましたが、サバクトビバッタのことを日本中に広めることも私の使命。おかげで大勢の方に紹介することができました。

私は、プレジデントオンライン誌上で連載できたことを誇りに思います。お声をかけて下さった編集者、付き合って下さった読者の方々に感謝しております。私は人類を救う秘密兵器として一生ベンチを温めるのはごめんです。雨が砂漠に緑をもたらすと、バッタが舞い戻ってくる。今年はその雨が降った。決戦の時が近づいてきている。今、しめやかにも円満に連載を終え、波瀾を起こすために新たなるバッタの謎に挑みます。

一日も早く無収入から卒業し、アフリカをバッタ問題から救う日が来ることを祈り、今日も砂漠を徘徊してきます。

“こんなにありますバッタの謎” に続く・・・・・

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https://youtu.be/V9k0HiWl5XY  == Fighting Back Against 2020's Massive Locust Swarms ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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