ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成4年10月21日<ⰧⰊⰧ
☆★ 関ヶ原で石田三成が狸親父に挑むも、段取りも根回しも後手後手に回り狸親父の腹黒さに敵わなかった(1600年)。☆★ 戦況の悪化に追い込まれた大日本帝国が自ら神風を起こす挙に出る(1944年=神風特別攻撃隊)。☆★ 北側の隣国が気になった韓国、対抗して国産の飛翔体をぶっ放す。流石に周辺諸国に迷惑はかけなかった模様(2021年)。
本日記載附録(ブログ)
表向きは生物統計学の上席研究員にして大学教授。しかし、その裏では体系的な認識のルーツと本質を探求/宗教、写本、はては「百鬼夜行絵巻」など
曰く、日本の進化学者/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業環境変動研究センター環境情報基盤研究領域 統計モデル解析ユニット専門員にして、農学博士(東京大学)
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
統計学を駆使してさまざまな対象に切り込む“系統樹ハンター”=系統樹思考の世界=
三中信宏(04/13) >◇◆ 第二回 / 私たちはなぜ系統樹が好きなのか =前節= ◆◇
様々な系統樹、系図のたぐいを蒐集して、その背景にあるものを考察する三中さんに、実際に描かれた図像を見せてもらったり、お話を伺ううち、こと系統樹的に(ツリーとして)なにかを描く時の目的が、大きく分けて2通りあるのではないかと感じた。
ひとつ目は、前回、主に紹介したものだ。生物の系統樹のように、時間を軸にした分岐の様をあらわしたもの。生物進化の他には、家系、言語、写本などが、この種類のツリーだ(家系については、「正統」だけを辿る場合、分岐せずにチェイン(鎖)であることも多いが)。
これらは、ある意味で「歴史科学」の萌芽であり、今の世では、立派な科学の1分野として認められているわけだ。
もうひとつは、知識を伝える手段として、ツリーを利用するもの。カバラの「生命の樹」(セフィロート)は、厳密にはツリーではなくてネットワーク状だが、こちらの発想に近い。より樹木的なものとして、15世紀末に記憶術を体系化したライムンドゥス・ルルスが、学問の諸分野を描いた「知識の樹」などがあげられる。
すべての学問・すべての知識を、同じ樹木の根と枝に配することで、錯綜とした森のような知識体系を整理し、理解を助けようとしているわけだ。さらに、18世紀、ディドロやダランベールらの『百科全書』をツリーとして描く「百科全書樹」なるものも描かれており、知識を体系づけるツリーも根強い伝統のようだ。
まとめると──
進化の系統樹のように、今手に入るデータから過去を再現しようとする試みで、ツリーが多用されることと、知識を整理して提示するためにツリーが使われること、これら2つの似て非なるものが、三中さんの「系統樹蒐集」の網にかかってきている、ということ。
これはいったい何を意味するのだろう。
「──物事を整理して覚える時に、我々にとって楽なのは、階層化してまとめることなんですね。どんどん枝分かれさせるということは、上の階層から下の階層へ分岐させるのと同じわけです。 そのやり方で全体をまとめてしまうと、覚える量、1個1個のアイテムをバラバラに覚えるよりは、非常にやりやすくなるわけです」
「──体系化したりカテゴライズするっていうのは、要するにツリーを描くことと同じなわけです。
だから、進化的な話と全然関係ないところで、アイテムの整理・体系化のためのツールとして、『知識の樹』などが出てくるわけで、我々がなぜツリーが好きなのかという大もとのルーツがあるはずなんです。それが一方では系統的な考え方、もう一方では階層的分類、例えばルルスの記憶術ですね、そちらのほうに広がっていくと」
これは非常に大事な点だ。
今、我々は、枝分かれする図を見ると進化論を思い出すくらい、系統樹のイメージが頭にしみこんでいる。しかし、それ以前の段階から、階層構造を表現するツールとしてツリーを使うことで、世界を把握しやすくしていたらしい。
ツリー万能! 系統樹、万歳! である。
と素朴に考えると、これまた実は、落とし穴があるようだ。
・・・・・・明日に続く・・・
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