○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○
◇◆ 第2回 飛行機で南極大陸へ =1/2= ◇◆
11月9日、朝6時。ケープタウン空港行きの14人乗りのバンがホテルの前にやってきた。 当初予定から遅れること5日、ついに南アフリカ共和国から南極へ出発する日が来た。
空港に到着し、飛行機の出発案内モニターを見ると、
行き先:Antarctica 便名:82Y9173 搭乗ゲート:B3
シンガポール行き、ドバイ行き、ロンドン行きなど、通常のフライトに混じって、当たり前と言わんばかりに南極行きのフライトが表示されているではないか。
チェックインカウンターにも、アデリーペンギンのイラストと一緒に“Antarctica”の文字。 みな、カウンターの前に並んで、順番に荷物を預け、パスポートを提示して搭乗券をもらっている。
どれもこれも、ごく普通に飛行機に乗る流れなのだが、これまで「しらせ」という特別な船で1カ月ほどの特別な航海を経て南極へ向かってきた私から見ると、逆にその普通さが全て驚きの連続だ。 まさか、ケープタウン空港でセキュリティーチェックを受けて、免税店で酒を物色して、搭乗ゲートで搭乗券の半券がピリッと破られて、南極行きの飛行機に乗ることになるなんて。
南極行きイリューシン76TD
搭乗ゲートで我々を乗せたバスは、様々な飛行機の横をひたすら通り過ぎ、空港の建物からどんどん離れていった。やがて駐機場の最果てと言わんばかりのエリアに着くと、これまで横目に見てきた他の飛行機とはちょっと様相を異にする機体が停まっていた。 南極行きの航空機イリューシン76TDだ。
客室に窓がなく、コックピットの足元にたくさんの窓、なんだか丸みを帯びた馴染みのないフォルムをしている。 バスを降りると、イリューシンの前には搭乗前に預けた全員分のかばんがズラリと並べられていた。 これらのかばんの中には防寒着が入っている。 機内に持ち込み、南極に到着する前にみな、服を南極仕様に着替えるのだ。
搭乗者は全部で66名。南極の夏の間だけ運航するこの飛行機の今シーズン第1便目のフライトなので、設置されたシートは満席だった。 そのうち科学者は、私たちアンターセー湖調査隊の6名と、インドが保有するマイトリ基地へ向かうインド人10名だけ。 残り約50人は、ノボラザレフスカヤ基地の設営関係者や航空会社スタッフ、観光ツアーの参加者、冒険家という面々だった。
イリューシンに乗り込むと、運良く私は一番前の席。機内は天井が高く、各国の国旗がずらりと並び、そして今までに見たことのないような年季の入った雰囲気を醸し出していた。 見渡してみると、5日間の待機後かつ今シーズン初のフライトということも相まってか、66人分の熱気と高揚感が機内に充満しているような気がした。多分これは単なる私の勘違いではないと思う。
エンジンがかかると、機内は隣同士で普通に会話が出来ないくらいの騒音になった。離陸して上空まで行くと、サンドイッチや飲み物が配られ、その後ずっと、前方の大きなモニターに英BBCの自然ドキュメンタリー番組が上映されていた。南極へ行こうという人たちにはやはりこういう番組が人気なのかもしれない。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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