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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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現代の探検家《田邊優貴子》 =03=

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○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○

◇◆ 第1回 南極まで6時間 =2/3= ◇◆

解けない湖の底にピンク色の世界

 そもそも、南極にはたくさんの湖があるが(昭和基地周辺だけでも100以上!)、どこにでもあるというわけではない。 湖があるエリアというのは大陸上にポツリポツリとパッチ状に点在していて、しかも結構限られている。

 私にとってとてつもなく幸運なことなのだが、昭和基地周辺は南極の中で湖が最も多いエリアの一つである。 そして今回行くのは、そんなに湖が多いわけではないが、昭和基地周辺と比べて大きな湖があるエリアだ。

  大陸沿岸にある昭和基地周辺の湖では、そのほとんどが真夏(1月中旬)になると数週間は湖面の氷が解けるのに対して、今回のエリアは内陸にあって気温が低いので、一年中、湖面の氷が解けることはない。  なんと真夏でも、湖面の氷の厚さは4メートルほどもあるそうだ。

 と言うことは、これまで長きにわたってずーっと、湖の中の世界は氷の蓋で外界から閉ざされてきたということになる。 これだけでも、もうワクワクが止まらない。 その上、ここら辺の湖の底には、いわゆる植物っぽい緑色の世界ではなく、何やら不可思議なピンク色の世界が広がっているらしいのだ。

 なんだそれは?! 私の心は鷲づかみだ。 もうこれは行くしかない、湖に潜るしかないのである。

 今回調査するアンターセー湖も、無生物環境からはじまって今に至っているが、湖底にはコケがいない、さらに藻類も少ない。  シアノバクテリアの一大帝国となっているらしい。 そこに行けば、昭和基地周辺の湖よりももっと“はじまり”に近い、もっと原始地球の生態系を探求することができるに違いない。

5カ国6名の国際チーム

  このアンターセー湖南極調査隊は、5カ国・計6名の色々な意味でバラエティ豊かなメンバーで構成されている。  リーダーのデイル(Dale Andersen)は50代後半のアメリカ人で、陸水学・生物地球科学者かつ潜水のプロフェッショナル。  アメリカのSETI研究所の研究者で、なんと今回が南極調査15回目!

 ロシア人のブラジミル(Vladimir Akimov)はロシア科学アカデミーの微生物研究所から来た60歳くらいの微生物学者で4回目の南極。 カナダ人のウェイン(Wayne Pollard)も60歳くらい、カナダMcGill大学の地形学者で6回目の南極。 カナダ人のアリソン(Allyson Brady)は私と同い年生まれの36歳、カナダMcMaster大学の地球化学者で初めての南極。

  オーストリア人のクレメンス(Klemens Weisleitner)は26歳、オーストリアInnsbruck大学で雪氷微生物を研究する博士課程の大学院生で2回目の南極。 そして最後に、日本からは陸水学・植物生理生態学者の私、もう一度書くが今回で4回目の南極調査となる。

 国籍も違えば年齢も専門分野も南極経験もバラバラだ。 アリソンと私以外はみな男性。  けれど、南極でフィールドワークをするチームとしては、6名中2名が女性というのは珍しく高い割合だと思う。

 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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