長くて27分以上、深さにして560m以上 鳥類でいちばんの潜水能力
-65℃の氷原上で身を寄せ合い、雪しかない絶食状態にて繁殖地で抱卵するオス
卵が孵化する約120日間で体重は40%以上減少、再び海洋に戻る途中に死ぬオスがいる
オスだけが抱卵するコウテイペンギン、その潜水戦略を解き明かす塩見こずえ
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文=川端裕人/写真=藤谷清美、塩見こずえ(調査) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 塩見こずえ(05) / 第2回 “長く深く”潜るコウテイペンギンの思いを探る =3/3= ◆◇
「海流がずっとコウテイペンギンに作用している状況で、それに対抗する向きに常に体を動かしてるような結果をデータが示していたんです。自分が海流で流されているのを自覚して補正しているのを発見した! とぬか喜びをしたら、結局、算出された潜水経路の誤差だったという結論になりました。こういうことに気づかずに論文を書いたら、間違いを指摘されないまま世に出てしまう可能性もあると思うんですよね。ほとんどの人はこのロガーのそんな細かいところを知らないので。だから、自分できちんとやらなきゃならないんです。でも、動物行動の研究をしているのに、誤差の話ばかりというのはそろそろ嫌だなって思い始めてました(笑)」
ちょうどそこに、南極行きの声がかかる。
「マクマード基地でコウテイペンギンの調査をやるから来ないかっていう話が佐藤先生に来たみたいなんですね。でも、先生は忙しくて行けないからというので、学生を送ってもいいかと交渉してくださって。で、私がそのデータの解析をやっていたこともあって、行かせてもらえたという経緯です」
それまでデータ解析専門だったので、慌ててフィールドでの経験を積み、また水族館でデータロガーの取り付けを練習させてもらったり、なんとか南極に向かう準備を整えたのだった。
南極観測というと、のんびり船で赤道を越えて、というイメージ流布しているかもしれない。しかし、日本隊の場合、研究者はオーストラリアまで航空機で飛び、先行して日本を出港していた南極観測船しらせに追い付いて乗船するパターンが多いようだ。一方、アメリカのマクマード基地の場合は、ニュージーランド南島のクライストチャーチから軍用機で一気に基地まで飛ぶ。
「飛んでしまうと、6時間くらいなんです。あっけない。景色は確かに南極ぽいんですけど、これほんとにそうなのかなって最初に思いました。ハンディGPSで確かめたら、たしかに南極らしくて、やっぱりそうなんだと。いったん、南極の基地にいるんだって納得すると、もう全部見るものが新しく見えてきて。基地もだし、自然の風景もすごい」
この時点では、コウテイペンギンとの出会いはまだだ。コウテイペンギンは基地の近くではなく、かなり離れたところにいる。なんらかの方法で、探しにいかねばならない。
次回は“第3回 南極ペンギン牧場”に続く
■□参考資料: 可愛くて愛くるしいコウテイペンギン=皇帝ペンギン= (5/6) □■
海へ行ってきたメスはヒナのための食物(オキアミなど)を胃に貯蔵しており、食物を吐き出してヒナに餌として与える。 ヒナは最初羽毛も生えていないが、やがてヒゲペンギンを小さくしたような黒と灰色の綿毛が生える。 海へ行ったオスは、やはり同様に食物を胃に貯蔵して、数週間後に繁殖地へ戻ってくる。
以後、オスとメスが交代でヒナの番と餌運びを行う。 ただ、戻ってきてもヒナがなくなっていたりしていると、メスは他のヒナを奪って育てようとする。 ヒナの成長につれ、摂取する餌の量が増えていくと、オスとメスが両方とも海に出るようになる。 この頃、ヒナばかりが集まって「クレイシ」(フランス語でクレーシュCrèche、保育所の意味)という集団を作る。 そして150日頃経過すると、いよいよ繁殖地を旅たつことになるのです。 クレイシは子育てを行っていない若鳥などに守られながら徐々に海岸へと移動する。
ヒナが充分に成長する頃にはクレイシも海岸に到達し、南極も夏を迎える。 ヒナが成鳥の羽に換羽するのと同時期に、成鳥も冬羽から夏羽に換羽する。なお換羽の間は海に入らず、絶食することとなる。 換羽の終わった群れは餌の豊富な夏の南極海へ旅立つ。
Baby Emperor Penguins Emerge from Their Shells https://youtu.be/k0u67Wk_hJ0
コウテイペンギンと人間との関係
大型であること・生息環境が安定していること・人間の影響がないことから、生息数は安定している。 一方で温暖化により、生息地である棚氷の減少が懸念されている。 海水面の変化により2100年までに多くの繁殖地が影響を受け、壊滅する繁殖地もあるという説もある。 2009年に人工衛星からの調査では46コロニー、238,000ペア、595,000羽の個体数が確認された。
日本では1954年に初めて恩賜上野動物園で飼育され、1960年に寄贈され1977年まで飼育されていた個体が死亡するまで継続飼育されていた。 飼育下での長期生存例として、1964 - 1992年まで長崎水族館で飼育されていた「フジ」による28年5か月という記録がある。 フジが死亡したことで日本では一時飼育個体がいなくなったが、1997年に南紀白浜アドベンチャーワールドで20羽の雛の飼育が開始された。
飼育下における最高齢記録は日本の長崎水族館で飼育されていた「フジ」の28年5ヶ月(1964年3月29日~1992年8月28日、野生由来のため実年齢は不明)である。 「フジ」は長崎水族館の顔として長年に渡って親しまれ、死後は剥製となって現在は長崎ペンギン水族館で大切に保存されている。
・・・・・・明日に続く
○○-----○○-----○○-----○○-----○○
◆ Emperor PENGUIN 皇帝ペンギン(南極大陸)4K (UHD) ◆
動画のURL: https://youtu.be/bQSQ009k4tE
・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/4098a0dc0481c96fbc3b8ad13ff382bb
後節へ移行 : http://blog.goo.ne.jp/xxxx/257/xx
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【覧古考察;歴史自講】 :https://tubokou4310.blogspot.com/
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行
================================================
・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
================================================