◎ マリー・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ・ド・ロレーヌ・ドートリシュ ◎
○ フランス国王ルイ16世の王妃、フランス革命中の1793年10月16日に刑死 ○
◇◆ 王妃に奉げた献身的な騎士道; ハンス・アクセル・フォン・フェルセン =2/5= ◇◆
ハンス・アクセル・フォン・フェルセン、フランス革命と相克する青年期
フェルセンは王妃と成ったマリー・アントワネットに迷惑が掛からぬように祖国に戻るが、1778年に再びパリに戻って来た。 しかし、グスタフ3世の特命を受けてフランス遠征軍に加わり、アメリカ独立戦争に参加、アメリカに約三ヵ年滞在して独立闘争を客観的に監察している。 1783年6月 パリに帰任したフェルセンは、フランスの王室スウェーデン人連隊長に任じられた。
1784年6月、フェルセンはマリー・アントワネットが小宇宙を形成すトリアノン宮殿の離宮を訪れた。 再会した王妃マリー・アントワネットはルイ16世との間に長女マリー・テレーズ・シャルロット、長男ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ・フランソワを生み、離宮・小トリアノン宮殿で以前の自由奔放な快楽的生活から、家畜用の庭を増設し、子供を育てながら家畜を眺める生活を送っていた。
因みに、小トリアノン宮殿はヴェルサイユ宮殿の庭園にある離宮の一つ。 新古典主義建築であり、建物の形は正方形。 内装はロココ様式の最高峰とも評される。 1762年から1768年、ルイ15世の公妾、ポンパドゥール夫人のために建てられたもので、アンジュ=ジャック・ガブリエル(Ange-Jacques Gabriel)の設計による。 しかし宮殿が完成した時には、ポンパドゥール夫人はすでに亡くなっていた。
その後ルイ16世により王妃マリー・アントワネットに与えられた。彼女は庭をイギリス式とし、そこに農村に見立てた小集落を作らせた。 日本語では「王妃の村里」と訳されている。 革命中は酒場になったこともあが、アントワネットが生前に一人静かに田園生活の風情を楽しんだ場所で宮殿で最も愛した場所であり、死後に彼女の幽霊に出会ったという目撃談が相次いだ(トリアノンの幽霊)。
王妃の心配事を聞き、その解決策に奔走する喜びをフェルセンは感じていた。 国王ルイ16世は二人関係を知っていた。 皮肉にも、フェルセンが一年ぶりに離宮を訪れた九ヶ月後の1785年3月27日にルイ・シャルル(ノルマンディー公爵、王太子、ルイ17世、前節参照)が生まれている。 シャルルはフェルセンの子供ではないのかという噂が広まった。
ルイ16世も、シャルルが誕生したときに、不可解な言葉を日記に残してる。 『王妃、ノルマンディ公を出産。すべて我が王子と同様に取り扱う。』 と、 この言葉は・・・・・・? 自分の子供ではないけれど、他の王子と分け隔てなく扱う。 そう受け取れないだろうか。 後のことだが、 実際、ルイ16世がシャルルのことを『わが子』と呼んだのは、たった1度、断頭台に向う直前のことだった。
前章で記述したようにルイ・シャルルがわずか10歳で牢獄の中で幼い命を散らせたことを知ったフェルセンは、『あの子はフランスに残してきた最後の、そしてたった一つの心配事だった』と言い残している。 フェルセン伯爵家の全財産を投入して、マリー・アントワネットとその子女を革命の嵐から救出して、マリー・アントワネットの生家であるハプスブルク家領へ脱出させようとする努力、また、コンシェルジュリー監獄に幽閉された王妃を救出しようとする企て。 全ての情熱は、騎士道精神の範疇を確かに超えていた。
しかし、フェルセンの王妃への愛は、スウェーデンの国益に繋がりはしたが、次第にスウェーデンの国策とは異なり始め、グスタフ3世は駐仏大使となったスタール男爵に信頼を置くようになる。 そして、1788年にはスウェーデンがロシア帝国と起こした第一次ロシア・スウェーデン戦争にフェルセンは従軍する。
1789年、フランス革命が全社会層を巻き込む本格的な革命となり、政治体制は絶対王政から立憲王政、そして共和制へと移り変わって行こうとする。 グスタフ3世はフェルセンを革命阻止のためにスパイとしてヴェルサイユに送り込んだ。 国王一家が窮地に立たされると、フェルセンは亡命を勧め、革命勢力からの脱出の手引きを試みた。 俗に言う「ヴァレンヌ事件」である。
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