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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =007=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =007= 熱帯の「紅葉」  ◆◇

植物ー001

 ぼくは日本の秋が好きで、どうしても山の紅葉が恋しくなる。特にこの季節、恋しくなる。

  熱帯のジャングルを歩いていると、葉のさまざまな緑が目を和ませてくれるのだが、時々ちらほらと、色づいた葉に出会うことがある。一枚の葉がなんらかの影響で変色して、緑の中にぽつんとある。

  でも、そんな色づいた葉は簡単に出会えるものではなく、それほど目立ってもいない。ぼくが紅葉を意識しているからこそ、目に映るのかもしれない。いつの間にか、熱帯で色づく葉は、ぼくにとって貴重な存在になっている。

  上の写真の葉は、カリブ海側にある国立公園の海沿いに生える木で見つけた。そこは砂浜がきれいな国立公園。ビーチを訪れる海水浴客や観光客は、海やヤシの木、サルやナマケモノの写真、家族や友人たちの記念写真なんかをバシバシカメラに収めていくが、ぼくだけなぜか、色づき朽ちていく葉を左手にもって、バシバシシャッターを切っていた。 

  パークレンジャー(公園管理人)や海で泳いでいる人たちは、ぼくのことを不思議そ~うに見ていた。どうやら、葉っぱの写真を撮る光景だけが原因ではないようだ。なんでやろう・・・??

 そう、ぼくは暑い中、いつもの昆虫採集のいでたち=縁あり帽子に、ハエの目のようなサングラス、そして長袖長ズボンのレインウェアを身にまとい、腰からは大きく膨らんだ緑のゴミ袋をぶら下げていた。

植物ー002

 Ӂ 枯葉に成りすまして・・・・ Ӂ

  四季がない熱帯コスタリカ。前回お話したように“紅葉”はほとんどないが、“枯れ葉”はある。地表を覆うたくさんの枯れ葉を見かけることもあり、そこは多様な生き物たちの大切なすみかとなっている。

  なかでも、枯れ葉の環境に姿かたちを溶け込ませるように適応しているのが、写真の擬態昆虫たち。ただし、そいつらは見つけようと思って、見つけられるものではない。思いもよらない時に「まぐれ」で出会うことがほとんどだ。

  下の写真のカマキリなんて、翅(はね)が枯れ葉にしか見えない。これで飛び立てるなんて驚きだ。

  そうそう! この写真を見ていて思い出した。バイオリンの話です(ちょっと似てないですか?)。みなさん、連載の第5回で紹介した、バイオリンの中に産まれた2つのヤモリの卵(前記参照)を覚えていますか?

  その一つから無事に赤ちゃんが生まれました! 誕生日は9月22日。孵化に135日間は長かった~。もう一つの卵は、バイオリンの中でコロコロとさせすぎたのか、干からびて割れていました。

  「ごめんね」

  昆虫ー011

 =参考資料・文献=

イラクサ属

 イラクサ属 (Nettle) は、30から45種の顕花植物を含むイサクラ科の分類群である。主に温帯地域の都市部に分布する。ほとんどは草本の多年生植物であるが、一年生のものや低木になるものもある。

 この属で最も有名なものは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北アメリカに自生するセイヨウイラクサである。またその他にも、以下に述べるような多くの種を含む。イラクサ属は、ハマキガ科ヒメハマキガ亜科のミヤマウンモンヒメハマキ)やタテハチョウ科のチョウ等、多くのチョウ目の幼虫の餌となる。

 多くの種はとげを持っており、医学的な利用ができると期待されている。マボリ族にongaongaと呼ばれるニュージランドの固有種は、馬、犬、そして少なくとも1人の人間を殺したことで知られている。イラクサ属から分泌される毒の性質は、まだよく分かっていない。

昆虫ー012

 カマキリと人とのかかわり

 カマキリの特殊な姿や行動は、古くから多くの人間に観察されており、前脚を持ち上げて待ち伏せする姿を祈っているようだと見て、日本では俗に拝み虫(おがみむし)とも呼ばれる。また斧虫(おのむし)とも言う。カマキリ類の学名は、ギリシャ語の名前"mántis"に由来し、"mántis"は、「預言者」の意味でもある。

 韓詩外伝に「蟷螂の斧(とうろうのおの)」という故事があり、斎国の君主だった荘公はある日馬車で出かけたが、道の真ん中に一匹のカマキリがいて、逃げださず前足をふりあげて馬車に向かってきた。荘公はその勇気を賞して、わざわざ車の向きを変えさせ、カマキリをよけて通ったという。国君が一匹の虫に道を譲ったこの故事は日本に伝来し、カマキリは勇気ある虫とされ、戦国期の兜には、カマキリの立物を取りつけたものがある。

 現在の日本では意味が転じ、己の無力を知らない無謀さを揶揄する場合に用いる。祇園祭では「蟷螂の斧」の故事を元とした「蟷螂山」という山鉾があり、からくり仕掛けで動くカマキリが載っている。

 カマキリは、雪が積もるであろう高さより上に卵を産むことから、カマキリには古くから予測の力があるとされた。この「雪国のカマキリの卵は毎年雪に埋もれない高さに産み付けられていて、その年の雪の高さを予知している」という言い伝えについては、それを実証する研究がなされている。

 ギリシャ神話には交尾時の共食いが与える印象から派生した、メスカマキリを意味するエンプーサという夢魔が登場する。また、「男を食い殺す悪女」の象徴としてカマキリのイメージを重ね合わせる使用例もある。

 ・・・・・・つづく

◇◆ 昆虫・動物たちの驚くべき擬態 ◆◇

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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