〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠
ᴂ 第6話 JAMSTECの拳―天帝編― ᴂ
◇◆ オールジャパンをぎゃふんと言わせる6つの策略 =2/3= ◆◇
「元祖アーキアンパーク計画」では、海上から長いドリルパイプを繋いで海底を深く掘削する方法ではなく、BMSという掘削装置そのものを海底に設置し、数メートルから10数メートルの孔をたくさん掘ることを計画していた。そうすることでコア回収率を上げ、海底下以外の環境からの微生物混入を防いで、これまで失敗続きだった深海熱水海底下生命圏研究を成功させようと目論んでいたのだった。
この新機軸に対抗するため、ボクたちJAMSTEC地下生命圏研究チームは「元祖アーキアンパーク計画」に勝つまでにしたい6のことを考えた。
まず相手が必殺技(BMS掘削)を出してくる前に勝負の趨勢を決めてしまう電撃的速攻が最も重要だと考えた。
つまり、「元祖アーキアンパーク計画」が着手する掘削事前調査(要するに有人潜水艇や無人機を使った深海調査)に先んじて、日本近海の代表的な深海熱水域で微生物の多様性研究を網羅的に進めてしまおうというものだった。コードネームは「犬のおしっこ作戦」。できるならばBMS掘削が対象とする深海熱水フィールドについて先行的に(嫌がらせ的に)おしっこをかけようと考えた。
2つ目は「チムニーでも同じはず作戦」。BMS掘削によって得られる海底下コアは、所詮、海底から数メートルから10メートル程度の深さまでだった。それはスケール的な観点から言えば、大きな熱水噴出孔チムニー(内と外の壁の肉厚10センチを超えるものも多い)のたかだか100倍程度の拡張に過ぎなかった。逆に言えば、チムニー構造はBMS掘削コアを100倍程度濃縮還元したものだと言えるのである。
しかも、チムニーであろうが海底下であろうが、熱水と海水を混合することによって初めて代謝(生命活動のエネルギー獲得)が可能になる仕組みであることは、既に理論的な予想として報告されていた。だから微生物生態系は、海底下数メートルであろうとチムニー内部数センチだろうと、基本仕様は同じはずだと。
つまり熱水噴出孔チムニーの結果から海底下生態系の基本的な成り立ちを先行的に予測できると考えたのだ。
3つ目。海底にニョキニョキ生えるチムニーだけではなく、熱水からも海底下生態系の成り立ちを明らかにしようと考えた。混じりっ気なしの高温熱水には、直接海底下環境から運ばれてくる微生物が含まれているはず。そのシグナルを検出しようというのだ。
技術的な観点から言えば、海底でどれだけ注意深く高温熱水のみを採取しようとしても、残念ながら一般的には、常に海水がわずかに混ざるモノなのだ。一方、高温熱水に含まれる海底下生態系の微生物のシグナルは、高温であるがゆえに「極うすうす」であることが多く、わずかな海水が混じって持ち込まれた微生物のシグナルが打ち勝ってしまう可能性が高かった。そこでボク達は、高温熱水に含まれる微生物細胞や分子を濃縮する装置=現場培養器というモノを開発し、それを使う事で直接海底下環境から運ばれてくる微生物のシグナルを検出することを目指した。
= 映像で伝わらない色彩――パイロットが語る深海調査の1日 6/6 =
17時頃、海面に浮かび上がると、母船よこすかの船上では、しんかい6500を揚収する作業が始まる。 スイマーが海面で、しんかい6500をよこすかのクレーンに結びつける。甲板に引き揚げられ、ハッチが開き、乗船員はしんかい6500の外に出る。ここまで、海面に上がってから、30分ほどがかかるという。
そして、潜航後のチェックをし、消耗品を補充し、リチウムイオン電池の充電を行う。 しんかい6500は、潜航前と潜航後のチェックが徹底している。 では、パイロットはどうなんでしょうか。たとえば、潜航の前夜は何時までに寝るとか、水分は控えるとか(しんかい6500には、簡易便器があることはある)、お酒は禁止とかそういったルールはあるんですか。
「いや、特にないですね。自己管理です」 ベテラン小倉さんはそう断言する。
お酒もいいんですか。 「ええ、いつも通りが一番です」
池田さんは? 「節水モードにはなりますが、最近は特別には変わらないです。かつては、前の夜から水分を控えていましたが、今は、朝のコーヒーを飲まないくらいです」
片桐さんは? 「私は、潜航中にはものを食べないですね。おなかが空いている方が、頭が冴えるので」
「私は12時にはサンドウィッチを食べますけどね」と小倉さん。あくまでいつも通りなのだ。
俺のマネはするなよ
ベテランから、若手にエールはありますか。 「うーん、俺のマネはするなよ、かな(笑)。こうでなきゃいけないっていうのは、ないんですよ。型にはまらず、自分で考えてやることが、一番です」
では、若手はどんなパイロットになろうとしているのか、その前に、どうやってコパイロットになったのか。その話は次回
・・・・・・・・つづく・・・・・・・
動画 : 深海科学掘削技術~地球深部探査船「ちきゅう」~
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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