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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =073=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第5話  地球微生物学よこんにちは ᴂ

◇◆  そうだ、もう一度、海外で修行しよう =1/3=  ◆◇

約2カ月にわたる震源域掘削航海から戻った(はずの)高井さん。お目当てのものが見つかったかはまた教えていただくとして、連載のほうはいよいよ高井さんが「地球微生物学」に目覚める第5話の本編です。JAMSTECへ来て1年、一通りの成果を出したものの、高井さんは少し焦っていました・・・。

念願のJAMSTECでの研究生活を始めてほぼ1年。ボクは、世界で誰よりも早くやるべきだと考えた研究、そして自分がやりたかった研究、をやることができた。その結果もほぼ狙った通りのモノだった。

当然ボクは、ものすごく達成感に包まれていた。でも実は、その達成感と同じぐらい焦燥感にも襲われていた。ここまでは一直線に「この研究がやりたいんじゃあああ」と突っ走ってきただけに、その次の研究についてあんまり深く考えていなかったのだ。いわゆるノープランだったのだ。ふははは、これが若気の至りというものよ。青春の特権というものよ。「二十歳の体温は一番アツい」(昔のコマーシャルより)というものよ。

「次、ドースル、ドーナル」。ボクは焦った。

そんな達成感と焦燥感の狭間でひょっこり顔を出したのが、「そうだ、もう一度、海外で修行しよう」というヘンテコな答えだった。

前回博士課程1年生の時、ワシントン大学海洋学部に留学したことは、ある意味ボクをJAMSTECに導いてくれたキッカケとなった。そして科学というモノが、ホントーに世界に対して大きく開かれた国境など無いワクワクした大きな舞台であり、と同時に、日本人の多くの研究がアメリカで過小評価されているという「世界の中の日本人」を痛感させてくれた機会だった。

そして少し誇らしい研究ができた自分を冷静に客観的に見つめ直してみると、研究成果に比べてボク自身が、研究者としてまだまだチンケだとはっきりと悟ってしまったのだ。そんな貧弱ゥゥゥな自分を鍛え直すためにも、また、少しも名の売れていない小物の自分に「箔」をつけて虚勢を張るためにも(意訳:ポスドク後の就職にもハッタリで有利に事を進めるためにも)、ここはもう一度海外で修行しようと思ったのだ。

十八番の木下藤吉郎ばりのブラックなボクがひょっこり顔を出したようだ。にやり。どうせ「箔」を付けるならいっそのことボクが尊敬してやまない微生物学者のところに行ってやろう。そうしよう。

すこし話が脱線するのだが、当時から今に至るまでボクには変わらず尊敬する(一方でいつか超えたいと思っている)3人の微生物学者がいる。もちろん微生物学者以外にも尊敬する研究者はどんどん増えているけれども、とにかく微生物学者というくくりでは、やっぱり昔も今も3人なのだ。

「古細菌(アーキア)を発見した」孤高の人、カール・ウーズ。
「生ける伝説のゴッドハンド極限環境微生物ハンター」変人、カール・シュテッター。
「天才的微生物学革命家」でも普通の人、エドワード・デロング。  

= 超深海をめざす「しんかい12000」 (3/8)=

ピンポイントに絞り込んだ場所にROVを降ろしでサンプルをとる。最終的に6Kで人が潜る。

―なるほど、そういう役割分担があるんですね

磯崎: それぞれの長所を生かしながら総合的に使いたい。海は広くて深い。我々が知っている場所は、ほんのピンポイントにすぎません。有人も無人もあらゆるツールを統合的に駆使して、探査する必要があるのです。

実は中国の船より潜れる日本!?

―世界の有人深海潜水船で気になるのが、中国の動きです

磯崎: 中国も水深11000mを目指すという構想(有人潜水船「彩虹鱼」)を2015年春に発表していますね。

―中国は2012年6月に有人深海潜水船「蛟竜号(ジャオロン号)」で水深7000mを超える潜航に成功し、6Kの記録を塗り替えたと報じられていますね

磯崎: 深さ競争をするつもりはないのですが、ひとつだけ理解していただきたいのは、中国の耐圧殻(人が乗り込むコックピット)の安全基準の考え方です。日本と違っているのです。

―どう違うのですか?

磯崎: 中国のほうが低い。アメリカもそうですが耐圧殻の安全率は水深に対して1.25倍の圧力をかけなさいと決めています。たとえば水深4000mなら水深5000mの圧力に耐える強度を持ちなさいと。中国も最大1.25倍と言われています。

―日本は?

磯崎: 水深の1.5倍に300mを足しています。つまり6500mなら6500×1.5+300で水深1万500mの圧力に耐える強度で設計しています。

―では水深1万mの世界にすでに行ける!

磯崎: もしアメリカや中国の基準(1.25倍)を当てはめれば、今の6Kでそのまま8040mまで潜ることができるのです。

―え、では中国の7000mを超えてしまう?

磯崎: 数字のマジックみたいなものですよ(笑)。

―それは悔しい気がします。中国はいったいどこまで潜り、何が目的なのでしょうか?

磯崎: 試験で7000mを超えて潜り中国の旗を立てたと報じられていますが、日々の活動はわかりません。蛟竜号を動かしているのはCOMRA(China Ocean Mineral Resources R&D Association)と呼ばれる中国の資源の研究開発機関です。資源関連で動いているとすれば、どこで何を見つけようとしているかはオープンにはしないでしょう。

―なるほど……謎が多いわけですね

磯崎: 実は中国の蛟竜号を2013年に見せてもらったことがあるのです。日本のある機関が中国の有人潜水船を調査するというので、COMRAの方に頼んだら快諾してくださり、中国で大歓迎してくれました。「待っていた」と。

―何を待っていたのですか?

磯崎: 質問集をいっぱい持っていました。中国は水深7000mに潜れる船を作ったが、当時我々6Kは23年間安全に事故なく動かしていた。どうやって検査しメンテナンスして、どのように動かしているのか知りたいと。技術者として当然の話ですよね。「作ること」と「間違いなく安全に動かしていくこと」は別の技術であって、それをぜひ教えてくれと。私たちのノウハウなので全部はオープンにしませんけどね(笑)。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 巨大地震発生メカニズムを調査!  https://youtu.be/EOR7_tRRRRU?list=PL97pirzgh57Ms7dQy4rBYdXdGFoAdqmXY

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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