◆ 福島競馬場で出走した全ての馬に大珍事 (1929年)。史上唯一の全頭落馬による不成立レースが発生。 ◆ 彼方此方で炎上しまくりの日本が、本土決戦に備えて草木や石までも根こそぎ動員を決定(1945年= 御前会議で本土決戦を決定=)。 ◆ 史上初、ミサイルで郵便物を届ける暴挙快挙をアメリカが実行(1959年)。&so、他国には知られては拙い内輪話を遣り取りするため、米ソ首脳の間に直通の電話線が出来る(1967年)。
◎ ◎ 20世紀まで残った決闘 中心地だったフランス、紳士の事情 =後節= ◎ ◎
- - -王の禁止令を無視してまで、決闘による解決で守りたかったものとは? - -
=National Geographic Journal Japan 〉ニュース〉旅&文化〉 / 2018年 08月09日 / 文:ALFONSO LÓPEZ/訳:米井香織 =
決闘のルール
決闘では、当事者双方の名誉を守るため、衣服と武器に関する非公式のルールが定められていた。多くの場合、双方がシャツを着用し、剣を突き刺すことができるよう、胸を見せていた。防具は禁止されていたが、服の下に着用する者もいた。
最も人気があった武器は剣で、レイピアはその象徴的存在だ。長く先端がとがったレイピアはエレガントな剣で、剣が当たっただけでは相手の体や顔を切ってしまうことが少なかった。ただし、刺さった場合は別で、相手に致命傷を与える。剣と異なり、銃は貴族の美徳である勇敢さの対極にあると考えられていた。
しかし、17世紀後半には拳銃を使った決闘が数多く記録されている。 17世紀になると、決闘に介添人が立ち会うようになった。介添人は決闘の当事者に付き添い、ルールが守られていることを確認する役割を果たした。ただ、決闘の最中に介添人同士が戦うこともあった(冒頭に触れたブートビル伯爵の決闘もこのケースだ)。 さらには、戦いに勝った介添人が決闘に参加し、2対1の状況が生まれることすらあった。
こうなると「2者が名誉のために戦う」という決闘の趣旨から反してしまう。16世紀後半、偉大な随筆家として知られるミシェル・ド・モンテーニュは次のように記している。「セコンド(介添人)、サード(2人目の介添人)、フォース(3人目の介添人)という慣習をつくり出したのも一種の臆病さです…決闘は今や小競り合いと化しています」 名誉を守りながら、悲劇を防ぐことのできる選択肢は存在した。
決闘の当事者は剣を交える前に和解できるだけでなく、どちらかが相手に傷を負わせた「最初の出血」の瞬間、報復が果たされたと認めることもできた。顔を守るため、茶番のような戦いになり、互いを何度か殴っただけで決着することもあった。
しかし、多くの決闘は片方の死をもって終了した。タルマン・デ・リューが記録した17世紀半ばの伝記には、決闘とその申し込みが100回ほど登場するが、3分の1以上は事前の同意により、決闘そのものが行われなかった。ただし、決闘が行われたケースでは、約半数が1人以上の死者を出している。 (参考記事:「【動画】延長戦で決着 糞をめぐるフンコロガシのバトル」)
ほかの歴史家の情報を総合すると、フランス王アンリ4世の時代(1589〜1610年)、フランスでは約1万回の決闘が行われ、その当事者である約2万人のうち、4000〜5000人が命を落としている。決闘を名目に、虐殺を繰り返す者もいた。
例えば、アンドリュー騎士という人物は裁判にかけられて処刑されるまでに、72人の命を奪っている。(参考記事:「人類は暴力とともに進化、ただし現代は例外的」) このような惨劇が急増し、17世紀が進むにつれて、当局は懸念を強めていった。決闘の伝統はまだ好まれていたが、決闘に対する規制は厳格化した。
例えば、ブートビル伯爵はブーブロン侯爵との決闘の直後に逮捕され、リシュリュー枢機卿によって死刑の判決が下されている。そして、17世紀後半になると、太陽王ルイ14世は決闘禁止の勅令を発した。
こうして、決闘は徐々に衰退していったが、その後も長く存在した。フランスで最後に決闘が行われたのはなんと1967年だ。政治家のレネ・リビエルが侮辱された報復として、同じ政治家に決闘を申し込んだ。後世に残すため、この決闘は映像に収められた。気になる勝負の結末は、リビエルが2度負傷した後、双方が戦いを終えることで合意した。
・・・・・・・・おわり ・・・・・・・・
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