ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年06月29日<ⰧⰊⰧ ◆ 松尾芭蕉の一行が中尊寺を訪れるも、お目当ての金色堂と経堂は責任者が留守だったので見学できず。松尾バションボリ・・・・・(1689年)。 ◆ ビートルズが日本にやって来た。ヤァ!ヤァ!ヤァ!(1966年)。 ◆ 総理大臣指名選挙で、自由民主党を裏切った水玉ネクタイの元総理が再チャレンジするものの、古巣が推した眉毛の爺さんに敗北(1995年)。&so、ソウル・三豊百貨店がほぼ全壊し、512人が死亡した厄日でもある。
本日記載附録(ブログ)
ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作
日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ
=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=
研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
廣瀬陽子(26/27)
◇◆ 第8回 旧ソ連諸国から軽視され始めたロシアとウクライナ侵攻のこれから=3/4= ◆◇
ロシアでよく語られるという「タタールのくびき」という言葉を思い出した。タタールとはモンゴル人を意味して、13世紀にモンゴルがモスクワを間接支配するようになってから250年後にやっと解き放たれるまでの時期を指している。今回のウクライナ侵攻では、本来、ロシア人の兄弟であるはずのウクライナ人が欧米の影響で「悪いウクライナ人」になってしまったというのがロシア側の認識であり、悪の権化である「ネオナチ」に対抗することが大義名分だ。ウクライナは明らかに「タタール」ではないので、「タタールのくびき」が比喩的にも語られることはない。
しかし、ロシアが中国に従属するような立場になったとしたら、その時、ロシアは、中国はまさにモンゴルであった「元」が版図とした地域を受け継ぐ、いわば「後継国家」でもあることを思い起こすのではないだろうか。
「中ロ関係が拗(こじ)れると、領土問題も含む歴史論争も起きかねないですし、新たな地域不安が生じる可能性もあります。さらに、ロシアが戦後なり停戦後なり、どれくらい時間をかけて経済的な復活ができるかも大きいと思います。それが早い時期にできたら、ウクライナに対してのみならず、世界に対し、何か仕返しのような行動に出てくる可能性もあると思います。わたしはロシアに甘い顔をしろという立場では全くありませんが、それでも、ヨーロッパのいわゆる和平派が言っている『プーチンを追いつめてはいけない』とか、『プーチンに恥をかかせてはいけない』という言い分はわからないでもないんです」
さて、長い時間をかけて、廣瀬さんに、専門分野である旧ソ連諸国ととりわけ未承認国家の話題、そして、今回のロシアによるウクライナ侵攻の背景にあるもの、これからの見通しを伺った。
廣瀬さんは冒頭で紹介したように、「自分の長年の研究は何だったのだろうか、そして人間は戦争を防げないのか、という絶望的な気持ちに苛まれた」とまで感じた。そのうえで、「研究は戦争を止められない。しかし、研究が果たせる役割もゼロではないはずだ」と新たな研究への意欲を燃やした。だからこそ、ぼくはそこに「信頼できる」という要素を強く感じており、お話を聞くことで、今後も目を離せないウクライナ情勢についての背景理解を、広く分厚くすることができると確信していた。
では、侵攻開始から少し時間がたった今、廣瀬さんはどんな研究が必要だと感じているのだろうか。最後に聞いておきたい。
「今回の戦闘では、毎日の戦況分析みたいなものは非常に細やかに出されましたけど、体系的、大局的な分析はまだ不十分だと思うんですよね。そういうのをある程度のスパンをもって行って、逆に今回の戦争が特殊だと言うのであれば、何が特殊だったのか、かつてのロシアの行動様式と比べて、何か変化があったのか、見極めていくことが重要だと思うんですね。その新たに生まれている状況を、新しくできた図式で見ていくことによって、もしかしたら、また戦争が起きそうだという時などに、早い時期の感知とより強い事前の抑止ができる可能性もあるということです。現状分析をより誠実に行うということが、最初の一歩かなと思っています」
・・・・・・明日に続く・・・・・・・・
Ω・Ω・Ω 首脳会談も無力「ロシア軍侵攻」欧州が見誤った事=4/4= Ω・Ω・Ω
「長期的にはアメリカがヨーロッパの領土での存在感を持続的かつ大幅に強化することに対して関心も手段も持っていないと思われる」「(バイデン政権にとって)インド太平洋および中国との戦略的競争にアメリカの利益の軸足があるようだ」「アメリカはNATOへのヨーロッパ人のコミットメントが彼らの利益になると考えている」との認識をシモン氏は示した。
実際、NATO加盟国でもないウクライナの危機に対して、ロシアの軍事侵攻を受け、バイデン大統領は「わが国の軍は紛争に関与しておらず、今後も関与しないだろう」と述べ、「わが軍はウクライナで戦うためにヨーロッパに行くのではなく、NATO同盟国を守り、東部の同盟国を安心させるために動員する」として、同盟国を守る大義名分を明確にした。
何人かのフランス人に取材すると、「冷戦は終わったというのは幻想だった。ロシアの本質は今も変わっていない」(45歳、IT系企業社員)、「もっと早くプーチンのロシアを何とかすべきだった」(51歳、地方公務員)と言う。国際情勢に詳しいアナリストは「そもそもドイツのメルケル政権がロシアに甘かったことで、ウクライナは苦境に立たされた。今回の危機はドイツが生んだものだ」とドイツを手厳しく批判した。
「われわれはプーチンのゲームを誤解している」
IRIS創設者のパスカル・ボニファス所長は、ロシアのウクライナ侵攻について「ロシア、欧州双方に甚大なダメージをもたらすリスクを生んだ」と警告している。
ソ連邦崩壊後のロシアの安全保障戦略を専門とするフランス政治社会科学研究所(ISP)のアンナ・コリン・レベデフ氏は「われわれはプーチンのゲームを誤解している」と述べ、プーチンは歴史を操作することによって「彼自身の栄光の物語を書こうとしている」と指摘した。
さらに「2014年のロシアによるクリミア併合以来、ロシアはわれわれが合理的だと思う以上の行動をとることができる」ことを学んだはずなのに、今回もその合理性で交渉しようとしたことに疑問を投げかけた。
中国の台頭でかつてのアメリカに対峙した大国ロシアは冷戦後、存在感が薄れ、その受け入れられない現実への不満が頂点に達し、プーチン氏は自分の栄光のためにも世界の目をウクライナに向けさせ、力の誇示をはかったともいえる。その不満と怒りの感情に関心を払わなかった西側諸国の無関心が戦争を引き起こす一因だったと筆者は見ている。
・・・・・終わり
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https://youtu.be/35e_QJmFwB0 ==小泉悠x東野篤子 ウクライナ最新戦況 徹底分析【NATOの対応は】<後編>==
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