ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月04日<ⰧⰊⰧ ◆ ミシェル・ノストラダムスが100の自作の詩を収録した詩集を刊行する(1555年)も、後になって大予言だと勝手に騒がれ1999年を過ぎた後もその余韻は残っている模様だとか。 ◆ 女性の社会進出がエポック、日本人女性登山隊がマナスルの登頂に成功(1974年)。五年後の1979年、“鉄の女”大英帝国を行事ることに・・・・ ◆ 寺山修司、田園に死すの望みが叶わず病院のベッドの上で死す(1983年)。
本日記載附録(ブログ)
アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。
防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。
『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。
”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う
前野ウルド浩太郎(14) ◇◆ 第5回 バッタとバッタ博士といたサハラ砂漠の「幸せ」な時間について =2/3= ◆◇
さて、フィールドの続き。
さらにしばらくランドクルーザーで進むと、ドライバーのティジャニがまたも「ici ici(ここ、ここ!)」と指さした。
前野さんが「なんじゃこらー」的に驚くものがそこにあった。
周囲に草がなく、砂が露出した裸地だ。そこに幼虫が密集している。
面積としては、大したことない。直径1メートルくらいのほぼ円形で、たぶんたたみ一畳分くらいだろう。遠巻きには、緑色をした池が砂漠にできたように見えた。
「自分、こういうの、見たことないッスよ! 読んだこともないッスよ!」と前野さん。
マーチングというのは、行進であり、草も何もないところにただ密集して動かずにいるというのは、あまり報告されない珍しい行動なのだという。
近づくと、マーチングを再開して、アリみたいな隊列で逃げ始める。ぼくたちは、撮影したり観察したり夢中になっているわけだが、その間、我々の優秀なスタッフたちは、モーリタニア流のお茶を入れてくれて、例えば、前野さんが捕虫網でバッタを捕まえようとしても、「飲め」とばかりに振る舞ってくれる。実はこの日、「昼飯抜き」でぶっ続けての観察になってしまったのだが、甘いお茶だけは常に忘れないというのが心意気! な人たちなのだった。
とにかく、ぼくは夢中であった。最初は静かだったバッタたちも、周囲に出現した人々のせいで興奮したのか逃げ惑い、ジャンプし、積み重なり、非常に騒然とした状況になった。こういうものも、バッタの逃避行動として興味深いものらしく、前野さんは観察し、ぼくはシャッターを切った。
「こういうジャンプ、はじめて見るッス。敵が近づいてきた時の反応というか、いったいこれが何なのか。こういうふうな群れの行動、もう3年、4年待ってください。そうしたら、学術的に説明します!」という前野さんと、「いや、それ頑張って下さい。待ってます!」というぼくと、双方夢中になってしまい、昼飯抜きになってしまったのが真相である。
本当にすみません。反省しています、スタッフの皆さん。皆さんが「ラマダンによる、絶食なれ」(前野さんの表現)している人たちだったからこそ、なんとかなりました。まことに、ありがとうございます。
そんなこんなで、先発隊のキャンプに到着したのは夕方だった。
先発隊というのは、つまり、防除のためのチームのことだ。この季節、常時15チーム以上が、砂漠を走り回り、群生相の幼虫を探している。そして、防除する。前野さんが「国立サバクトビバッタ研究所」と訳している研究所の主目的は、飢饉に直結しかねないサバクトビバッタの大発生の抑制であり、字義通りに訳すと「国立・対バッタ類防御センター」みたいな含みだ。
前野さんは、防除チームから本部に無線で入る情報を得て、どの地域に調査しに行くかを決めている。この日、ぼくたちが見たバッタの群れは、翌日には防除されてしまう予定のものだった。そういう意味では、かなりピンポイントのタイミングで、あの「マーチング・バンド」に出会えたことになる。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!! ……
天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"
33歳、無収入、職場はアフリカ / 2- 世界の平和を守るため =後節=
しかし、その研究成果は防除技術の開発に結びついておらず、主な防除方法は環境汚染を引き起こす殺虫剤に頼り切りです。私は文献を読み漁り、ほとんどの研究が実験室で行われたもので、野外調査がほとんどされておらず、その生態が未だに謎に包まれていることに気づきました。なぜそうなるのか。白人研究者はテロリストのターゲットになり、現地の研究者はすぐに偉くなってしまい自分で研究することができないという背景があるのです。日本人である私ならば安全に現地で調査できるのではないか。しかも何ということでしょう。バッタを愛しすぎたがゆえに知ってしまった弱点を突けば、人類が成し得なかったバッタ問題を解決できる可能性を秘めているではありませんか。世界の平和を守るため、そして愛した者が必要以上に憎まれるのを止めるためアフリカに渡って研究することはもはや使命。男として己の力を試す勝負の時と捉え、2011年より西アフリカのモーリタニアに渡りました。
私は2008年に博士号を取得し、今はポスドクです。この6月に農林水産省から年間200万円ほどの研究費を支援していただけるものの給料はありません。収入は昨年出版した本の印税。貯金は100万円を切っている始末。奨学金の返済も。
日本経済を支えるプレジデント誌のウエブサイトで社会的底辺に君臨する無収入者の私が連載することになり、今までの人生でこんなにも罪悪感に包まれたことはありません。この狂気な試みが一体どうなってしまうのか。希望と絶望の狭間で連載の開始を宣言いたします。
次回は “故郷危うし!日本唯一のバッタ小説を読む”
故郷危うし!日本唯一のバッタ小説を読む / 1- 災いに襲われる東北、それを見捨てる政府
軍事レーダーが捉えた超巨大物体は、日本海を渡って日本本土に接近していた。スクランブルで出撃した戦闘機が目にした異常物体の正体は幅10km長さ20kmにも及ぶバッタの大群。バッタは青森県に着陸するやいなや稲や野菜をはじめとする緑という緑を食い荒らし、高い機動力で次々と緑に襲いかかり、大地は焼け跡と化した。生きる術を失った人々はパニックに陥る。東北を包む破滅の翅音と深刻な飢餓は人々を野獣へと変え、阿鼻叫喚の地獄が生まれる。未曾有の大惨事に立ち向かったのは東北を愛する政治家と昆虫学者。中央政府は非情にも東北6県を見捨てる。天地を埋め尽くすバッタの大群が生み出した闇の中で繰り広げられるバッタと人が入り乱れる熾烈な闘いの先に待ち構えているものは、破滅だった。
たかがバッタくらいで、何言ってんの? この人。妄想するにも程がある、と思われただろうが、貴方のその油断が破滅を手助けすることになるのです。日本ではバッタの大量発生は滅多に起きないので問題視されていないが、最近では2007年に関西国際空港でもトノサマバッタが大発生している。実際にアフリカでは、今現在もバッタが大量発生し、農作物に深刻な被害が出て大勢の人々が飢えに苦しんでいる。2013年、マダガスカルでは国土の半分の農作物がバッタに食い荒らされ、一大事に陥っている。
もし日本でバッタが大発生したらどうなるのか。壮絶な動乱と大惨事を予言した書物がこの世に一作だけ存在する。それは、パニック小説として名高い『蒼茫の大地、滅ぶ』(西村寿行著、1978年刊)であり、このほど東北の出版社・荒蝦夷から装いも新たに復刻される。先の文章はこの小説のあらすじだ。
・・・・・・・・明日に続く
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https://youtu.be/Vo61TiAGwhk == Why locusts are descending on East Africa ==
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