Quantcast
Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

超重元素合成研究グループデイレクター/森田浩介(11/13)_学究達=340

$
0
0

ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成4年11月16日<ⰧⰊⰧ

☆★ 本日は知るや知らぬや“国際寛容デー” さもありなんと、御茶ノ水に日本最初の幼稚園が開園(1876年=東京女子師範学校附属幼稚園開園)。大学まで一貫してお嬢様として教育させるのが目的だったとか言われているが、真相は闇の中。☆★ 全世界的ベストセラーであるカラシニコフがロールアウト(1947年)。当初はソビエト連邦など共産圏で使われていたが、今では発展途上国の田舎町でも手に入れられるほどに。 その1世紀前、世紀の文豪と認知されるドストエフスキーに対し死刑判決(1849年)。後に、シベリア流刑に減刑。☆★ 任天堂から袖にされたソニーが対任天堂殲滅のための特殊部隊を設置(1993年)。

本日記載附録(ブログ)

地球上のありとあらゆるものは、様々な元素でできている、/なかでも「大きな元素」は自然には存在せず、人工的につくったものだ

大学院生の住田貴之とともに実験結果の初期解析を行なった結果、2012年8月に3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認する

この実験が新元素の合成成功に結び付き、世界の科学者が“超重元素の錬金術師”と彼を呼び、113番元素は「ニホニウム」(nihonium元素記号:Nh)との命名される

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

 様々な科学手法・長期間の反復実験を重ねる“超重元素の錬金術師”=森田浩介= 

森田浩介(11/13) ◇◆ 第伍回 「17年間空振りしても平気な男」ゆえの新元素 =2/2= ◆◇

「・・・・・・・入射器はもうひとつ別のものがありまして、そっちを使っている時には、我々がRILACを使えるという状況になったんです。装置もよくなって、ビームエネルギーも最適で、時間も長く使える、と。2000年ぐらいから本格的に稼働しはじめたんですね」

そして、最初に実験を始めて17年目の2004年、さらに2005年の連続発見に至る。

「1回目は、僕がシフトだったんです。先に帰る研究員が、じゃあお先にって部屋を覗いたときに、『森田さん、出てますよ。イベントですよ』って言って……めっちゃくちゃドラマティックですよ、ほんとに。もう気が狂いそうでしたよ。2個目はね、2005年4月2日午前2時過ぎ。3時間早かったらエイプリルフールなんだよね。もう死ぬほど興奮して、言葉にならない、というか」

森田さんは、その「イベント」のことを思い出し、興奮も新た、というふうに語ってくださった。

なお、イベントという言葉は、我々の社会生活的には、たとえば、クリスマスであるとか、スポーツや音楽の興行であるとか、特別な行事について使われることが多い。

英語のeventという言葉の根っこにある意味合いは、「起きた(起きる)事象」というようなニュアンスのようで、それが物理の実験の場合、「実験の目的として期待される事象」、ということになる。特に、元素の合成は、理論から確率を予想できる「確率イベント」だから、それが起きるのをひたすら待った末に、「来たぞ! イベントだ!」と歓喜の瞬間がやってくる。

積み重ねて、積み重ねた先に発見(イベント)がある。その醍醐味。自分が打ち込んできたことが間違いではなかったと知った喜び。想像するだに余りある。

「野依さん(理化学研究所理事長・ノーベル化学賞受賞者)に言われました。この男は17年間空振りをしても平気な男なんだって(笑)。それも、高校生が研究所見学に来た時にですよ。こいつはすごいんだって。私にはできないが、彼は偉大だからそれができた、とか褒めてんのかけなしてんのか、って」

 この時に合成された113番元素は、前にも述べた理由で認定されなかった。そこで、森田さんはさらに実験を続けることになったのだが、前の2回のように続けざまに合成はできず、かなり時間がかかった。こればかりは確率論的な話で、サイコロをひたすら振り続けて、目が合うのを待つのと同じだ。その努力が実ったのが2012年だったというわけである。

「──2012年8月18日土曜日です。停電作業が19日に入ってまして、実験を一時、止めなきゃならなかったんです。そこで、学生さんが1週間分くらいたまっていた未解析のデータを見ていたら、8月12日の朝にアルファ崩壊が連続して起こってるのが分かったんです。僕はたまたま出勤していて、電話が来ました。『何かできてるみたいなんですけど』と。急いで実験室に行ったら、これはもう間違いないと確信しました」

「──4つのアルファ崩壊が見えてて、『核分裂見えてる?』って言うと、『いや、核分裂は見えてないんですよ』って言うんですね。まさに見つけたかった、核分裂せずにアルファ崩壊が続けて起こるパターンだったんですよ」

この日、森田さんが出勤していた理由というのが出来すぎている。

国際純粋・応用物理学連合、IUPAPの実験核物理分野(C12)の会議が理化学研究所であり、参加者が施設を見学しにくることになっていたのだ。森田さんはその案内役だった。参加していたメンバーは、国際的な原子核物理の世界でも主立った面々。結果的に、論文にするよりもはやく、その発見を世界の研究者たちに知らしめたことになる。

「感極まりますよ。だって7年間イベント見てなかったですから。いつか来るとは信じてましたが、やっぱり来たらまた死ぬかってくらい嬉しい。おまけに、会議のメンバーがみんなで拍手してくれて、その中には、新元素の認定をする委員もいたんですよ」

もう去年のことだ。けれど、決して色あせることがない発見の瞬間である。

次回は“第6回 113番新元素の名前は何になる?”に続く

=== 参考資料: 匠技の装置 ===

純国産の装置群と、加速器スタッフの不断の努力で

113番元素合成の立役者たち
まずは世界最高のビーム強度を誇る線形加速器ライラック(RILAC)。1秒間に2.4兆個もの亜鉛原子を光速の10%まで加速し、ビスマスの標的に照射します。もしビーム量が10分の1だったら?113番元素を3つ作るのに100年!とても発見出来ませんでした。

実はこのビーム、強力過ぎて、厚さ1万分の5mmのビスマス標的に穴を開けてしまいます。そこで、同じ場所にビームを当て続けないよう、標的を円盤上に並べ毎分3000回転以上で回すことにしました。この回転標的も立派な立役者です。

さて113番元素が合成されるのはとても稀です。そのうえ折角出来ても、大量の亜鉛ビームに混じってしまっています。その中から113番元素だけを選り分けられるのが気体充填型反跳分離器(GARIS)です。あたかも浜辺の砂の中から一粒のダイヤモンドを探し出すような大立役者です。このGARISが無くては、113番元素を見つけることは不可能なのです。

これらの装置はいずれも研究者が自ら設計し、加速器を運転するスタッフの人達とともに作り上げました。実験は24時間連続で何週間も休むことなく続きます。その間ずーっと加速器の運転を続ける加速器スタッフの不断の努力が実験を成功に導いてくれました。

 ヘリウムガスがポイント
GARISは電磁石で粒子の進路を曲げて選り分けます。粒子の質量と電荷によって曲がり方が決まるのです。標的で作られた113番元素の質量は一種類、でも電荷はバラバラなので、曲がり方もバラバラ。これでは貴重な113番元素を集められません(電子が113個付いてれば電荷0価、電子が110個(3個取れている)なら+3価)。

そこで重要なのがGARISに詰めてあるヘリウムガス。113番元素がガス中を進む際、ヘリウムと衝突を繰り返しながら電子のやり取りをし続けます。実はこの変化し続ける電荷の平均値が一定の値に定まるのです(平均平衡電荷:本実験では+11.9価)。113番元素はこの値で決められる一定の軌道上を生成当初の電荷とは関係なく進み、もれなく検出器に達します。

⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

前節へ移行 : : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/d7a4da0cc66e90c6be8672d29e480f94

後節へ移行 : http://blog.goo.ne.jp/学究達=341=/xxx

----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------

【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【壺公夢想;如水総覧】 :https://thubokou.wordpress.com/

================================================  

森のなかえ

================================================


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

Trending Articles