ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成4年11月13日<ⰧⰊⰧ
☆★ アメリカに於いて、白人の隣に黒人が座ったところで何ら文句を言われないことが認められる(1956年=モンゴメリー・バス・ボイコット事件: アメリカ連邦最高裁判所がアラバマ州モンゴメリーの人種隔離政策に対して違憲判決)。☆★ サトウハチローが他界(1973年)。これにより、秋の発見者は永遠に謎のままに。 されど、沖縄本島の与那覇岳で新種の鳥が発見(1981年)され、永久の自然児・ハチローが口癖“ナンデモクイナ”に敬意して「ヤンバルクイナ」と命名される。☆★ 宮沢りえの児童ポルノが発売(1991年)、これが大ベストセラーとなったことを切っ掛けとして規制論議が盛んになるという皮肉なことに。
本日記載附録(ブログ)
地球上のありとあらゆるものは、様々な元素でできている、/なかでも「大きな元素」は自然には存在せず、人工的につくったものだ
大学院生の住田貴之とともに実験結果の初期解析を行なった結果、2012年8月に3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認する
この実験が新元素の合成成功に結び付き、世界の科学者が“超重元素の錬金術師”と彼を呼び、113番元素は「ニホニウム」(nihonium元素記号:Nh)との命名される
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
様々な科学手法・長期間の反復実験を重ねる“超重元素の錬金術師”=森田浩介=
森田浩介(09/13) ◇◆ 第四回 とある超重元素の検出装置 =2/2= ◆◇
「衝突が起きて原子核がくっついたものは、まっすぐゼロ度方向(ビームが飛んできたのと同じ方向)に飛んでいくんです。それで、うまくくっついたものを半導体検出器に導く時に、大強度のビーム粒子(この場合亜鉛70)と分離させるために磁場の中で円運動させるんですが、その半径はイオンがどれだけ電荷を持っているかで決まります。原子から電子が幾つ剥げたかによるので、統計的にしか決まらないんです。
そこでヘリウムのガスを充填してあることが効いてきまして、飛んでいるうちにヘリウムのガスと衝突して、電荷が減ったり増えたりしつつ、結局、最初はどんな電荷状態であろうと、最終的には平均的な半径になって狭い範囲で受け取ることができるようになっているんです」
半導体検出器に、新元素の原子核が捕捉されると、そこから先、どのように崩壊していくかがつぶさに観察できる。最初の段階では人類がはじめてお目にかかる物質であるわけだから、崩壊する過程で既知の元素、それも、核図表ですでに知られているマス(つまり既知の元素の既知の同位体)を経て崩壊するのが観察できればよい。ただ、崩壊のパターンは1つだけとは限らないので、そこも問題になる。
「2004年と2005年にみつけた時には、両方とも、アルファ崩壊を4回繰り返しました。113が111のレントゲニウムになり、109のマイトネリウムになり、107のボーリウムになり、105のドブニウムになって、そこで自発核分裂してボカンと2つに割れたというのが、その時の結果なんですね」
アルファ崩壊は、原子核からヘリウムの原子核(陽子数2、中性子数2)が飛び出す現象で、つまり陽子2個分の原子番号が減り、中性子2個を合わせて質量数は4つ減ることになる。ここでは原子番号(陽子の数)に注目しているので、数が2つずつ減っている。
4連続のアルファ崩壊の後にたどり着いたドブニウム105の性質はよく分かっており、既知の原子核と言って良い。ドブニウム105は、超重元素らしくすぐに崩壊するのだが、3分の1ぐらいの確率で核がばかっと2つに割れて一気に原子番号が小さなものになってしまう。これが、2004年と2005年に観察されたものだ。
一方、残りの3分の2の確率で、さらに2回、アルファ崩壊を繰り返すパターンが起きる。確率3分の1のパターンが2度続いてしまったわけで、もうひとつのパターンも観察しないと完璧ではないと指摘された。
2005年から7年かけて3度目の合成に成功し、その時には、さらに2回のアルファ崩壊も(つまり連続6回のアルファ崩壊)を観察できた。これにて、113番元素の合成が確定したと見られているわけである。
次回は“第5回 「17年間空振りしても平気な男」ゆえの新元素”に続く
=== 参考資料: インタビュー・森田浩介(5/5) ===
「それらは既知の原子核に到達していません。しかし最近、既知の原子核に到達していないにもかかわらず、116番と114番を合成した米ロの共同研究グループにその優先権が認められました。その論法でいくと、113番の優先権も彼らに認められる可能性もあります。そうなると、どちらが早いかです。私たちは2009年に266Bhが既知の原子核であることを示した段階で113番の合成が確定したと主張しています。
米ロのグループが117番を合成し、113番の合成を確定させたとするのは2011年ですから、私たちの方が早い。あとは、JWPがどう判断するかです。2013年中には結論が出るでしょう」
なぜ森田准主任研究員は113番元素の合成に挑み続けたのだろうか。
「現在、元素の種類は120もありません。新しい元素が一つ増えることは、化学や物理学にとって大きな出来事です。さらに優先権を獲得できれば、皆さんが中学校や高校で必ず目にする周期表に、初めて日本発の名前が載るのです」
超重元素の探索実験は、米国、ロシア、ドイツが先行してきた。後発の日本がなぜ113番元素の合成を実現できたのだろうか。
「ビーム強度が強く安定していること。分離装置の性能が高いこと。この二つに加えて、研究者が楽天的で、待ち続けることができたこと。これも大きいでしょうね」
次の目標は119番元素
「113番元素の合成実験は2012年10月1日をもって終了しました。次に行きますよ」と森田准主任研究員。「次は119番です」。
119番を合成するには、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)などを標的に用いる必要がある。さらに、114~118番の元素合成ではカルシウム(Ca)のビームが使われていたが、119番の合成にはチタン(Ti)やクロム(Cr)のビームが必要だと考えられている。
「私たちにとってすべてが新しい挑戦で、基本的なことから勉強し直す必要があります。でも、自信はあります。119番元素合成に対応できるGARIS-Ⅱも開発済みです」
「120番、121番……と、もっと先に行きたい。元素の存在限界を見極めたい」と森田准主任研究員。それには2個の原子核を完全に融合させるのではなく、部分的に融合させる核子移行と呼ばれる新しい手法が必要となる。
「元素にはさまざまな同位体があり、現在3000種もの原子核が知られています。横軸に中性子の数、縦軸に陽子の数で分類した核図表を見ると、まだ合成されていない空白域も残されています。1個1個埋めていきたいですね。周期表を拡大し、核図表を埋めていくことで見えてくる世界があるはずです」。
森田准主任研究員の挑戦はまだ終わらない。
(『理研ニュース』2013年1月号を再録。文中の肩書は当時。)
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